食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

苺豊作と、週末のハイキング

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写真はジャムにする苺たち。収穫後2日くらい経っちゃったのでちょっとシナってます。

 

ほんの一週間前には4つ収穫して大げさに皿に盛って写真に撮っていましたが、その後

ガンガン収穫があり、アレヨアレヨというまに、収穫に消費が追いつかないペースに。

 

毎日750mlの容器がいっぱいになるくらい赤くなっているのです。

しかも、雨が続いたりすると腐ってたりナメクジに食べられたりして収穫できないのもあるのです。

そして葉っぱの下に隠れているいちごを探すべく葉っぱをガサガサっとするたびに蚊をはじめとする虫がムワーっと飛んで出てきます。

 

手入れも全くせず、毎年勝手になってくれるいちごですが、これ、手間かかってないとはいえ収穫の際の腰痛や虫さされを考えると、やっぱり手間ですよね。笑

 

手間を考えると、苺が高い!とか文句言うより、苺一粒収穫するのにも色々大変なんだからその労働に対して報酬をきっちり払ってあげなきゃ、、と思う。

 

冬は寒いケベック州ですが春から夏は炎天下はやっぱりクラクラする暑さになります。

そんな中でいちご(だけじゃないですけど)の収穫作業をするのは決まってメキシコなどから来た外国人労働者。

移民向けのフランス語教室で夏場のいちご収穫作業人募集のポスターを見て応募した知人が、あまりの辛さに一日でやめちゃったと言う話を思い出します。

彼女は決して簡単に仕事を投げ出すような人ではないのですよ。

作業条件があまりにも過酷だったからなのです。

 

農作業って、確かにデスクワークに慣れてる都会人がいきなり参加してできることばかりじゃない、過酷な労働に耐えられない先進諸国人に代わって外国人労働者が低賃金で頑張ってくれてるから成り立っているのですね。

毎日食べる野菜の値段が高くなるのは困るけれど、過酷な労働の対価があまりにも安いと言うのもひどい話。

フェアトレードが必要なのは、国内の農業も同じこと。

どこらへんが正しい価格なんだろう、、と疑問に思います。

 

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毎日仕事から帰ってきて、畑で虫に食われながら収穫しているいちご。

二人では到底食べ切れませんので、ジャムにします。

いちごって本当に足が速い。

 

 

先週末は、国境を超えてアディロンダック山地にハイキングに行ってきました。

キャンプもしました。

初日は深夜過ぎから雨が降りましたけど、翌日は雨が上がってハイキング日和となりました。

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Lake Placid近くの州立のキャンプ地です。翌日登った山の頂上の見晴らしのいいところで撮った写真はなぜだか保存されていませんでした。なぜだ!?

 

アディロンダックスって、大きな岩がゴロゴロした山ばっかりなんですが、こうやって岩にしがみつくように根を張っている木を見ると、歩いてるのは山じゃなくて、実際は土が積もってそこに木が生えて山っぽくなっただけな大きな岩なんじゃないかと思います。

 

今回登った山は、4100フィートのSawteethという山で、9時間半かかりましたよ。

翌日はちょっと小ぶりな山で4時間ほど。

ハイキングが終わったら、必ずストレッチをするようにしているのですが、やっぱりアディロンダックスで5時間以上のハイクをすると筋肉痛になります。

それもこれも岩場のせいだ。

 

今週も筋肉痛で過ごしました。

アーモンドミルクを考える。(前回の続き)

ミルクを飲む、と言う行為 

子供の頃、嫌いでたまらないのに「子供にとって大事な栄養がたっぷりだから」と無理強いされて飲まされた牛の母乳。

牛乳はたんぱく質が多くて、飲むと口や喉に膜が張るような感覚があるんですけれど、それがどうしても不快に感じてしょうがありませんでした。

子供の頃は、本当にそれが生理的に受け付けられないのに大人がみんなして「泣こうが喚こうが飲ませなければ!」と鬼のような顔して迫ってきていたので、恐ろしかったですよ。

アレルギーのある子に教師がアレルゲンの食品を無理強いして死なせてしまう事件などが報道されたちょっと前のことです。私は生死の問題じゃなかったとはいえ、その報道を見たときには人ごとには感じられませんでした。

