食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

北米で売られている野菜が大味な理由

今年はじめ、二月に日本に一週間ほど帰省して来ましたが。

ヴィーガン外食が困難な日本でしたが、やっぱり美味しいものは美味しい。

「日本はなんでも美味しい、コンビニのものでも美味しい」というのがエクスパット・日本人の間でよく囁かれる合言葉ですが、懐かしさ+添加物てんこ盛りのものを食べ慣れてる?=な発言かな、と思います。

 

なんでもってことはないですよ、やっぱり。笑

 

強いて言えば、こちら(北米)のコンビニで買うものと、日本のコンビニのものとでは、同じ添加物てんこ盛り製品でも、日本のものの方が成人病までの道のりは 若干遠いかもしれないと感じられるかな、、、と。笑(でも本当に健康にいいのかどうかは知りません。)

 

でもやっぱり、日本で感じたのは、「野菜がシャキッとしてるなあああああ!」ということでしょうか。

 

サラダバーでも、鍋の材料でも、宿の朝ごはんでも、野菜がしっかりしてるなと思いました。

今回は食品スーパーで野菜類をじっくり眺める機会はありませんでしたけれども、シャキシャキの水菜が鍋の材料として皿に盛られてるのをみて、なんてシャキシャキ新鮮なんだろう、と思ったものです。

 

北米でもファーマーズマーケットに行くとか、農家から直接買うCSAの野菜とか、シャキシャキの鮮度のいい野菜を見ることはあるんですけれど、そうでない場所では、特にうちの界隈のような内陸部で北国だと、遠くは中南米から、またはカリフォルニアなどから運ばれて来た野菜類は、どうしてもシャキッとはしていません。

バナナやトマトなどは、輸送中に傷んでしまってはいけないし、店頭に並ぶまで熟してしまってはいけないからと、未熟なうちに収穫されて運ばれてくるから、その実が本来持っているであろう旨味は出てこないんだと思います。

 

夏場はそれでも国内、州内で採れる野菜が増える(はずな)ので、野菜がもっと元気ですけれども、でもやっぱり年間通して、季節感ゼロな、「冬なのにトマトとズッキーニ?春なのにリーク?」という、年中同じ商品を並べてないと行けないと思い込んでる商店と年中同じ作物を買うことができないとおかしいと思ってるような購買者とで成り立ってる、おかしな図があるのです。

 

まあね、グリーンハウスとか、季節が逆な南米からの空輸とか、季節を無視した農作物ってそれほど無理なく店頭に並ぶんでしょうけれど、、、

 

いや、やっぱりそれ、無理ですよね。

 

私の好物は茄子なので、冬でも常に並んでる茄子(しかも安いんですよね)を無視できなくて、たまに買って食べてるんで、この現象を他人事のように笑うことはできないんですけれども、でもやっぱりおかしいものはおかしい。

 

で、トマトとか、自分の畑で収穫するものと店で買うものとではやっぱり味が違うし、野菜の旨味のみで勝負するような料理の場合、なんとなく「本当?野菜の旨味だけで?」と感じることもたまにあるのは事実なのです。

 

で、こんな記事を見つけました。 

北米で出回ってる野菜はヨーロッパの野菜よりも味気ない、という話です。

ものすごく大雑把に要約すると、ヨーロッパの農家が味の良い野菜を追求するのに対して北米の農家は病気に強くて一度にどかっと効率よく収穫できる野菜を追求する(要するに、資本主義の原理に則ってるわけですよね)ため、味は二の次になり、遠隔地へ出荷するために早めに収穫して運搬しても、傷みにくい、毎回タネを蒔いたらきっちり確実に大量に生産できる種が生き残る、という。

その結果、美味しさ、味わい、風味、などという、食べ物にとっては本来は重要なはずの属性がないがしろにされて、大きくて確実に育って傷みにくい(でも美味しくない)種類がどんどん生き残って来たというわけだそうです。

 

だってね、うちの近所のスーパーにもよくあるんですよ、1パウンド99セントのピンクっぽくて赤くないトマト。

なんというか、薄い色してて、でも皮はしっかりしてるんです。

で、個体の重さもしっかりしてる。でも色が薄いので美味しそうに見えない。

美味しそうに見えないので私はいつもそのトマトは手に取らないのですけれど、いつも1パウンド99セントです。夏場は79セントなんてことも。

「これ美味しいわよ」というおばちゃんがいたので、試しに一度買ったことがありますが、美味しくはなかった。笑

(あれを美味しいわよ、と他人に言える感覚ってどんなんだろう。)

