食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

休日の早めの夕食BBQと通りの図書館

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グリルしたのはテンペ、アスパラガス、ズッキーニ、マッシュルーム、ピーマン、ジャガイモ。

 

七月一日はカナダデーでした。

カナダの連邦政府ができて150周年記念のカナダデーでしたので、ケベック以外の州ではさぞや盛り上がったことでしょう。

 

ここモントリオールでは、七月一日は引越しの日。

一年契約のリースの更新が七月一日というのが一般的で(でも最近はそうではないアパートも結構増えているようです)賃貸に住んでいる人たちがこぞって引っ越す日として悪名高い。(何故なら引越し屋が引っ張りだこになるので、値段を釣り上げたり、そうではなくても同じ日に大勢の人たちが引越しをするっていうのは効率は良くありませんからね。)

 

我が家は引越しは関係なく、カナダデーも関係なく、雨の土曜日は家のことをしてのんびり過ごしました。

先週のハイキングの筋肉痛もあることだし。笑

 

で、月曜日は振り替え休日をいただけましたので、夫と二人で川沿いをチョチョっとバイクライドしてまいりまして、午後はBBQ。

実は日曜の夕飯をBBQにしようと思っていたら、午後6時くらいに急に激しい通り雨があり、その後もパラパラと続いたので、延期になった次第です。

 

天気予報では降水確率こそ若干低めでしたが、また夕方降られたら嫌だし、じゃあいっそのこと、早めの夕飯にしようよ、と、午後3時くらいから始めて夕方4時半には食べ始めましたよ。

写真にある通り、ただ単に野菜とテンペをグリルしたのみで、味付けも塩胡椒のみとシンプルにしました。

テンペは塩を溶かした水にしばらく浸けておきましたけれど、それだけ。

一緒に食べる野菜の旨味でパクパク美味しくいただきました。

 

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野菜は切った後、オリーブオイルをまぶしておきます。そうすることで焦げ付かないし、グリルしても乾燥しません。

 

気温も20度くらいと丁度よく、BBQの後片付けをしてもまだ6時過ぎと、時間に余裕がある感じでとてもよろしうございました。

 

通りの図書館

午前中にバイクライドをしてきたのは、うちからちょっと北へ行った川沿いのバイク道です(Bike Paths)。

 

自分が振り替え休みだから、さぞや世間もお休み気分だろうと思っていたら、それほどの人出もなく、いつも週末には家族連れがワイワイと集まっている公園のBBQエリアには、BBQ じゃなくてお弁当持参のカップルが一組だけ。

土曜が祝日でしたので、世間では金曜に振り替え休を持ってくる職場が結構多かったのかもしれません。

 

そして、

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Bike Path脇のアパートメント・ビルディングの駐車場脇に、こんなものを見つけました。

 

Bibliothèque de Rue 通りの図書館、というような意味です。

「読書が好きですか?私たちの本と交換しましょう。一冊置いてって、一冊持って行ってください。」と書いてありますね。

 

この木箱の中をのぞいてみましたら、残念なことに、全部興味のないものばかりだったんですけれどね。笑

ハーレクイン・ロマンスっていうシリーズがあるんですけれど、それのフランス語版が何冊か。笑 

他にもハーレクイン・ロマンスじゃないけれど、似たようなラブ・ロマンス系とか。

もしくはケベックの政治家の自伝とか。

 

欲しい本はありませんでしたけど、よかったらうちからごそっといらない本を持ってきて置いてきちゃおうかなと思いましたよ。

結構しっかりした箱と台ですから、多分来週もまだここにあるでしょう。

英語の本持ち込まれても困るかな。

 

こういう、家の前とか通りのちょっとした場所に本棚とか木箱を置いて、いらない本のやり取りをしましょう、という試みは以前からいろんな地区の住民が自発的に行っています。

休みの日に公園を通りかかると、ピクニックテーブルの上に本を並べて「欲しかったら持ってって」ってやってたり。笑

 