大人になって、嫌いなものを無理強いされなくなって、本当に助かってます。無理強いしたり、入ってるものを隠したり騙したりして食べさせるっていう行為、良かれと思ってやっている人、やめましょうね、本当にシャレになりませんからね。子供の場合偏食だといけないと思うかもしれませんけど、体が拒否反応してるんだったら偏食じゃないですからね。

 

牛の母乳だけでなく、豆乳もダメでした。

お豆腐屋さんから買う、混ざり物なしの 新鮮な豆乳でしたが(だからか?)青臭く感じて飲めませんでした。

でも煮物や豆腐など、別の形をした大豆なら食べていましたから、無理やりミルクにした大豆を飲まなくてもいいと思ったのか、親に無理強いはされませんでした。 

 

アーモンドミルクは、豆乳よりも飲みやすく、牛の母乳の膜っぽさもなく、大豆製品を避けたい北米ヴィーガン女性に受け入れられやすいのも納得。

 

でも私はやっぱりアーモンドミルクも、積極的には飲みません。

 

アーモンドはたまに食べますし、美味しいと思いますけれど、ミルクにして飲みたいと感じないのです。 

多分、日本の伝統的な食生活に馴染んでいるから。

だって、学校給食で牛乳が和食と一緒に出てくると、本当になんだかなあ、と子供心に思いましたしね、食べ合わせというか、味覚的になじまないものがあります。

 

でも、学校では「栄養」のためにいかに大事なものかを強調され、飲まないと言う選択肢はありませんでした。

 

アーモンドミルクの栄養価

アーモンドの栄養価は下記のごとく。

Nutrition Facts
Almonds
 
Amount Per100 grams
 
Calories 576
% Daily Value*
Total Fat 49 g 75%
Saturated fat 3.7 g 18%
Polyunsaturated fat 12 g  
Monounsaturated fat 31 g  
Trans fat 0 g  
Cholesterol 0 mg 0%
Sodium 1 mg 0%
Potassium 705 mg 20%
Total Carbohydrate 22 g 7%
Dietary fiber 12 g 48%
Sugar 3.9 g  
Protein 21 g 42%
Vitamin A 0% Vitamin C 0%
Calcium 26% Iron 20%
Vitamin D 0% Vitamin B-6 5%
Vitamin B-12 0% Magnesium 67%
*Per cent Daily Values are based on a 2,000 calorie diet. Your daily values may be higher or lower depending on your calorie needs.

source: https://en.wikipedia.org/wiki/Almond  (wikipediaより拝借しました。)

 

100グラム当たり576カロリー、脂分は49グラム、タンパク質は21グラム。

アーモンドに豊富に含まれているのはやっぱりマグネシウム、カルシウム、鉄分ですね。

 

アーモンド100グラムって言われてもどのくらいなのか、ピンときませんよね。

測ってみましたよ。55個で50グラムでした。100グラム測って数えて見るつもりでしたが、あんまりたくさんあるので面倒くさくなったので、55x2=110ということで、110 粒で100グラムということにしましょう。

個体差があるので、まあだいたいこんな感じということです。

50個って言われてもピンとこないわよという方もいらっしゃるでしょうね。笑

ついでですので、アメリカンサイズの1カップ(240ml)に100グラム入れてみましたら、カップ8分目くらいかな〜、というカサでした。もちろん50グラム入れてみたときはその半分くらいのカサでしたよ。

 

これら栄養素は、浸水されて細かく粉砕され、実を綺麗に除去されて白い液体になったアーモンドミルクの中にどれほど残っているのでしょうか。

市販品の成分じゃなくて、きちんと測ったアーモンドミルクの栄養価を表示してくれているサイトがあるかなと思ったんですけど、見つけられませんでした。

 

 

Silk Original Unsweetened Almond Milkの栄養成分はこのように表示されています。

  SK_2443_nleas_AlmUNsweet.png

アーモンドそのものの栄養価は100グラム単位で表示されていたのに対し、アーモンドミルクの表示は1カップ(240ml)当たりの表示です。

アーモンドミルク100ml中に何グラムのアーモンドが使用されているのかがはっきりしないので、栄養価の違いはミルクにすることで栄養が増減するというよりは、実をそのまま食べる時の栄養価と、ミルクの消費で期待できる栄養価との比較、という意味合いです。

