食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

手作り納豆の話

納豆はどこの店にでも置いてあるものではない

ここ10年くらい、アジア系の食材店がちょこちょこと増え続け、そう言ったアジア系のお店には日本の食品やバッタもん系だけど使える食材がちらほら在庫されていることが多く、海外にいても和食っぽい食卓がずいぶん楽に整えられるようになりました。

 

納豆は、中華系の個人商店なんかでは、何年前に仕入れたのか、1パックだけの(三個パックとかでなく)おかめ納豆というやつが結構いい値段で冷凍庫にほりこまれていますが、韓国系のお店にいくと結構品揃えもあり、冷凍ですがそれほど古そうでもありません。3個入りパックで3ドルくらいなのですが、これ、日本に帰省した時にスーパーで同じようなのが100円以下で売られてるのを見て「そうか、やっぱり海外だし、値段も高めだったってことか!」と改めて割高感を感じてみたり。笑

でも、値段そのものよりも、帰宅途中にふらっと駅まえのスーパーで、もしくは角のコンビニで、いろんな種類の納豆が手軽に手に入ること、これはやっぱり納豆の出身地にはかないません。まあこれを言い出したら納豆に限らず、なんでもそうですが。

 

例の「おかめ納豆」しか見当たらなかった納豆氷河期時代にネットで納豆の作り方を見つけて以来、たまに自分でも納豆を作るようになりました。うちにはこたつなどないので、最初はオーブンで、次に発泡スチロールの箱で。でも、温度を一定に保ち続けるのがなかなか難しかったので、やはりネットで見かけたヨーグルトメーカーを購入して機械任せになりました。簡単です。ヨーグルトは作らないので、私にとってこのマシンは納豆メーカーです。取説には「海外での使用は禁止」とありますが、海外なのでこのメーカーの方が禁止している法律は及ばないのですよ。笑

 

どうしても嫌われる納豆臭

夫が嫌うので、納豆が食卓に登場する機会はとても少ないのです。

納豆は体にいいし、なんとかして無理なく食べてもらえないかなあと、納豆を刻んで味噌汁にいれたり、他の豆とまぜて餃子の具にしてみたり。調理すると味がちょっと変わるし、糸をひかなくなるから、平気なんではないかと思ってやってみましたが、毎回見事にバレました。その上、信頼関係を崩すからそういう騙すようなことはやらないで欲しいと真面目に言われたので、それ以来キッパリとやめました。

ひょっとして、大豆じゃない豆で納豆を作ったら匂いもマイルドで気にならないで食べてもらえるかなあ、と思って、チックピーで作ったこともありますが、チックピーの納豆は、匂いが大変強烈で、作った自分でも困ったので、二度とやりませんでした。

 

納豆を作っている48時間の間、家の中がアンモニア臭でくさくなるというのも問題です。夏は窓をあけておけばまだマシですが、寒い季節は思いっきり換気できないので困ります。いや、夏場でもずっと窓を開けっ放しではいられないので、朝起きて、納豆を仕込んでいる部屋に入って「あれ、なんでこんなに臭いんだろう?」と一瞬とても不快な気分になり「ああそうだ納豆作ってるんだった」と思い出すのです。子供の頃から納豆のある文化圏で育った私でさえこの匂いは強烈ですから、ノン・ジャパニーズの人にしてみればもう、たまったもんじゃないでしょうね。

納豆製作中のアンモニア臭は本当に強烈ですが、出来上がった納豆をお鉢でかき混ぜている時にはそれほど臭い匂いが立ち込めているという自覚はありません。

でも夫曰く、市販の納豆よりも、家で作った納豆のほうがかき混ぜてる時の異臭が強烈で、朝っぱらから台所に入るとその匂いでノックアウトされそうなので、納豆を食べる時はあっちに行ってくれないか、と。

なので、喧嘩してる時以外は、納豆は自分のオフィスに持ち込んで一人で食べることにしています。

 

納豆シュライン

今週半ばに納豆を作ったのですが、換気が思う存分できない代わりにロウソクで消臭しようと思いつきました。

ヨーグルトメーカーの周りに火のついたロウソクを配置した様子は、まるで納豆寺院か納豆神社のよう。納豆メーカーそのものが白いプラスティック製なので、とても地味ですが、赤や金のお札、それに布袋さんの置物や小銭などを配置すれば立派な縁起物になるかも。

 

これが出来上がったらもう納豆作りは春までお預けかなあ、などと思っていたのですが、出来上がって1日寝かせた納豆が、これまでにない良い出来上がりで、こんなに美味しいものがこんなに臭くなきゃできないとは罪なものよ、、と大変複雑な心境でございます。

 

 


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