無料であげます、っていう場合は大概欲しいと思うような本は見当たらないのですけども、そうやって本を並べてる人たちとちょっと世間話をするだけでも面白いし、ひょっとしたら何か面白い本があるかもしれないので、見かけると寄って行きます。

今のところもらってきたことはありませんけれど。

 

こういうの、うちでもやろうよ、と夫に言ってるんですけどね。

 

 図書館とは別ですけれど、Aljazeera から、こんなビデオが紹介されていました。

イエメンでは本を読む余裕なんてない人々が大勢いて大変ですけれど、そんな中、本を車に積み込んであちこち移動して、駐車した車の上に持ってきた本をぎっしり並べて通りがかりの人たちに読書をしましょうよ、と進める移動本屋さんです。

Twitterで見つけたのでこのビデオをこちらでシェアする手段が見つけられず、リンクをここに貼ることにしましたが、皆さんも見られるといいのですが。

https://twitter.com/AJEnglish/status/881671589040934912

 

 BBQを楽しめるのも、本を読んで楽しめるのも、幸せなことです。


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サワドー・ブレッドと紙の本、デジタルの読み物

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今日はサワードーと全粒粉だけでシンプルなカントリーブレッドを焼きました。タネ類一切なし、全粒粉だけです。レシピはClotildeさんのものを土台に、粉の感じに合わせて水分を調整します。もうちょっと水足してもよかったかなと思いますが、まあこんな感じですね。失敗しにくい、いいレシピだと思います。クープが荒々しいのは、刃がダレてきてるからだと。新しいブレード買う時期ですか。

 Clotildeさんのレシピ、いつもお世話になってます。

ネットのおかげでいろんなレシピを見つけることができるのはとてもありがたい。

とはいえ、ゆっくりリラックスして何かを読みたいときはやっぱり手にとって椅子に座って読む紙の本がいいですね。

 

今、読みたい本が2冊ほどあります。ああ、読みたい!

ちょっと前に出版された本だったら、確実に市の図書館で借りてくるんですけど、新刊なんです。ちょっと待たなきゃ。

 

本買うくらいのお金はあるんですよ、でもね、買ってしまうと、それを収納する棚のスペースが必要ですし、実際に読み始めたら「思ってたのと違うなあ、読み進めないなあ」と思うこともあり得ます。

 

なので、本は滅多なことがない限り買わなくなって20年以上になります。

本当に、買わないんですよ〜。買うと、すぐたまってしまいますから、本。

 

Eブックとか、キンドルとか、ありますけれど、私あれはダメなんです。

紙の本、昔ながらの本が好きなんです。

ページをめくるのも、手に持つのも、iPadや携帯電話を手にするのよりもしっくり来ます。

大体、何か読むためにいちいち電源入れなきゃいけない、と言うのがどうもね。

ダウンロードするためにはインターネットとつながってなきゃいけないですしね。

 

 

でも、新しい本を買うことはとても躊躇します。

その本を読んだ後、どうするってんだ、と思うとさらに躊躇します。

 

収納場所のことを考えて、と言うのももちろんながら、これを私が一通り読んだ後、この本は本棚にしまいこまれてそれでおしまい、になってしまうのが抵抗あるんです。

このために伐採される木材やら紙を作るために使われる水や薬品や空気汚染という、そういうプロセスはなんだったんだ、と思ってしまいます。

 

製紙工場がある街に行ったことがある人ならわかると思うのですが、紙を製造するのって、臭いんですよ。ものすごく。

下水道の匂いが一斉に路上に立ち込めるのを想像してください。

または、あなたの周囲にいる人たちが一斉にオナラをしたとか。しかも車、バス、電車などの閉じられた空間の中で。

そんな感じです。

 

臭いってことは、やっぱりいろんな薬品が使われてるわけで、それが地球環境にいい訳はないです。

それでも紙は今でも使われてるし、紙を一切使用しない、っていうのはなかなか難しいですし、だからダメだ!というつもりはない。

一枚の紙が出来上がるまでにかかっているコスト(お金及び環境にかかる負担)を考えると、大事に扱わなければ、、と思うということです。

 