また、市販のものは「ビタミン*増強」など添加物が加わるので、本来ならアーモンドと水のみで作れるアーモンドミルクの栄養価ではありませんし、実際にきっちりと正確に比較することはできません。

 

上の表で見る限り、100グラムのアーモンドには1日必要量の67%あったマグネシウムがミルクにはたったの4%、20%あった鉄分は2%ですよ。

26%あったカルシウムは45%に増えてますけれど、これはカルシウムが添加されたからなのか。

 

SIlkブランドのミルクだけではなく、USDAによる栄養表示( source: Almond Milk: Nutrition & Benefits )でも、栄養価は似たようなもので、240グラム中、鉄分は2%、カルシウムは30%とあります。また、USDAの表示には、アーモンドでは0%だったのに、ビタミンAが10%になってますよ。添加されたんでしょうかね。笑

 

USDAによると、アーモンドミルクにはタンパク質(240gにつき1グラム)をあてにできないので、牛の母乳や豆乳の代わりにたんぱく質補強のために飲むのは意味がありません。

また、市販のアーモンドミルク(豆乳でも)には安定剤とか添加物が入っていますし、青臭さを誤魔化すために砂糖やフレーバーが加えられていることが多いので、純粋に栄養や体のことを考えると、どうなのだろう、と疑問です。

 

アーモンドに含まれる栄養を摂りたいから飲みたい、ということであれば、私はアーモンドをそのままカリカリと食べる方が早いと思うんですよね。

オレンジジュースとか、フルーツジュース類もそう思うんですが、液体にしてゴクゴク飲むことによって、そのものの全体の味わいや風味や舌触りを味わえなくて、ただごくごくと飲み下してしまうのって、勿体無いなあと。

 

 

 

 

 

ナッツも果物も野菜も、ジュースにして飲んで搾りかすを捨てるより、丸のまま食べちゃったほうが体にも環境にもいいと思うのは私だけじゃないはず。

 

賛否が分かれる?アーモンドミルク

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写真は https://authoritynutrition.com/benefits-of-almond-milk/ より

ヴィーガン御用達ミルク

私たちヴィーガンはミルクが必要な時、牛の母乳ではなく植物性のミルクを使います。

大豆製品を避けたがる傾向の強い北米では、アーモンドミルク始め、いろんなナッツミルクやライスミルク、オートミルクなど、幅広く普及しています。

白い液体ならなんでもミルクと呼んじゃってるわけですが、それぞれに味も栄養素も若干違うので、ミルクが好きな人はいろいろ試すと楽しいかも。

  

で、この植物性ミルクの中でも人気のアーモンドミルク、「環境によろしくない説」があちこちでささやかれていますね。

 

牛の母乳販促派の陰謀か!とも思いますけれど、世界中で消費されるアーモンドの8割が干ばつになりがちな州カリフォルニアで収穫されていることを考えると、それほど嘘八百でもないような気もするので、ちょっと調べてみました。

 

アーモンドミルクが環境によろしくないと言う話

英国のThe Guardian紙でも書かれていますね。

アーモンドミルクは体には良いけれど、地球にとっては良くないですよ、というタイトルです。

カリフォルニアのアーモンド農園は今でも拡大している。100ml生産するのに100リットルの水が必要な牛乳の方が環境には優しいというのではないが、牛乳の生産は地球上の一箇所に集中しているわけではないのに比べ、アーモンドの生産がカリフォルニアに集中しているのは環境のためには問題だろう、、、というような内容。

 

The Guardianも引用している、Mother Jonesの記事

アーモンドを食べる習慣が水源を搾り取ってカリフォルニアをカラカラにしてしまうぞ、というようなタイトルです。

アーモンドを一粒収穫するために必要な水は1,1ガロン(5リットル)だそう。

 

世界中のアーモンド消費量の8割をカリフォルニアが供給しています。

その収穫量を支えるほどの水は、カリフォルニアには降ってきませんから、アーモンド農園を拡大させるために農家(企業)は地中深く、帯水層までドリルして井戸を掘っているそうなのです。

San Joaquin Valley, the ground has literally been sinking by an average of 11 inches per year, a 2013 US Geological Survey study found.