 

自分の畑で育てたトマトは、水やりしてても、雑草抜いててもトマトの香りがして、そろそろ収穫どきだな、と手を伸ばしてもぎる時も、トマトの匂いが充満しているのですけれど、そういうのをお店のトマトで感じることはありません。

そういうもんだ、と思ってたんですけれど、ヨーロッパの八百屋ではもうちょっと香りがいいのでしょうかね。

日本の八百屋ではどうなんでしょうか。

 

私、レタスが特に好きじゃないんですけれど、アイスバーグレタスとか、味も何もないじゃないですか。

味のある野菜が嫌われて、水っぽくて、まるでマヨネーズの台?みたいな存在の方が便利でもてはやされてるような感じがして、北米の野菜売り場って本当になんだか物足りない!と感じるのです。

北国のうちの界隈だからそう感じるのかな。

 

農家が近くにある地域では、もっと味の濃い美味しいものが、北米でも多分食べられるんでしょうけれどね。

 

遠くから運ばれてきたような野菜は、やっぱり地元で採れた愛情を注がれた作物ではなくて、資本主義の仕組みの中で効率よく売り場まで到達してきて、無駄なく売り切れる、というのがはっきりしている商品でしょうから、大多数に受ける安全パイ。

北米の食品でそれは、「大きい、安い、長持ちする、よく知られている」もの。

 

だから、小ぶりな野菜やちょっと値段が張る野菜、早く食べなきゃ傷みが早いものや、一定地域出身者でないと食べないようなものは、取り扱ってもらえないんでしょう。

 

ああ、だから、うちの界隈で見かけるオクラはどれもしょぼんとしてて、先っぽの方が灰色になってたり、カビ?てるみたいなものばっかりなのか!

 

オクラを好むのは、エスニック系の人が多く、北米ジェネリックの人たちは全般的にオクラを知らない、もしくは嫌ってる人が多い傾向にあります。 

  

だからオクラは冷凍のを買います。冷凍野菜って案外いいことがあるんですよ。収穫後すぐ冷凍するから、栄養価も割と高いとかなんとか。。。

蜂蜜はどうなのかという話を再び。

以前の記事にも書いたんですけれど、

蜂蜜はヴィーガンか否か、じゃなくて、なぜ蜂蜜はヴィーガンじゃないか。

 

 

 

そうか、この記事ですでに3度目なんですねえ。これで打ち止めにしておきますね。笑

 

ものすごく簡潔に書かれている記事を見つけたのでこちらに載せておきます。

 

(ヴィーガンが)蜂蜜を避ける理由

 

簡潔に箇条書きされている原文を簡単に訳してみました。

  

  1. 蜂蜜の収穫の際に押しつぶされたり怪我をするミツバチがいる。
  2. 病気が発生した場合、ビーキーパーが取る対策は、病気が発生している巣を焼くー中にいる蜂を全滅してしまうこと。
  3. 大手の蜂蜜生産者が生産する蜂蜜は抗生物質を投与された巣から収穫されている。
  4. 蜂蜜を蜂から盗んで、代わりにコーンシロップを与えるという多くの商業蜂蜜生産者の行為は残虐だ。
  5. 蜂蜜を食べていると思っていても、実はそうじゃないかもしれない:世界中の蜂蜜業界では中身を蜂蜜だと偽ってまがい物を売ることはよくあること。

 

3と5の理由は蜂蜜に限らず、大規模食糧生産企業が利益を追求していろんな食品でやってることでしょうね。

 

うちの職場ではスーパーで一番安く売られているブランドの「蜂蜜」を使っているんですけれど、どう見ても蜂蜜100%ではないんですよ。

なんというか、蓋を開けてしぼりだすときのテクスチャーが、どう見てもアント・ジャマイマみたいな、コーンシロップっぽいスムーズさで、どんなに置いておいても固まらない、本物の蜂蜜みたいにジャリジャリのクリスタルっぽくならないんです。

地元のビーキーパーがファーマーズマーケットなどで売ってる蜂蜜の値段と比べると半額以下のその「蜂蜜」に、コーンシロップや何かが混ぜられていない方が不思議だと感じるのです。

そういうのを蜂蜜だと思い込ませて消費者を騙すのって、どうなんでしょうね。

 

 