実際に本を印刷するというのはお金がかかることですけれど、案外そのお金を揃えるのは簡単なのか?と思うような、くだらない本がじゃんじゃん出版されてるとも感じています。

  

だから、私は本は最近本当に極力買いません(図書館利用)し、日本の本など、地元の図書館で手軽に借りられないものは、買うしかないのですが、それなら古本を、と思います。

 

古本を買っていたら著者にお金が届かないから、新刊を買ってあげるべきだ、という気持ちもするのですが、それなら電子書籍で出版してくれたら買ってサポートしてもいいかな、、、と思います。

ああ、でも電子デバイスでものを読むのってやっぱり落ち着かない。。。。

 

どっちなんだ、はっきりしろっていう感じですが。笑

紙の本が好きなんですよ。

 

 

 

無駄を避けるために、友達に貸したり、古本屋に持って行ったり、どこかに寄付したり、そうやってみんなで共有できたらそれが一番だと思います。

 

 

北米で手に入りやすい本ならまず図書館で借りられるので、いいんですけどね。(でも最近、うちの近所の図書館までがeBookに移行しつつあるようなのです。時代の波ってやつでしょうか。)

 

 

家の整理整頓もなんとかせねば

苺豊作と、週末のハイキング

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写真はジャムにする苺たち。収穫後2日くらい経っちゃったのでちょっとシナってます。

 

ほんの一週間前には4つ収穫して大げさに皿に盛って写真に撮っていましたが、その後

ガンガン収穫があり、アレヨアレヨというまに、収穫に消費が追いつかないペースに。

 

毎日750mlの容器がいっぱいになるくらい赤くなっているのです。

しかも、雨が続いたりすると腐ってたりナメクジに食べられたりして収穫できないのもあるのです。

そして葉っぱの下に隠れているいちごを探すべく葉っぱをガサガサっとするたびに蚊をはじめとする虫がムワーっと飛んで出てきます。

 

手入れも全くせず、毎年勝手になってくれるいちごですが、これ、手間かかってないとはいえ収穫の際の腰痛や虫さされを考えると、やっぱり手間ですよね。笑

 

手間を考えると、苺が高い!とか文句言うより、苺一粒収穫するのにも色々大変なんだからその労働に対して報酬をきっちり払ってあげなきゃ、、と思う。

 

冬は寒いケベック州ですが春から夏は炎天下はやっぱりクラクラする暑さになります。

そんな中でいちご(だけじゃないですけど)の収穫作業をするのは決まってメキシコなどから来た外国人労働者。

移民向けのフランス語教室で夏場のいちご収穫作業人募集のポスターを見て応募した知人が、あまりの辛さに一日でやめちゃったと言う話を思い出します。

彼女は決して簡単に仕事を投げ出すような人ではないのですよ。

作業条件があまりにも過酷だったからなのです。

 

農作業って、確かにデスクワークに慣れてる都会人がいきなり参加してできることばかりじゃない、過酷な労働に耐えられない先進諸国人に代わって外国人労働者が低賃金で頑張ってくれてるから成り立っているのですね。

毎日食べる野菜の値段が高くなるのは困るけれど、過酷な労働の対価があまりにも安いと言うのもひどい話。

フェアトレードが必要なのは、国内の農業も同じこと。

どこらへんが正しい価格なんだろう、、と疑問に思います。

 

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毎日仕事から帰ってきて、畑で虫に食われながら収穫しているいちご。

二人では到底食べ切れませんので、ジャムにします。

いちごって本当に足が速い。

 

 

先週末は、国境を超えてアディロンダック山地にハイキングに行ってきました。

キャンプもしました。

初日は深夜過ぎから雨が降りましたけど、翌日は雨が上がってハイキング日和となりました。

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Lake Placid近くの州立のキャンプ地です。翌日登った山の頂上の見晴らしのいいところで撮った写真はなぜだか保存されていませんでした。なぜだ!?