このため、アーモンド農園が集中しているSan Joaquin Valleyでは地盤沈下が毎年平均約11インチ(=27センチちょっと。1フィートが12インチ)していたことが2013年の調査で発見されました。

 

カリフォルニアは元々水の滴る湿度の高い土地ではありませんし、今後20世紀以前のような降水量が戻ってくることは期待できないそう。

そうなると、井戸を掘って水を確保したいのはアーモンド農業だけではありません。アーモンド農業だけがこんなに無茶な水の使用を続けることはできないわけです。

 

カリフォルニアにはカナダの全人口にほぼ匹敵するくらいの人々が住んでいます。カナダが広々しているんだとも言えますけれど、大勢の人々がカリフォルニアに定住しているのです。

 

5年もの間干ばつに悩まされていたカリフォルニア州では、住民に対して水道水の使用量の制限もかなりあったと聞きます。

北カリフォルニアに住んでいる知人は、自宅のトイレは一人が使用するたびに流したりはしないんだと言っていました。

 

そんな規制のある状況で農業だけ水を好き放題使えるっていうのは、ちょっと異様ですよね。

儲かるんだから、農業に水を使用させない手はないだろう、という考え方なのかもしれませんけれど。

でも乾燥しているカリフォルニアで水をたっぷり使って初めて生産できるような農産物を育てるのって、やっぱり無理があると感じますよ。

 

アーモンドだけじゃない、水を多く必要とするカリフォルニアの農産物

カリフォルニアの農業は、灌漑システムの整備や井戸水の使用権など、他の産業よりも優遇されているからこそ成り立っているんだろうと思うのですが、どうでしょう。

 

砂漠のカリフォルニアに必要な水を補給するシステムには、歴史的に州や連邦政府の資金が膨大に注ぎ込まれて来ていますが、そうやって確保される水を、アーモンド、コメ、アルファルファなどなど、水をたっぷり必要とする農作物の生産に優先的に回すって、本来の意味でサステイナブルな選択なのかしら、とよその国に住んでいる身ながら不思議に思ってしまいますよ。

だって、要するにカリフォルニアの水を安い価格で世界中の消費者に向けて売っているわけですからね。

アーモンドも肉も、消費者の感覚としては「安い」ものではありませんが、灌漑システムの整備や井戸の掘りすぎのための地盤沈下の二次災害を収拾するための費用などが反映された価格ではありませんから、本当の意味のコストを反映していないという意味で、「安い」と思うのです。

 

そういったコストは消費者に跳ね返すのではなくて、州や連邦政府が補助してあげているのよ、というと一瞬聞こえはいいのですが、輸出が拡大して儲けて良い思いをしているのは大手の食糧生産企業。 農家、というとついつい昔ながらの個人農家のことだと思ってしまいますけれど、北米の農業は個人農家も大規模な農業企業の下請けみたいな形態になってしまっていますから、利益も企業が持って行ってしまっているのです。

アメリカは税金自体それほどではないですけれど(カナダ比)それでも納めた血税が大企業への補助金になり、みんなで大企業を儲けさせてやって、環境破壊をさせてやって、おまけに節水も住民ばかりに比重がかかるって、ちょっとひどいような気がします。

 

カリフォルニアからやってくる農産物、私は本当にありがたいと思っていますけれど、世界中がカリフォルニアの産物をこうやって消費している構図っていうのはやっぱり地球環境にとっては無理があるだろうと感じないではいられません。

 

 

酪農よりはマシ(なのだろうか)(だったらいいのだろうか)

一方、アーモンドミルク批判への反発ももちろんしっかりあります。

いくつか読みましたが、この記事を見てみましょう。

アーモンドが一粒あたり5リットルの水を必要とするのに比べ、アルファルファはアーモンドの倍近く必要としています。

アルファルファは人間が消費するのではなく、家畜の餌、要するに乳牛や食肉生産のために使われます。

酪農や肉食生産に使われる水の量は、餌になる農作物の生産からカウントするとものすごい量になりますので、アーモンドの比ではないだろうと。

上に引用した記事は若干ヴィーガン贔屓な視点で書かれているようで、「牛乳よりはマシなんだから、アーモンドミルクをじゃんじゃん飲みなさい」というような書き方が。

もうちょっと冷静に分析されているような、UCLAの学生が書いた論文を見つけましたので、こちらに貼っておきますね。

時間のある方はどうぞ。笑

http://www.environment.ucla.edu/perch/resources/images/cow-vs-almond-milk-1.pdf

要約だけ斜め読みしたら、水という点ではアーモンドミルクが、グリーンハウスガスという点では牛の母乳の方が問題が大きいだろうというような感じでしたね。

 