知り合いに小規模のビーキーパーがいらっしゃって、その方にちょこっと分けていただいているんですよ、なんていうラッキーな方は、3と5の心配はないですよね。

 

肉でも、オーガニックでグラスフェッドで育てた「エシカルな」(って日本でも言うんですね。Ethical=倫理的な、ってことです。)牛肉だの豚肉だのを食べるようにしているという人がいますね。

大量生産で安く販売されてるものに比べると手に入れにくかったり高価だったりしますけれど、そういう選択ができる場合はそれもありだろうと思います。

 

 

ヴィーガンという選択をしている私の考え方は、3や5のような理由はもちろんですけれど、やっぱり2と4、これが大きいです。

 

蜂が可哀想だから、というよりも、動物を道具のように扱うその考え方に抵抗があるというか、人間が理解している以上の自然界のバランスとか営みというものを、知らずに目先の利益のことだけを考えて、破壊する行為だと思うんです。

 

人間が美味しく栄養のあるものを口にするためなら、それくらい当たり前だ、と思うのも、いやいや、それはやっぱり良くないでしょう、と思うのも個人の考え方次第です。

 

ヴィーガンの場合、人間のために他の動物を利用することはやめましょう、という考え方が基本にあるので、ミツバチを利用して収穫に至る蜂蜜も、やめておきましょ、ということなんです。

 

蜂蜜くらいいいじゃない、と思う方はそれでいいと思います。蜂の命よりも先に色々と考えるべき重要なことがあるんだから、という方もいらっしゃいますしね。

 

私個人としては、はちみつを食べなくても困ることは一切ないので、蜂の命よりも急を要する重要事項がある一方で、はちみつも食べないで過ごすことに一切問題を感じません。

 

とはいえ、例えばヴィーガン食を良く理解していないけれども私が動物性を避けていると知った知り合いが、はちみつまで気が回らなくて、甘味料としてはちみつを入れて何かをこしらえてくださったりした場合、はちみつを理由に「これ食べられません」とは言いません。

 

自分が積極的にはちみつを避けていることと、こういうブログの場ではちみつがヴィーガンじゃない理由を知っていただいて、特に蜂蜜に執着のない方々が蜂蜜を見直してくださるきっかけにでもなれば、それでいいと思っています。

 

だから、蜂蜜が大好きな方が個人レベルではちみつを美味しく食べることを敵視するつもりは全くありません。

できればマガイモノでなく本物の、個人レベルのビーキーパーの方が収穫したものを召し上がれ、とは思いますけどね。

蜂蜜に限りませんが、憎むべきは大量生産の大企業かな、と。

 

 

上記日本語リストの原文をこちらにペーストしておきますね。

Reasons to Avoid Honey:

    • During honey harvesting, some bees are inevitably crushed or injured.
    • Beekeepers often respond to disease outbreaks by burning their hives—killing all bees inside.
    • Most honey from large-scale producers comes from hives treated with antibiotics.
    • It’s a raw deal to the bees to steal their honey and replace it with high fructose corn syrup, which is what most commercial beekeepers do.
    • You may not be eating what you think you’re eating; fraud and mislabeling is rampant in the worldwide honey industry.

 

 

個人的には蜂蜜がなきゃ困る、と感じたことがないので、蜂蜜については悩んだことも代替品を探したこともありませんが、メープルシロップがやっぱり簡単に代替できるアイテムナンバーワンなようですね。

アガヴェシロップの場合は、GI値が高い上、同じボリュームだと甘さがかなり強くなるらしいので、そこらへんは注意が必要とか。

 

 私はメープルシロップの方が好みです。 

貝割れ大根を育てて見ましょう

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ガラス瓶にタネを入れて水を入れてすすぎ、ガーゼをかぶせて余分な水を捨てた後窓辺に置いて「もやし」を育てて食べる、スプラウティングは手軽にビタミン豊富な野菜を育てられるので数年前からちょこちょこやっています。

 

が、何せ面倒臭がりなので、今までは手元にある「種」を使うのみでした。

どういうことかというと、グローサリーストアで買える普通のレンティルとか豆類を使っていたわけです。

豆類もコメも麦も、種ですからね。粉になったり皮をむかれたりしていなければ発芽します。

 

先日訪れた南オンタリオのHagersville という田舎町にあるSweet Greensというお店で、注文したバーガーが出てくるまでの間にウロウロと店内を見ていたら、スプラウティング用のタネが色々と並んでいまして。

