食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

恐れることはないのです、サワドー種作り

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私は週に一、二度パンを焼きます。

 

街中にはフレンチ・ベーカリーで美味しいのを焼いて売ってるお店がいろいろあるのに、うちの近所に限っては一切そういうのがないという、「匂いが漂ってくるのに手が届かない」ところに住んでいるので、なら自分で焼くしかないやん、という発想で。

 

で、数年前から、サワドーのマザーを冷蔵庫に置いてます。

サワドー・ブレッドの元種、とでもいうのでしょうか。

 

 

市販のドライ・イーストを買わなくてもパンは焼けるのです。

  

小麦粉、水、空気、それだけ。

 

もともと小麦粉に付着しているイーストと空気中のバクテリアやイーストが味を決めるのだそうです。 

 

だから、仮にフランスとか、サンフランシスコとか、どこかで食べたサワドーの味が気に入ったからと、ベイカーさんにマザーを分けていただいて持って帰ってきても、私がモントリオールの空気と水の中で継ぎ足していけば、そのマザーはモントリオールの我が家のサワドーの味になるのです。

 

 

小麦粉は、麦に付着している菌を最大限に生かすためにも、全粒粉がより好ましく。

でも、世間に販売されている全粒粉の中には、精製された白い小麦粉に、後からフスマを混ぜて「全粒粉」呼ばわりされてる商品もあるそうです。

そういうのでもいけるのかどうかは存じません。

 

 

精製された白い小麦粉も、漂白処理されたものはお菓子を焼くのにはいいでしょうけれど、サワドーの自然の菌の力で膨らませたい場合はやっぱりどうなんでしょうね、試したことがないのですが、私はオーガニックの、地元の粉をつかっています。

 

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写真がボケてますが、小麦粉と、同量の水を足したものの図。

同量の小麦粉に同量の水を合わせ、ぐるぐるグルグルっと割り箸か何かで混ぜてやって、常温でしばらく置いておきます。

 

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e:4〜5年前から生きている、うちのマザー。60グラムをパンに使って残りの30グラムに同量の水、小麦粉を足してぐるぐるグルグル(90グラムになります)。

1:上の写真で、新たに小麦粉と水をそれぞれ30グラムずつ混ぜたもの(60グラムです)。

 

小麦粉、水、空気、にそれぞれ含まれるイーストが、それぞれが合わさったことで食べ物を得てむくむくと育って、ガスを出して、膨らむ、、、というのがパンの発酵の元々の仕組みであって、それが巻き起こったらしめたもの。

 

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昼頃混ぜて、冷蔵庫の上に置いておいたもの。5年もののマザーはぶくぶくと膨らんで、元気です。今日はじめて混ぜた新入りマザーは、まだゆっくりじっくり、、という感じでしょうか。 

 

 

捨てる、というのは「もったいない!」と感じます。

私もそう感じで、最初は捨てずにそのまま、タネ1に対して1になる割合で餌(小麦粉と水)を与えてましたが、そうすると、最初に作った粉+水コンボの重さ(n)と同量の粉(=n) 及び水(=n)を混ぜるので、餌を一回やると、最初のタネ1の3倍の重さになります。

次に餌をやるときは、3nの三倍になり、その次はまたその3倍、、、と、マザーを作るためにどんどん使う小麦粉量も増えるし、容器も大きくしなければいけません。

 

そう考えると、やっぱり最初に捨てるのが一番合理的ですね。

捨てなくても、小麦粉を使う料理に混ぜるとか、パンケーキやお菓子に使うとか(ちょっと酸っぱくなります)友達にあげるとか、そういう手もあります。

 

パンを焼けるくらいに元気に生きているサワドー・マザーができたら、あとはこれをつないで、つないで、大事に生かしてあげるというわけです。 

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昨日混ぜた新入りマザー、結構膨らんでますよ!早いですねえ。これを早速半分捨て(60グラムを30グラムにする)、30グラムのこなと水を混ぜてやります。

 

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左が捨てた(今夜の料理に使うつもり)30グラムと、右が残りに新たにこなと水を混ぜたもの。

 

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たった1日ですが、ガスがブクブクと出ていた新入りマザー(左)と、混ぜたての新入りマザー+アルファ(右)

 

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再び冷蔵庫の上に置いて、明日まで休ませましょう。明日はこの倍くらいに膨らんでるはず。これを数日続けて、力の強いタネができたら、パン焼きに使います。

 

 一旦元気なパンの焼けるマザーになったら、週に一度だけ餌をやって、あとは冷蔵庫に入れておきます。

もっと頻繁にパンを焼く方は、焼くたびに餌をやればいいです。

 

旅行などで数週間家を空ける場合、週に一度餌をやるのが難しくなりますが、私は3週間までは放置しても大丈夫だという経験を何度かしております。

4週間以上の場合は、不安でしたらタネをパーチモン・ペーパーにヘラで擦りつけてやり、それを広げて乾燥させてやり、乾燥したのを密閉容器に入れて保存しておいて、帰宅後水を加えて再生させるという手法と、冷凍するという手法があります。

 

冷凍は経験ございませんので自信を持ってオススメはしませんけれど、いろんな方がやったことがあるようです。

乾燥手法は、保存のためというより日本の母の台所に持って行って母にサワドーパンを焼いてあげたときに使いました。

乾燥したマザー、水を与えて復活したら、ちゃんと普通に発酵しました。

 

ネット上にはたくさん情報がありますが、こちらも参考までに。

www.thekitchn.com

 

絶対絶対、木のスプーンで、とか、熱湯消毒して、とか、そういうことをおっしゃる向きもありますが、私はそこまで神経質にしませんけれど、平気ですよ。

 

エジプトの母さんたちがパンを焼いた頃、熱湯消毒なんかしなかったでしょうし。ま、その当時はスプーンは木だったかなとは思いますが。

 

 

 


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