 

アディロンダックスって、大きな岩がゴロゴロした山ばっかりなんですが、こうやって岩にしがみつくように根を張っている木を見ると、歩いてるのは山じゃなくて、実際は土が積もってそこに木が生えて山っぽくなっただけな大きな岩なんじゃないかと思います。

 

今回登った山は、4100フィートのSawteethという山で、9時間半かかりましたよ。

翌日はちょっと小ぶりな山で4時間ほど。

ハイキングが終わったら、必ずストレッチをするようにしているのですが、やっぱりアディロンダックスで5時間以上のハイクをすると筋肉痛になります。

それもこれも岩場のせいだ。

 

今週も筋肉痛で過ごしました。

アーモンドミルクを考える。(前回の続き)

ミルクを飲む、と言う行為 

子供の頃、嫌いでたまらないのに「子供にとって大事な栄養がたっぷりだから」と無理強いされて飲まされた牛の母乳。

牛乳はたんぱく質が多くて、飲むと口や喉に膜が張るような感覚があるんですけれど、それがどうしても不快に感じてしょうがありませんでした。

子供の頃は、本当にそれが生理的に受け付けられないのに大人がみんなして「泣こうが喚こうが飲ませなければ!」と鬼のような顔して迫ってきていたので、恐ろしかったですよ。

アレルギーのある子に教師がアレルゲンの食品を無理強いして死なせてしまう事件などが報道されたちょっと前のことです。私は生死の問題じゃなかったとはいえ、その報道を見たときには人ごとには感じられませんでした。

大人になって、嫌いなものを無理強いされなくなって、本当に助かってます。無理強いしたり、入ってるものを隠したり騙したりして食べさせるっていう行為、良かれと思ってやっている人、やめましょうね、本当にシャレになりませんからね。子供の場合偏食だといけないと思うかもしれませんけど、体が拒否反応してるんだったら偏食じゃないですからね。

 

牛の母乳だけでなく、豆乳もダメでした。

お豆腐屋さんから買う、混ざり物なしの 新鮮な豆乳でしたが(だからか?)青臭く感じて飲めませんでした。

でも煮物や豆腐など、別の形をした大豆なら食べていましたから、無理やりミルクにした大豆を飲まなくてもいいと思ったのか、親に無理強いはされませんでした。 

 

アーモンドミルクは、豆乳よりも飲みやすく、牛の母乳の膜っぽさもなく、大豆製品を避けたい北米ヴィーガン女性に受け入れられやすいのも納得。

 

でも私はやっぱりアーモンドミルクも、積極的には飲みません。

 

アーモンドはたまに食べますし、美味しいと思いますけれど、ミルクにして飲みたいと感じないのです。 

多分、日本の伝統的な食生活に馴染んでいるから。

だって、学校給食で牛乳が和食と一緒に出てくると、本当になんだかなあ、と子供心に思いましたしね、食べ合わせというか、味覚的になじまないものがあります。

 

でも、学校では「栄養」のためにいかに大事なものかを強調され、飲まないと言う選択肢はありませんでした。

 

アーモンドミルクの栄養価

アーモンドの栄養価は下記のごとく。

Nutrition Facts
Almonds
 
Amount Per100 grams
 
Calories 576
% Daily Value*
Total Fat 49 g 75%
Saturated fat 3.7 g 18%
Polyunsaturated fat 12 g  
Monounsaturated fat 31 g  
Trans fat 0 g  
Cholesterol 0 mg 0%
Sodium 1 mg 0%
Potassium 705 mg 20%
Total Carbohydrate 22 g 7%
Dietary fiber 12 g 48%
Sugar 3.9 g  
Protein 21 g 42%
Vitamin A 0% Vitamin C 0%
Calcium 26% Iron 20%
Vitamin D 0% Vitamin B-6 5%
Vitamin B-12 0% Magnesium 67%
*Per cent Daily Values are based on a 2,000 calorie diet. Your daily values may be higher or lower depending on your calorie needs.

source: https://en.wikipedia.org/wiki/Almond  (wikipediaより拝借しました。)

 

100グラム当たり576カロリー、脂分は49グラム、タンパク質は21グラム。

アーモンドに豊富に含まれているのはやっぱりマグネシウム、カルシウム、鉄分ですね。

 