 

タネって私の中では、「野菜を育てるためのもの、もしくはそのタネそのものを食べるためのもの」なので、「スプラウティング用だよ!」とパッケージされたものは、なんというか、普通のタオルを「顔用だよ!」「手を拭く用だよ!」「指先用だよ!」とパッケージを変えて売ってるのと同じような、なんというか表面だけ変えて騙してるでしょ、っていう風に思えてしょうがないものなんですけれども、まあ暇だったし、頻度が上がったとて月に一度も食べにこられない店をサポートしたいという気持ちもありますので、買ってみました。

 


近所のスーパーでも買えるような野菜の種では面白くなかったので、大根の種を。

そう、貝割れ大根を育てるのです。ワクワク

 

本当は、大根を育てたいんですけどね。

去年まで、2〜3年ほど夏に大根に挑戦したんですけれど、毎回、親指くらいの太さになった程度ですがたってしまい、菜の花ばっかりで終わった、というのが続きまして、今年はどうしようかと。

 

スプラウトのタネですけども、ちょっとやっぱり土にもまいてみようかな。

去年までのタネと違うからちょっとは期待できるか。

それともスプラウト用だから、ダメか。(でもGMOじゃないと書いてありますからね、ということは普通にタネってことですよね?)

土に肥料をやったりして、きちんと育てないとダメってことなのかもしれませんけどね。

 

 

貝割れ大根といえば、むかーし昔、まだ個人がパソコンを持ってるのが普通ではなかった時代に、日本でO-157の食中毒になる方が続出したことがありまして(何十年前なんだ、ていう話ですが)私はカナダにいたのでそんなことはつゆ知らず、日本に帰国して遊びにいった親戚の家での会話で「お〜!いちごおなな」という言葉を聞いて「それなあに?」と聞いたらみんなに「ニュースを見ないやつ」扱いされた覚えがあります。(日本ではやってる食中毒がよその国でも流行ってるわけがないのに、、、)

親戚の家では叔母さんと従姉妹が宝塚ファンだったので、「また宝塚の舞台の話でもしてるのか」なんて思った(あの劇団関係のものってなんだかやたらと「お〜!」がついてるような印象があるもので。)

そうそう、そのO-157、原因は貝割れ大根が怪しいと言われていたんですよね。

 

食中毒って、そんな葉物からも発生するの?と驚いた記憶があります。

 

水が傷みやすいですからね、スプラウトを自宅でする場合も、水はせっせと変えて、冷蔵庫に保存するときもきちんと水を切って、傷まないうちにさっさと食べてしまいましょう。

 

というわけで、私もタネを水に浸水させますよ。経過の報告をお楽しみに、、、。

精進ベジバーガー:今年もBBQの季節になりました。

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今年の春は本当に渋いです。

シブチンです。

 

冬が長くて寒いのはわかってますから、覚悟決まってますけれど、春の気配がして、「おお、春かな?」と思ったら翌日からまた肌寒くなったり、晴れ間が見えて、「あ、ポカポカ陽気かな?」と思ったら、そのあと1週間は雨ばっかりになったり。

 

夏が短い土地ですからね、あんまり春をケチられると嫌なんですよね。

と文句を言ったって、天気がこちらに合わせてくれるわけはないですが。

 

というわけで、バーベキューはひと月半ほど前に、最高気温が20度くらいで大喜びしていた頃に一度無理やりやったっきりでした。

 

でも、今週は土日とも好天気という予報(でも月曜からずっと一週間雨模様の予報ですが)だったので、思い切って友達もよんでベジバーガーでBBQといきましたよ。

 

去年の夏も、満足のいくベジバーガーに到達できなかったので、今年もまたベジバーガー精進の日々ですが、今年第一弾は、ちょっと冒険して二つのレシピのいいとこ取りして見ようかと、実験レシピです。

 

参考にしたのは次の二つのサイトに紹介されているレシピたち。

 

 高キビを使おうと思って、炊く水加減と時間をググったら見つけたこのサイト。

高キビを「えっお肉じゃないの?」と思ったことはないので、どういうことかな?と思ったんですが、バーガー・パテの表面部分がちょっとカリッとなったその歯ごたえがみんちっぽいってことでしょうか?

