食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

新しいストーブを買うはめになりそうだった話

ストーブと日本語で書くと、部屋に置いて火をつけて暖をとりながら、上にやかんを置いてお湯を沸かしたり、、というものを思い浮かべてしまいますが。

北米では、台所でストーブがどうこう、、という場合は、調理器具のことです。

日本ではガスの調理台がまだまだ主流かと思いますが、うちの街があるカナダのケベック州は、水力発電が主流で、暖房も調理も湯沸かしも、電気でまかなうのがかなり普及しており、ガスの配線がされている地域自体がかなり少ないのです。

うちの通りも、ガスは通っておらず、家にもガスの配線はされていないので、調理器具は当然のように電力です。

カナダに来た当初、初めて電力のストーブで調理した時には、なかなか火力が上がらないし、調理が終わったから火を止めて、さあ食べましょう、、って言ってる間にもまだ余熱がガンガン通っていて、ふと気がつくと鍋に残っていた食べ物が煮詰まって焦げてしまったり、とにかく、ガスの炎のようにパッパッと火力を変えられないことに戸惑いました。

しかしそれも慣れ、中華鍋は持っていても炎が丸い鍋底に沿って、、、なんていう鍋の利点は生かされず、パッと火力を落としたい時は鍋を火元(電力ですが)から別のエレメント(電源を入れると熱が伝わって来る部分)に移動させるなどの裏技(というほどでもないけれど)も身につきました。

でもね、ずっと心の片隅には、「いつの日か、ガスのストーブが欲しい、ガスが通っているストリートに引っ越したい」という気持ちがあるのです。

ガスの供給、全くないわけじゃないですから、うちの町。

現に義弟夫婦のうちにはガス・ストーブがあり、料理好きの義妹は「そうなのよね、やっぱり火よね」と言って料理を楽しんでいます。

火の良さを知っている人が少ないこの地ですから、義妹のような人と話をするのはとても楽しい。

そんな中、ちょっと前になるのですが、パンの発酵が終わり、焼くばっかりになったのをオーブンに入れて点火(電力ですが)しようとしたら、電気がつかないのですよ。

あれれ?どうしちゃったのかな?

あれこれといじってみたり、ヒューズを確認したりしましたが、全然如何にもこうにも。焼くばっかりだったパンを前に、これはないわー、と。

こちらのストーブは、基本的に4口エレメントがあり、そのすぐ下には巨大なオーブンが付いてくるんです。今回、うちの調理台のエレメントの方には問題はなく、普通に加熱できてるんですが、オーブンが、オンにならなくなってしまった。

オーブンなど使わない人ならば、オーブン庫内を物置にしてたりしますから、ここが点火しないだけで買い換えることはないのですが、うちはオーブンは日常的に使いますので、壊れていては困ります。

ということで、買い換えるべく、現在市場に出回っているストーブの機種や値段をネットで調べてみました。

すごいですね!

値段の相場がものすごいことになってますよ。

1200ドル(日本の感覚でいえば12万円)くらいのものの評判を読んでいたら「低価格帯の商品の割には、、、」「お得な値段で入手できるこのくらいのクラスのものにしては、、」なんて書いてありまして、ビックリ。1200ドルが低価格?

500ドルくらいかなあなんて思っていたくらいですからね。

1000ドルだって出したくない。

たかが電気ストーブのくせに、生意気な値段、、、。笑

そんな値段出すならガスの配線をガス会社に依頼してガスのストーブを買ってしまいたいくらいです。(実際配線が来てない地域に住んでいると、そこまで引いてもらう時点で何千ドル単位の支出ですけど)

 

プロパンガスのサービスを利用するという手もあるにはあるんですけどね。

でも、新たなエネルギー供給サービスを契約するとなると、基本料金だの年間のメンテナンスプランへの加入料だの、なんだかんだとお金がかかり、月々の基本使用量だけでは済まないですからね、ガスで料理したいのは山々ですが、そこまでお金をかけたいとも思えない。今までも電力でなんとかやってきてるわけだし。

というわけで、再び不本意ながら、高価格な電力ストーブの商品を眺め。

ネット上でこういうのを見てると、だいたい少なくとも10%くらいの割合で「買ってすぐに壊れた」「使い初めて1週間でこんなひどいことになった」「カスタマーサービスが最悪」などというひどいレビューが入ってます。

大量生産とはいえ、ベルトコンベアで流れてくる製品に部品を取り付ける労働者の人が一瞬「はあ〜、疲れちゃったなあ、早く休憩時間になんないかな〜」と気を抜いてネジを斜めに入れちゃったりしたものだったりすれば、別の製品は素晴らしくとも、その単体だけ妙な壊れ方をしちゃうということだってありえます。

高価なものだから、不良品を手にしちゃったならさっさと交換して貰えばいいのですが、カスタマーサービスがなってない、、なんてよくある話ですからね。

そういう可能性を目の前にしつつ、本当は欲しくもないものを、必要に迫られて選ばなきゃいけないと思うと、本当にやるせ無い気持ちになりましたよ。

 

ところが、、ラッキーなことに、オーブン、壊れていたわけではなかったんです。

何しろ新しいのを選ぶのがなかなか進まなかったので、台所で料理しながら何度もなんども操作パネルを弄り回しているうちに、プツッ、とオーブン加熱開始を告げる赤いランプがついたんです。

「ランプがついただけで、オーブンが加熱され始めたとは限らない」と思い、そのまま放置して10分くらいして、オーブンを開けてみたら、暖かい空気がむわっと流れてきましたよ。

いやー、無駄な出費がなくてよかった。

嫌イヤ買い物を決断しなくて済んで、それが何より嬉しうございました。

 

うちのストーブ及びオーブン、配線も部品も何一つ壊れているわけではないようですが、タイマーとか何とかに繋がってる部分の配線が、ちょっと不安定みたいなんですよね。だから、またいつの日か、いきなりオーブンがつかない、ということはあり得るようです。

タイマーなんか使っていないというか、時計の機能も壊れてるので全く使ってないんですけどねえ。

 

新しい電気調理器を選ぶとしたら、最近のモデルは(というかここ10年以上は)コイル式ではなくてグラストップで、エレメントも4つではなくて5個くらいついてたり、

そして、日本でもIHって言われてもてはやされているものがあるように、こちらでもそれと同じ原理の、インダクション・ストーブというのがあるようです。

それって何よ?と調べてみたら、いわゆる日本のIHと同様に、それに対応しない鍋では調理できないとか、面倒臭いこと盛りだくさん。

値段も高い。

でも、ガスの火力に似たパフォーマンスらしいですよ。

でもねえ、持ってる鍋が使えないかもしれないという可能性を考えると、私は嫌ですね。 

次に新しいストーブ購入のために商品を検索してリサーチしなきゃいけないことになるのはいつのことやら分かりませんが、贅沢に、ものを無駄にするようなテクノロジーにはお金は出したくないです。

次に新しいストーブを考える時には、もう少し値段が落ち着いていて、妥協しやすい市場になっているといいなあ。。。。

 

 


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