学術論文だからこれが正しいんだというわけではありませんが、まあ参考までに。

 

年々売り上げが落ち続けている酪農産業が植物性ミルクを迷惑がっているのはこのところいろんなメディアでも取り上げられています。

「牛の母乳以外をミルクと呼ぶのを禁止しろ!」なんていう要求も出て来たり。笑

アーモンドミルク叩きも、酪農産業のヴィーガン&ヴェジ食品への反撃かなあなんていう気もしないでもありません。

 

実際、ヴィーガン食が昨今急激に広まっていて(それは私たちにとっては嬉しいこと)「ヒップな若者が格好つけて飲んでる(食べてる)わけのわからないもの」というような受け止められ方もあり。

実際に良い物、習慣であっても、広まり方が急激だと新しいものに抵抗する人々が登場するのは世の常です。急激に広まっても、一過性の「流行り」で終わってしまっては仕方がないし。

 

アーモンドミルク叩きも、ある意味そう言ったヴィーガン(もしくはプラントベースド・ダイエット)という新しい風潮へのバックラッシュの一部という側面もあると思います。

だから「肉や牛乳よりはうんとマシなんだから、これでいいんだ」という反発の仕方をするヴィーガンもいるのでしょう。

でも本当に大事なのは牛乳かアーモンドか、ではなくて、地球環境も生産者も消費者も、食品に関わる全ての人々(環境は人じゃないですが)に無理がかからず、持続可能なやり方を見つけて現在の歪みを改善していくことですよね。

 

 アーモンドミルクについて、長くなりましたが、続編に続きます。

 

大企業が世界中に売りさばいてるようなオーガニック・フードなんか本来の意味ではオーガニックじゃないですし。

 

畑の成長記録、夏至の日、2017

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2017年、6月21日、夏至。初物のいちごです。

この日は全体に収穫してもいいかなと思える程度に赤くなっていたのが四つだけでしたけれど、まだまだ一杯実がついてますので期待してます。

 

今年の畑は、例年にも増して遅いスタートでした。

義母の家に行って来たり、キャンプならぬモテル泊のハイキングに行ったり、手を怪我したり、なかなか週末にががっと畑開始作業をできなかった。

言い訳言い訳

毎年言い訳には事欠かないですけど。笑

 

遅いなりにも今年は

トマト、きゅうり、バジル(これらは苗を購入)

アルギュラ、ビーツとラピニ(タネから)

去年のものが生き残って生えて来たので、リーク(二本だけですが)

勝手に毎年戻ってくるいちごたちが今年はモワモワっと増えたのでいちご畑

毎年戻ってくるハーブ類各種(タイム、オレガノ、セージ、ミント)

 

去年よりも種類を減らしました。

手を怪我した時に始めたのもあり、あんまり夫に依存したくなかったので。笑

でも、暇を見てちょこちょことタネ巻いたりしてもいいかなあと、まだ目論んでるんですけどね。

 

6月終わったらもうそういうことはできませんけど。

(なにせ9月中盤くらいから霜の予感がし始める土地ですので)

 

で、始まったばかりの畑の、ベイビー野菜たちです。

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ラピニ、、、プラスティックのフォークは、猫よけです。

 

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いちごは毎年ぐんぐん広がって来ますので、早めに「これ以上こっちに来ちゃダメ!」と境界線を引いてやらないといけませんが、なんだか勿体無い気がしてついつい、、。

でもこのいちご畑、畑の境界を超えて芝生の上まで広がってます。隣の敷地まで行ってしまいそうな勢い。笑

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こっち側は赤いけど、あっち側がまだ白いので収穫できない、、そういうのがあちこちにたくさん。