肉かと思わせるほどではないと思いますけどね。

 

もう一つのレシピはこちら。

よくあるブラックビーン&キノアのパテです。

Easy Vegan Black Bean Burgers + Recipe Video

 

私はこのレシピのキノアの部分を高キビにして、味付けに醤油は入れず(味噌入れてみた)に、最初のサイトのレシピにあったジャガイモは入れずに、、という感じで。

 

ちなみに、精進料理はタマネギやニンニクは使わないようですので、今回のバーガーは精進料理というわけではございません。

あくまでも、私がベジバーガーの道を精進していく心でもってこしらえました、という、そういう意味合いです。

 

本日の精進ベジバーガーのレシピはこんな感じでした。

 

タマネギ 中くらい1個

ニンニク3粒ほど

ブラックビーンズ 1カップ半ほど

塩小さじ1

ガーリックパウダー小さじ1

クミンパウダー小さじ1

パプリカパウダー小さじ1

ナツメグ 小さじ3分の1ほど(入れすぎない)

パン粉 4分の1カップ

 

上の材料をフードプロセッサーで滑らかに混ぜ合わせ、炊いた高キビをカップ2杯ほど混ぜ合わせてバーガー・パテの形にする。

 

以上です。簡単。

 

今回はフードプロセッサーで混ぜましたが、私は豆のつぶつぶも残しておく方が若干好みかな。でもあんまりつぶつぶだと、BBQのグリルの上で崩壊してしまいやすいので、いい塩梅にまとまるようにせねばなりません。

 

ベジ・バーガーを作る場合は大概グリルの上で直火で焼くので、崩れやすいレシピはダメなのです。

フライパンで焼くんだったら割となんでもありなんですけどね。

 

 さて週末はたっぷり楽しんだ、月曜からはまた雨が続く予報ですよ。

Love You Cookies(ヴィーガン)と、老いについて

クッキーが好きな義母のために、今回も焼いて持って行きました、自称、Love You Cookiesです。

チョコレートたっぷりのアメリカ〜ンな味のクッキー(そうです、甘さが大胆不敵です。日本の甘さ控えめをお好みの向きは、砂糖注意。)

 

私自身が甘い物好きでないため、甘いもののレシピは次にそれを使おうと思ってもどこに挟んでおいたやら、、、ということが結構あります。

特に、クッキーとかマフィンとかって、自分がどうでもいいと思っているせいか、行方不明になる率が高いです。

ブログに書いておけば検索してささっと見つかるだろう!というわけで、こちらにメモしておきます。

 

参考にしたのはこちらのサイトで紹介されているレシピ

レシピはNew York はBrooklyn にある Ovenlyという焼き菓子屋さんのAgatha Kulaga & Erin Patinkinさんのものだということで、私はこのお店のことは知りませんでしたが、なんだか評判のいいお店らしくて、、、このレシピを見て焼いたクッキーも好評でした。

http://www.oven.ly

 

材料は、

  • オールパーパス・フラワー  
  • ベーキング・パウダー
  • ベーキング・ソーダ
  • ダーク・チョコレート・チップス(の代わりに、私は製菓用の本物のチョコレートを包丁で大まかに刻んで入れました。スーパーの普通の売り場に置いてあるチョコレートチップスは、本物のチョコレートじゃないことが多いので。)
  • 精製度の低めの砂糖と、ブラウンシュガー 
  • グレープシード・オイル(家にあったので)
  • 塩 (最後にパラパラとふりかける。私はこれ忘れてました。笑)

 

きちんとした分量は上記サイトでご確認ください。ここにリストしてある材料の順番はサイトの通りですので、英語に自信のない方でもパッと見たらわかると思います。アラビア数字は世界共通語ですからね。

 

これを普通に混ぜて焼くだけ、、なんですけど、ちょっと秘密があるんですよ!

卵や卵の代替品が入っていないのに、ちゃんとまとまりのいいしっとりしたクッキーになる秘密は、砂糖とオイルをぐるぐるっとよーく混ぜ合わせて、それと粉ミックス(チョコレートも合わせておく)を混ぜ、生地を冷蔵庫で12〜24時間寝かせるのです。

 

実はこれを焼こうと思い立ったのが、出かける週の前の日曜日の昼時で、材料を混ぜながらレシピを追っていって「あれ、12時間以上寝かせろって、、あれあれ、そしたら焼き始めるのは夜中、まずい」と気がついたのです。

24時間後だと仕事中ですから、やっぱり焼くことはできない時間帯です。

 

というわけで、無視して12時間未満後(もしくは24時間以降)に焼いてもあんまり変わらないのかもしれませんけれど、とりあえず初めてのレシピでしたし、ここは冷凍しちゃえ!と。