アーモンド100グラムって言われてもどのくらいなのか、ピンときませんよね。

測ってみましたよ。55個で50グラムでした。100グラム測って数えて見るつもりでしたが、あんまりたくさんあるので面倒くさくなったので、55x2=110ということで、110 粒で100グラムということにしましょう。

個体差があるので、まあだいたいこんな感じということです。

50個って言われてもピンとこないわよという方もいらっしゃるでしょうね。笑

ついでですので、アメリカンサイズの1カップ(240ml)に100グラム入れてみましたら、カップ8分目くらいかな〜、というカサでした。もちろん50グラム入れてみたときはその半分くらいのカサでしたよ。

 

これら栄養素は、浸水されて細かく粉砕され、実を綺麗に除去されて白い液体になったアーモンドミルクの中にどれほど残っているのでしょうか。

市販品の成分じゃなくて、きちんと測ったアーモンドミルクの栄養価を表示してくれているサイトがあるかなと思ったんですけど、見つけられませんでした。

 

 

Silk Original Unsweetened Almond Milkの栄養成分はこのように表示されています。

  SK_2443_nleas_AlmUNsweet.png

アーモンドそのものの栄養価は100グラム単位で表示されていたのに対し、アーモンドミルクの表示は1カップ(240ml)当たりの表示です。

アーモンドミルク100ml中に何グラムのアーモンドが使用されているのかがはっきりしないので、栄養価の違いはミルクにすることで栄養が増減するというよりは、実をそのまま食べる時の栄養価と、ミルクの消費で期待できる栄養価との比較、という意味合いです。

また、市販のものは「ビタミン*増強」など添加物が加わるので、本来ならアーモンドと水のみで作れるアーモンドミルクの栄養価ではありませんし、実際にきっちりと正確に比較することはできません。

 

上の表で見る限り、100グラムのアーモンドには1日必要量の67%あったマグネシウムがミルクにはたったの4%、20%あった鉄分は2%ですよ。

26%あったカルシウムは45%に増えてますけれど、これはカルシウムが添加されたからなのか。

 

SIlkブランドのミルクだけではなく、USDAによる栄養表示( source: Almond Milk: Nutrition & Benefits )でも、栄養価は似たようなもので、240グラム中、鉄分は2%、カルシウムは30%とあります。また、USDAの表示には、アーモンドでは0%だったのに、ビタミンAが10%になってますよ。添加されたんでしょうかね。笑

 

USDAによると、アーモンドミルクにはタンパク質(240gにつき1グラム)をあてにできないので、牛の母乳や豆乳の代わりにたんぱく質補強のために飲むのは意味がありません。

また、市販のアーモンドミルク(豆乳でも)には安定剤とか添加物が入っていますし、青臭さを誤魔化すために砂糖やフレーバーが加えられていることが多いので、純粋に栄養や体のことを考えると、どうなのだろう、と疑問です。

 

アーモンドに含まれる栄養を摂りたいから飲みたい、ということであれば、私はアーモンドをそのままカリカリと食べる方が早いと思うんですよね。

オレンジジュースとか、フルーツジュース類もそう思うんですが、液体にしてゴクゴク飲むことによって、そのものの全体の味わいや風味や舌触りを味わえなくて、ただごくごくと飲み下してしまうのって、勿体無いなあと。

 

 

 

 

 

ナッツも果物も野菜も、ジュースにして飲んで搾りかすを捨てるより、丸のまま食べちゃったほうが体にも環境にもいいと思うのは私だけじゃないはず。

 

賛否が分かれる?アーモンドミルク

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写真は https://authoritynutrition.com/benefits-of-almond-milk/ より

ヴィーガン御用達ミルク

私たちヴィーガンはミルクが必要な時、牛の母乳ではなく植物性のミルクを使います。

大豆製品を避けたがる傾向の強い北米では、アーモンドミルク始め、いろんなナッツミルクやライスミルク、オートミルクなど、幅広く普及しています。

白い液体ならなんでもミルクと呼んじゃってるわけですが、それぞれに味も栄養素も若干違うので、ミルクが好きな人はいろいろ試すと楽しいかも。

  