なぜか毎年、毎日手のひらに乗るくらい熟したのが取れるけれど、一気にガバッと収穫するほどにはならないのです。

 

 

 うちの苺は無農薬で、地産地消です。大きくないけど味は濃いです。

火を燃やすー公害と伝統の香り

日常生活で火を使う頻度

この時期何かとチャンスがあるごとにBBQをやっております。

我が家で使うBBQは炭を使う昔ながらのWeberのケトル・バーベキューです。プロパンガスのBBQが一般的なんですけれど、炭を上手に組み立てて火を起こして、、というプロセスを楽しみたいのです。

キャンプの楽しみも、焚き火とか炭火のバーベキューじゃあありませんか。

 

火の燃える様子や煙の匂いって、原始時代から伝わる人間の本能みたいなものをくすぐるものがあるような気がします。

もちろん危険ですから、火はコントロールできる規模と状況でなければいけませんけど、それは当然のこと。

 

 

北米の一般的な調理熱源は電力だと言って多分問題はないと思うのですが、我が家も電力です。

強火で調理した後火を細めて、、という火力の変化をつけやすいのはやっぱりガスですが、我が家の通りにはガスサービスが通っていないので、ガスにこだわりたいなら引っ越すか、ガス会社にお金を払ってガスをうちの前まで引いてもらうかせねばなりません。

義弟の家は同じ市内でもガスですので、ガスが全くないというわけではありませんが、知り合いのほぼ全員が電気なので、ガスは確実に少数派。

 

田舎の森の中に住んでいる知り合いの台所では薪ストーブ(&薪オーブン)を使っていますけれど、私の知り合いの中では彼らくらい。市内では薪で調理する個人はいないんじゃないでしょうかね。

 

一方で、暖炉や薪ストーブによる暖房は今でも割と一般的というか、秋口のちょっと急に冷えたなあというような夕方に家路を急いでうちの近所を歩いていると、あちこちから薪を燃やす匂いが漂ってくるので、うちの通りにも暖炉もしくは薪ストーブがある家は何軒かあるのでしょう。

住宅地を歩いていて木が燃えるにおいを嗅ぐと、「火事?」と一瞬ゾッとしてしまうので、私個人としましてはあまり嬉しい匂いではないのですけど。

 

今では家々の暖房もほぼ電気がメインな我が州です。天然ガスとかオイルだという家も存在しますけれど、天然ガスであれオイルであれ、現在使われてるシステムではサービス会社が年に一回掃除に入ったり炉の点検をしたりせねばならず、個人の家庭に対する安全基準や公害基準は結構厳しいのです。

 

 

煙による公害問題と行政のアプローチ(個人)(レストラン)

では一方で、薪を燃やして調理するレストランなどはどうなのか、といえば、うちの市の中には70軒ほど存在するようです。

 

そんな中、こんな記事を見つけました。

モントリオールのベーグル屋と煙公害問題という内容で、街中にあるベーグル屋からでる煙が周辺住民の健康へ悪影響を与えているという話です。

 

モントリオールといえばベーグル。

薪をくべたオーブンで焼き上げられたベーグルは本当に美味しいのです。

自宅のオーブンで焼いたベーグルとは比べ物になりませんよ。

火力の違いということもあるでしょうけれど、ベーグルファンは、この薪の香りが重要なフレーバーなんだと思っているのです。

薪じゃないオーブンで焼かれたベーグルを食べたことがあまりないので、食べ比べて見たら案外変わらないじゃない、と思うのかもしれませんけれど、なんというか、私にとってはベーグルは、薪のオーブンで焼いている小さなショップで焼きたてを買って食べるものなので、公害のせいで薪オーブンが廃止になったらちょっと悲しいと感じますが、同時にたかが食べ物屋のせいで健康に被害を被る人が出てくるなんてあってはならないと強く感じますので、ちょっと悩めるところです。

 

公害拡大の構図と煙の人体への害

最近ではベーグル需要も住民の人口増加とともに拡大しているようで、有名ショップのベーグルはうちの近所のスーパーでも、はたまたCOSTCOなどでも買えるようになっているのです。

ということは、以前とは生産量もバカにならないほど拡大しているようです。

ということは、くべる薪の量も以前よりもかなり増加しているわけですから、近隣への煙公害もさらに悪化します。

 

