食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

メープルシロップについて 

今日はメープルシロップの話題です。

私が住んでいる州は、世界におけるメープルシロップ生産のメッカ!

いや、メープルシロップなんて別に世界中で生産されてるわけではありませんけどね。所詮は北米の東北地方で地味に行われてる地味な産業です。

「世界中」で生産されているメープルシロップの71%がカナダ産で、カナダ産の中ではその91%がケベック産なんだそうです。

(多分「世界」の残りの29%はバーモント州とかメイン、ニューヨークなどで生産されているのではないかと思いますが。)

 

カナダの土産というと、メープルシロップと、メープルクッキーと、メープルシュガーと、メープルなにやら、、、と、それしかない、という話ですね。笑

でも、同じカナダ国内でも西の方とか、産地から遠い地域まで行くと、スーパーでもお土産用っぽいものしか売られてなくて、普段の食事に使うものというよりは、ちょっと特別なものという感じです。

 

なので、たとえカナダに遊びにいらしても、産地ではない地域のスーパーの、普通のシロップ類のある棚で見つけた時には、ボトルについてるラベルをよく見なければいけません。

なぜなら、メープルシロップ という大きな文字のすぐ上に、小さな小さな文字で...with...と書かれていたりするから。要するに「このシロップにはメープルシロップが入ってますよ」という意味なのです。

メープルシロップを買うつもりが、買ったものはメープルシロップが少々混ざった単なるコーンシロップだった、なんてことのないように、ご注意ください。

 

また、国境の南、アメリカ合衆国のバーモント州からカナダのケベック州へやってくる皆様には、くれぐれも、バーモント産のメープルシロップなどを持ち込むことのなきよう、ご注意申し上げます。笑 (はっきりとは存じませんが、多分ニューヨークやメインからでも同じかと。)

なぜなら、おらが州の重要なメープルシロップ産業を保護するために、州外のメープルシロップは御禁制品なのです。

アメリカもカナダも、国境を超える場合に農産物や食料品の持ち込みにはとても厳しいですからね、もし嘘ついてバレちゃったら大変な罰金がかかりますし、ものすごく嫌な体験をすることになると思いますので、くれぐれも嘘ついて密輸など試みないようにお気をつけください。

 

ちなみに、ケベック州に関して言えば、州内の酪農及びチーズやバターなどの乳製品の保護のため、バターやチーズなどをお土産に持ち込むことも規制がかかります。空港で没収されるのです。

 

話を戻しまして、メープルシロップ。 

 

私は甘いものが特に好きというわけではありませんが、砂糖やはちみつの代わりによく使いますので、常にパントリーに540mlの缶を5個くらいは常備しています。安売りの時に買うんですけどね。

 

さて、ここからが本題(長すぎる前置き)

メープルシロップには、light, mideum, darkという区別があります。

以前はケベックではこの識別が「等級」だったんですが、カナダでは2014年12月から、アメリカでは2015年3月から等級のつけ方が変わったそうです。

As of December 31, 2014, the Canadian Food Inspection Agency (CFIA)[51] and as of March 2, 2015, the United States Department of Agriculture (USDA) Agricultural Marketing Service (AMS)[52] issued revised standards on the classification of maple syrup as follows:

  • Grade A
    • Golden Colour and Delicate Taste
    • Amber Colour and Rich Taste
    • Dark Colour and Robust Taste
    • Very Dark Colour and Strong Taste
  • Processing Grade
  • Substandard

実際に新しい等級に切り替わってからの商品を見ても「light」「medium(もしくはアAmber)」という表示がついたままなので、切り替わったこと自体気がつきませんでした。

ファーマーズマーケットなど、生産者が売っている スタンドに並んでいるものは新しい表示なのかもしれませんが、現段階ではよくわかりません。

ただ、新しい等級のGradeAの中の詳細には、Dark とかAmberといった、従来使用されていた言葉が使われているのに対し、 Lightという、「まずそう?」な用語は使われていないのがちょっと笑えます。

 

メープルシロップは、砂糖楓の樹液を採集して、それを煮詰めてつくります。これはまあ、言わずとしれた常識ですけれども、その常識ゆえに、以前の等級で使われていた「Light」について、煮詰め方が薄くて、水っぽいもの、という誤解があったんではないかな、と思います。

 

実際、light と言えば、ライトビアーとか、低脂肪チーズとか、そういう商品について回る言葉。なんとなく、lightと言われるとまずそう、、、薄そう、、、と感じてしまうのではないでしょうか。

 

でもメープルシロップに関しては、そうではないのですよ。

色(濃さ)の段階は、どちらかというと、お茶っぱを摘む時期にも似てるというか、初摘みか、次に出てきた芽を摘んだのか、、。お茶なら、大概一番がいいと思いますよね。

メープルシロップの場合も、light は収穫のシーズンの最初に抽出された樹液を煮詰めたもの。Medium(amber)はその次、dark は、最後の一絞り。

ええ、darkはシロップとして一般消費者に販売することができる最終段階の樹液から作られたものなのです。

そのあとの樹液は、沈殿物のでない均質なシロップにはならないようで、一般消費者へシロップとしての販売はできず、メープル風味のお菓子などの生産に使用するために菓子工場などに出荷するのです。

これが多分、新しい等級システムでいう、Processing Gradeかなと。

 

お菓子のブログなどでたまに、メープルシロップについて書いてあるエントリーを目にするのですが、結構みなさんdarkがお好みなようです。

別に人が何を好もうともそれは好き好きですから、何でもいいんですけれど、でもあんまりにもdarkが良いらしい、という先入観が先行していると、食わず嫌いでスッキリしたlight の良さを知らないままでdark ばっかり買い続ける人が出現してしまうのかなあと、老婆心からこの記事を書いてみました。

また、シロップ用に販売できないものが製菓用に使われるように、焼き菓子に混ぜて使う場合は、それくらいでちょうどいいのかもしれませんね。

ほら、お客様に出すお茶と、お茶漬けにかけるお茶とか、美味しく飲むためのワインと煮込み料理にドバドバと使うワインとの違いというか。

でも、生のままで何かに垂らして風味を楽しむなら、雑味のないlight は美味しいですよ。

繰り返します。Light って薄いって事じゃないんですよ。

 

興味のある方はこちらもどうぞ

http://www.siropderable.ca/home.aspx

http://www.purecanadamaple.com/pure-maple-syrup/facts-about-maple-syrup

Maple syrup - Wikipedia, the free encyclopedia

 


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