で、この植物性ミルクの中でも人気のアーモンドミルク、「環境によろしくない説」があちこちでささやかれていますね。

 

牛の母乳販促派の陰謀か!とも思いますけれど、世界中で消費されるアーモンドの8割が干ばつになりがちな州カリフォルニアで収穫されていることを考えると、それほど嘘八百でもないような気もするので、ちょっと調べてみました。

 

アーモンドミルクが環境によろしくないと言う話

英国のThe Guardian紙でも書かれていますね。

アーモンドミルクは体には良いけれど、地球にとっては良くないですよ、というタイトルです。

カリフォルニアのアーモンド農園は今でも拡大している。100ml生産するのに100リットルの水が必要な牛乳の方が環境には優しいというのではないが、牛乳の生産は地球上の一箇所に集中しているわけではないのに比べ、アーモンドの生産がカリフォルニアに集中しているのは環境のためには問題だろう、、、というような内容。

 

The Guardianも引用している、Mother Jonesの記事

アーモンドを食べる習慣が水源を搾り取ってカリフォルニアをカラカラにしてしまうぞ、というようなタイトルです。

アーモンドを一粒収穫するために必要な水は1,1ガロン(5リットル)だそう。

 

世界中のアーモンド消費量の8割をカリフォルニアが供給しています。

その収穫量を支えるほどの水は、カリフォルニアには降ってきませんから、アーモンド農園を拡大させるために農家(企業)は地中深く、帯水層までドリルして井戸を掘っているそうなのです。

San Joaquin Valley, the ground has literally been sinking by an average of 11 inches per year, a 2013 US Geological Survey study found.

このため、アーモンド農園が集中しているSan Joaquin Valleyでは地盤沈下が毎年平均約11インチ(=27センチちょっと。1フィートが12インチ)していたことが2013年の調査で発見されました。

 

カリフォルニアは元々水の滴る湿度の高い土地ではありませんし、今後20世紀以前のような降水量が戻ってくることは期待できないそう。

そうなると、井戸を掘って水を確保したいのはアーモンド農業だけではありません。アーモンド農業だけがこんなに無茶な水の使用を続けることはできないわけです。

 

カリフォルニアにはカナダの全人口にほぼ匹敵するくらいの人々が住んでいます。カナダが広々しているんだとも言えますけれど、大勢の人々がカリフォルニアに定住しているのです。

 

5年もの間干ばつに悩まされていたカリフォルニア州では、住民に対して水道水の使用量の制限もかなりあったと聞きます。

北カリフォルニアに住んでいる知人は、自宅のトイレは一人が使用するたびに流したりはしないんだと言っていました。

 

そんな規制のある状況で農業だけ水を好き放題使えるっていうのは、ちょっと異様ですよね。

儲かるんだから、農業に水を使用させない手はないだろう、という考え方なのかもしれませんけれど。

でも乾燥しているカリフォルニアで水をたっぷり使って初めて生産できるような農産物を育てるのって、やっぱり無理があると感じますよ。

 

アーモンドだけじゃない、水を多く必要とするカリフォルニアの農産物

カリフォルニアの農業は、灌漑システムの整備や井戸水の使用権など、他の産業よりも優遇されているからこそ成り立っているんだろうと思うのですが、どうでしょう。

 

砂漠のカリフォルニアに必要な水を補給するシステムには、歴史的に州や連邦政府の資金が膨大に注ぎ込まれて来ていますが、そうやって確保される水を、アーモンド、コメ、アルファルファなどなど、水をたっぷり必要とする農作物の生産に優先的に回すって、本来の意味でサステイナブルな選択なのかしら、とよその国に住んでいる身ながら不思議に思ってしまいますよ。

だって、要するにカリフォルニアの水を安い価格で世界中の消費者に向けて売っているわけですからね。

アーモンドも肉も、消費者の感覚としては「安い」ものではありませんが、灌漑システムの整備や井戸の掘りすぎのための地盤沈下の二次災害を収拾するための費用などが反映された価格ではありませんから、本当の意味のコストを反映していないという意味で、「安い」と思うのです。