記事によると、木を燃やして出る煙には微粒子、一酸化炭素、揮発性有機化合物、多環式芳香族炭化水素、ベンゼンおよびホルムアルデヒドなど100以上の有害物質が含まれているそうです。2013年、木の煙に含まれる微粒子物質は発がん性物質とにWHOによって分類されましたが、この微粒子は杯の奥深くまで到達することができるので、健康に深刻な害を及ぼすのだそうです。

 

行政の対応 

北米の各地方自治体では、これを受け木材の煙を規制する処置が取られていて、モントリオールも例外ではありません。

モントリオールでは、微粒子の排出量が1時間あたり2.5グラム以下に抑えられない薪ストーブや暖炉の使用は、2018年の10月以降は違法となることが市の条例で制定されました。

 

こういう規制があるのに、未だにベーグル屋の煙がもくもくと街中に放出されているというのはおかしな話ですよね。

周辺住民が苦情を申し立てているのにもかかわらず。

 

モントリオール市は観光が大きな収入源でもあるので、モントリオールといえばベーグル、という観光資源としてのベーグル屋のイメージを無視できないという部分もあるようです。

でも、そうは言っても周辺住民を苦しめるベーグル、というのは良くないですから、市もなんどもベーグルショップには改善を求めて行政指導したりはしているようなのですが、なんというか詰めが甘いような感じはします。

 

 

記事によると、モントリオールの島にあるそういったレストランやベーグルショップなどが排出する微粒子の公害は年間で、70軒合わせると60トンほどだと推定されています。

これは、輸送・交通機関(818トン)、一般家庭での暖炉や薪ストーブ(701トン)、工業(241トン)に次ぐ4番目に大きな排出源という位置付けです。

 

3位までの業種がそれぞれ3桁なのに対して、4位のレストラン・ベーグルショップ軍は二桁ですから、それほどでもないじゃないか、とも思いますけれど、でも70軒で60トンですからね、一軒当たり平均で年間0.86トン排出しているわけですから、やっぱりすごい量です。

 

ただ、一方で、個人の家庭で暖をとるために使う薪ストーブや暖炉が公害排出グループの第二位というのも正直ちょっとびっくりしましたよ。

詳しいことは知りませんけれど、日本語のブログなどでたまに「環境のために薪ストーブを使って暮らす」ようなことが書いてるのを見たことがあるのですが、木材を燃やすのに環境のためという論理がよくわからないとは思ってましたが、こんなにネガティブなインパクトがあるんですね。

個人家庭のそれぞれの排出量は少ないでしょうけれど、チリも積もればというか、個人家庭の数はベーグルショップの数よりもそれこそ桁外れに多いですし。

 

 

企業努力?

記事の中では、モントリオール市内で知られている(日本語のガイドブックにも載っている)有名な店二軒の企業努力のほどに触れていますが、正直な話、本気で努力してないんだろうと感じます。

低公害なハイテクオーブンへの投資ってやっぱりお金がかかりますし、市もそれほどガチガチに厳しくないんだし、努力してるという姿勢を見せて、実際に新しいものを試してるところを見せとけば大丈夫だ、という感じがします。 

これは、ベーグル屋のせいというよりも、モントリオール市がいつも詰めが甘くていい加減だからだと、納税者の私は思いますよ。笑

 

薪の風味のある美味しいベーグルと周辺住民の健康と両立できないわけはないと思いますので、ぜひそこらへんは行政と店とでちゃんと対処して行っていただきたいものです。

 

本物の炎ってやっぱりなんだか本物って気がしますけど、電気やガスって実際の熱量とは別に、感情に訴えてくるものが本物の炎の比ではありませんよね。

とはいえ、燃やすという行為そのものが出す微粒子の害を考えると、うちのBBQとか、キャンプの時のキャンプファイヤーとか、そういう娯楽的な火の使い方もちょっと考えて見たほうがいいかなあと思いました。

完全に暖炉だけで暖をとっている家がないように、BBQだけでご飯を調理してるわけではないので、使用頻度で公害を抑える、なるべく害の少ない道具を使う、ということでしょうか。

 

なぜ人は炎に(煙のフレーバーに)魅了されるのでしょう。