本当はどうしたら一番レシピに忠実になるのかはやっぱり確信ありませんけれど、生地をまとめてから夕飯が終わるまで冷蔵庫に入れておき、食事の片付けをする頃に生地をスクープで一個ぶんずつに取り分けて丸いボールを成形し、大きなタッパに入れて冷凍庫に入れました。

翌日は仕事から帰ってすぐに冷蔵庫に生地を移し、夕食が終わってから焼きました。

350℉ で12〜13分です。

北米サイズのでっかいクッキーが18枚ほど焼けるレシピですので、北米っぽい中がしっとりした焼き上がりを達成するために、18枚になるようなサイズに丸めて焼いたら、みんなが大好きなクッキーに仕上がりました。

 

 

このクッキー、初日は義母の食欲がイマイチだったのか、口元に持っていってほんの数ミリほどかじった後は食が進まず。

 

ムムム、美味しくないのかな?

 

などと思いつつ、夫の弟や妹が家族を連れてきていたので、彼らにも振舞いました。

皆さんが普通に美味しいと言って食べ、しかもヴェジな姪たちが「これ何入れたの?普通のヴィーガン・クッキーっていうとボソボソしてたりもろもろっと崩れたりするけど、これは普通のクッキーみたい」と聞きに来たりして、一般受けは良いようで。

 

翌日は普通に食べてくれましたので、やっぱりクッキーじゃなくて、食欲の問題か、疲れていたのか、ということだったのかなと。

 

かなり衰弱が進んでいる義母ですので、ホームでの食事も基本的にはマッシュ・ポテト、マッシュ・ポテトに細かくした魚や肉が混ぜてあるもの、および野菜とマッシュ・ポテトが混ぜてあるもの(そこまでしてジャガイモを混ぜるのはなぜ?とも思いますけど)で、流動食とまでは言わないけれど、喉につかえないように、食べやすいように、という意図が見られます。

前回訪問した時、私がクッキーをそのまんま義母の手に持たせてあげてるのを見た看護婦に、「喉が詰まると行けないから、細かく割ったのをあなたが一口ずつ口に入れてあげて」と言われたこともあります。

 

でもね、私はそれをしたくない。

義母も、私に病人扱いされたくないと思います。

 

楽しむために食べてもらいたいんです。自分のペースで、自分の手で食べたいように食べられないなら、楽しみも半減します。

義母本人が、手にクッキーを持つ力を失ったり、齧る顎の力がなくなったのではないなら、本人が食べさせてくれと意思表示するまでは、クッキーは丸ごと渡します。

 

ずいぶん前に、ボランティアで老人ホームに伺っていたことがあるんですが、そこでよくお話をしていた当時90歳のムッシューがよく言っていたんです。

「自分は90まで生きるなんて思ってなかった。今の命はボーナスみたいなもので、いつ死んでもいいと思っている。だから、余命を少しでも長くしようという医療チームの計らいで、減塩食とか旨くもないものを食べさせられるのは嫌なんだ。これが最後のディナーかもしれないんだから、塩や脂肪がちょっと多いからって、それがどうしたっていうんだ。」

 

義母は味気ない食事に文句を言う元気もないほど弱っているのですが、夫に言わせると、多分食事そのものにはそれほど文句はないと思うよと。

もともと料理が嫌いな人で(遊びに行くたびにそれを確認させられるようなまずいものが食卓に並んでいました、)食事の味に文句を言うなんて罰当たりな、、って言う感じのストイックなカルヴァニスト系カソリック教徒なのですけれど、クッキーが大好きな人なのです。

 

彼女が好きなクッキーは、日本のレシピなどでは到底出せない、大変甘い、甘々の北米スタイルです。

 

先日、焼き芋屋になりたいさんのブログ『「まくら」営業、始めました。』で紹介されていた、死すべき定め(Being Mortal)という本を読み始めまして。

伝統的な社会では家族とは老人から赤ちゃんまで、何世代もが一緒に暮らしていたのに対して、近代社会では核家族化が進み、年老いた人は自宅で自立した生活がおくれなくなったと判断された時点で、老人ホームなどの施設で他人の世話になることが一般化しています。

私の義母もまさにそのコースを進んでいます。

何もできないことがとても悔やまれるのです。 

 

義母の気持ちについて、老後の人生について、色々と考えることが尽きません。