 

そういったコストは消費者に跳ね返すのではなくて、州や連邦政府が補助してあげているのよ、というと一瞬聞こえはいいのですが、輸出が拡大して儲けて良い思いをしているのは大手の食糧生産企業。 農家、というとついつい昔ながらの個人農家のことだと思ってしまいますけれど、北米の農業は個人農家も大規模な農業企業の下請けみたいな形態になってしまっていますから、利益も企業が持って行ってしまっているのです。

アメリカは税金自体それほどではないですけれど(カナダ比)それでも納めた血税が大企業への補助金になり、みんなで大企業を儲けさせてやって、環境破壊をさせてやって、おまけに節水も住民ばかりに比重がかかるって、ちょっとひどいような気がします。

 

カリフォルニアからやってくる農産物、私は本当にありがたいと思っていますけれど、世界中がカリフォルニアの産物をこうやって消費している構図っていうのはやっぱり地球環境にとっては無理があるだろうと感じないではいられません。

 

 

酪農よりはマシ(なのだろうか)(だったらいいのだろうか)

一方、アーモンドミルク批判への反発ももちろんしっかりあります。

いくつか読みましたが、この記事を見てみましょう。

アーモンドが一粒あたり5リットルの水を必要とするのに比べ、アルファルファはアーモンドの倍近く必要としています。

アルファルファは人間が消費するのではなく、家畜の餌、要するに乳牛や食肉生産のために使われます。

酪農や肉食生産に使われる水の量は、餌になる農作物の生産からカウントするとものすごい量になりますので、アーモンドの比ではないだろうと。

上に引用した記事は若干ヴィーガン贔屓な視点で書かれているようで、「牛乳よりはマシなんだから、アーモンドミルクをじゃんじゃん飲みなさい」というような書き方が。

もうちょっと冷静に分析されているような、UCLAの学生が書いた論文を見つけましたので、こちらに貼っておきますね。

時間のある方はどうぞ。笑

http://www.environment.ucla.edu/perch/resources/images/cow-vs-almond-milk-1.pdf

要約だけ斜め読みしたら、水という点ではアーモンドミルクが、グリーンハウスガスという点では牛の母乳の方が問題が大きいだろうというような感じでしたね。

 

学術論文だからこれが正しいんだというわけではありませんが、まあ参考までに。

 

年々売り上げが落ち続けている酪農産業が植物性ミルクを迷惑がっているのはこのところいろんなメディアでも取り上げられています。

「牛の母乳以外をミルクと呼ぶのを禁止しろ!」なんていう要求も出て来たり。笑

アーモンドミルク叩きも、酪農産業のヴィーガン&ヴェジ食品への反撃かなあなんていう気もしないでもありません。

 

実際、ヴィーガン食が昨今急激に広まっていて(それは私たちにとっては嬉しいこと)「ヒップな若者が格好つけて飲んでる(食べてる)わけのわからないもの」というような受け止められ方もあり。

実際に良い物、習慣であっても、広まり方が急激だと新しいものに抵抗する人々が登場するのは世の常です。急激に広まっても、一過性の「流行り」で終わってしまっては仕方がないし。

 

アーモンドミルク叩きも、ある意味そう言ったヴィーガン(もしくはプラントベースド・ダイエット)という新しい風潮へのバックラッシュの一部という側面もあると思います。

だから「肉や牛乳よりはうんとマシなんだから、これでいいんだ」という反発の仕方をするヴィーガンもいるのでしょう。

でも本当に大事なのは牛乳かアーモンドか、ではなくて、地球環境も生産者も消費者も、食品に関わる全ての人々(環境は人じゃないですが)に無理がかからず、持続可能なやり方を見つけて現在の歪みを改善していくことですよね。

 

 アーモンドミルクについて、長くなりましたが、続編に続きます。

 

大企業が世界中に売りさばいてるようなオーガニック・フードなんか本来の意味ではオーガニックじゃないですし。