食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

どこから来るのか、その野菜たち: Fiddleheads

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写真はこちらのサイトのものです http://www.norcliff.com/about/where-to-purchase/

 

先日、Fiddleheadsがそろそろ旬なはずだけど、近所のスーパーではまだ見かけない、ということを書きました。

 

あれを書いた後、友人宅での集まりに行ってきました。

そこで久々にキノコと食べられる野草に詳しい友人夫婦とも再会。

いや、食べられるものに限らず、野の草花や木々、動物などにとても興味がおありで、色々と物知りな夫婦なのです。

 

その二人とそろそろ旬のキノコの話をしていて、ふと「そういえばFiddleheadsってまだ見ないよね」と言いましたら、なんと「もう開いてしまってるよ」とのこと!

 

この噛み合わない会話を解説しますと、

私:Fiddleheadsはスーパーで春先に見かける食べ物だと思っていて、今年はまだ店先に出てないなあと言っている。

友人:FIddleheadsは近所の森に生えている植物で、今年はもうすでに若い芽(くるくるっと巻いた状態)を通り過ぎて、大きな葉っぱになろうと広がり始めていると言っている。

 

私が「なんと!今年は見逃してしまったのか!残念!」とショックを隠せないでいると、優しい友人「私が行った森では開いてたけど、まだまだこの近くの森で探してみれば、開いてないものも見つかるかも!」と。

 

私はキノコ狩りや山菜摘みに森へ出かけはしません(威張って言ってるんじゃなくて、友人夫婦のような詳しい人が一緒にいないと何を探していいやらわからないので)

なので「そうじゃなくて、スーパーにはもう出荷されないのかなあ」と。

 

だいたい、市内の森で開いてる(すでに食べ頃の新芽じゃなくなってる)のに、スーパーに出てこないってことは、毎年スーパーに並ぶアレはどこで収穫されて運ばれてきてるのでしょう?

 

こんなこと言いながら、ああヤダヤダ、私はなんて「消費者」なんでしょう、と思いましたよ。

 

今、Michael Pollan氏の In Defense of Foodを読んでるんですけれど、この著者の他の本の例に漏れず、加工食品や消費者の嗜好に合わせて手を入れられて「商品化」してきたような食べ物の普及と成人病や肥満との関連性について書かれています。

日本もそうですが、西洋以外の土地や文化圏の多くで、西洋的な食生活やライフスタイルを取り入れた途端に生活習慣病が蔓延するというパターンにも触れています。

北米のネイティブスもそうですが、オーストラリアのアボリジニも、伝統的な暮らしから西洋化した暮らしに移行した現代では、糖尿病患者の数がものすごく増えたそうなんですが、1982年にとある研究のために、実験的に伝統的な生活(店で食べ物を買うのではなく、自然の中へ狩りをしに行って食料を確保する)に切り替えた十人のアボリジニたちは、ほんの二ヶ月ほどで血糖値が元に戻り、糖尿病が治ったとか。

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In Defense of Food | Michael Pollan

昔は脂肪分が成人病や肥満の敵とされてきましたが今現在は炭水化物が敵扱いですよね。

でもそうやって栄養素のみに集中してしまうのではなくて、伝統的な食事の仕方、もっと全体に人間の本来暮らしの営みの中で培われてきたような食事への態度が重要なのではないか、、というような内容です。

簡単にいえば、精製されすぎた食品や加工品、工場で生産された食品ではなくて、本来の自然環境とつながっている作物をそのまま(精製せず)調理して食べるべきだと。

 

私は野菜を買ってきて自分で調理しているから、ちゃんとしてると思いがちですけれど、考えてみればこれだって単なる「消費」であって、スーパーに並んでるものじゃなきゃ口に入らないというのは情けない。

旬のものを食べたいのに、手に取ってみると南米からとかメキシコからとか、全然旬に関係ないところから輸送されてきた野菜だったりするのは、本当にげんなりします。(とはいえいちいち森に山菜採りに行ったり家庭菜園で野菜を全部賄うなんてのは実際問題できません、、、妥協点はファーマーズマーケットとかCSAでしょうけど。)

 

そんなことを考えていた時だったので、この友人との会話は結構心に引っかかりました。

 

それでいつになく熱心に、食べてはいけないシダ類とFiddleheadsの見分け方などを質問して見たりして。

 

以下は友人の受け売り情報です

Fiddleheadsと呼んで春先に食べているのは  Ostrich fernという種類のもので、他のシダ類にもくるくるの若芽(のことを指してfiddleheadsと呼ぶ)はあります。

食べられる種類(Ostrich fern)かどうかを見分ける3つのポイントは

 

1)茎がセロリの茎のように内側にU字(もしくは角度の浅いV)のくぼみがある。

2)ああ、二番目のポイントは失念してしまいました!やはり付け焼き刃ではダメだ!

3)渦巻き状になっている先っぽの部分、この脇から茶色っぽい小さなヒラヒラが出ているのだが、Ostrich fernの場合、このヒラヒラは綺麗に並んだ状態なのに対して、食べられないものは動物の爪のような鉤形をしている。鉤形のものは食べちゃダメ。

 

 

やっぱり友人に連れてってもらわないと、自分で見分ける自信はないなあ。

 

友人曰く、ググったら色々出て来るからそれを見れば良い、とのことでしたが、このサイトを見る限り、友人が言っていたポイントのうち1つしか書いてない。茶色い紙のようなものがついてる、というのはわかるんですが、他のシダ類にはそれはないってことなのかな?

 

 

ちなみに、FIddleheadsはいつも、フライパンで炒めて、蓋をして蒸らして中まで火を通し、塩とレモン汁をかけていただいていましたが、友人によると、政府の推奨する安全な食べ方は、15分くらい下ゆでして、それから炒めるなりなんなりする、、というもの。

そんなことしたらせっかくの風味や歯ごたえが!!と思うのですが、Fiddleheadsでお腹を壊す人が例年後を絶たないんですって。

 

どうやら、火の通りが十分でないと食あたりするようです。

15分はやりすぎかと思いますが、下ゆではやっぱりしたほうがいいのかな。

 

ま、それもこれも、Fiddleheadsが今年も手にはいればの話なんですけどね。

森へ行くか、スーパーへ行くか、、、ファーマーズマーケットでもいいですけどね、週末は混んでるんでね、、、。