食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

グリーン・ウォッシングと洋服の使い捨て

 

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写真は日本のファーストファッションの例であって記事の内容とは直接関係ありません。

 

 

職場のボスに、海亀のビデオをメールして「嘆願書にサインして」とお願いしたら、お返しにこんなビデオのリンクをもらいました。

タイトルは ”How fast fashion adds to the world's clothing waste problem”

ファーストファッションが世界の洋服ゴミ問題を余計に深刻化させている現状を報告したもの。

カナダの国営放送CBCが制作したドキュメンタリーです。

 

youtu.be

 

 

 

ファーストファッションの流行により、洋服を使い捨てのようにガンガン買っては捨てる人たちが増えている、、、とは聞いたことがありますが、そのおかげで、洋服ゴミの量もものすごく増えていて、大変なことになっているようです。

 

ゴミ問題と聞くと、「着ない服は寄付してマス」という私のような単純な人はやっぱりたくさんいるようですね。

古着は捨てるよりも、寄付することで、貧しい人の役に立つかも、、、と思う方が気持ちが楽になりますし。

 

冒頭で突きつけられるのは、そんな寄付された衣料品の行く末、、、。

チャリティーショップの代表格みたいな、サルベーション・アーミー倉庫の「寄付されたけれど売れ残ってしまい、どうにも処分しようのない古着の在庫」がものすごい量なんです。

もらっても迷惑なヨレヨレの洋服は寄付しないように、、とは思っていましたけれど、ここまで持て余してる相手にホイホイと寄付してしまっていたとしたら、、と思うとちょっとショックでしたね。(私が寄付するのは地元のチャリティー団体でサルベーションアーミーではないのですが、同じような状況なんだろうか、、、今度聞いて見たいと思います。)

 

他にも、Zara、Nike、H&M、 などなど、ファーストファッションで世界中に支店を展開している大企業の中には、昨今の「ゴミ問題」や「環境問題」への消費者の意識を反映して「あなたの古着をリサイクルします」と、古着回収箱を店内に設置し、古着を持ってきたお客さんにはそのブランドで一定額以上の買い物をした際に5ドル引き、、などといった割引券を出しているところも数あるようです。

 

「古くなったジーンズを裁断して、新しい洋服を作るんだって、だから、このブランドの洋服を買うことでゴミ問題解決へも貢献できてるんだね。へ〜、良いね。」

 

と思った方はいらっしゃいますか?

グリーンウォッシュという言葉を聞いたことがありますか?

日本語になってるかなーと思ったら、ちゃんとウィキ日本版にありました。

グリーンウォッシング - Wikipedia

グリーンウォッシング(greenwashing)は、環境配慮をしているように装いごまかすこと、上辺だけの欺瞞(ぎまん)的な環境訴求を表す。 安価な”漆喰・上辺を取り繕う"という意味の英語「ホワイトウォッシング」とグリーン(環境に配慮した)とを合わせた造語である。

特に環境NGOが企業の環境対応を批判する際に使用することが多く、上辺だけで環境に取り組んでいる企業などをグリーンウォッシュ企業などと呼ぶ場合もある。

 

グリーンウォッシュで荒稼ぎを続ける大企業

こういう回収箱でお客さんの良心を釣った企業たち、古着を分解してリサイクル繊維を紡ぎ出し、新たな衣料品を製造する、、、というプロセスはそんなに簡単ではなく、化学繊維とコットンやウールなどが混ざっているあらゆる衣料品をリサイクルすることは大変難しい上、リサイクルした繊維の強度も劣るため、大々的に宣伝しているような古着のリサイクルは実際には行われていないそうです。

 

中のインタビューで指摘されていますが、48時間で販売されるファーストファッションの衣料品全てをリサイクルするためには12年もの年数が必要になるとか。

 

ここでいう「リサイクル」の詳細も、その数値のソースも不明ではありますが、実際に製造、販売、廃棄、という一方通行の流れだけが確立されていて、ゴミ処理やリサイクルの部分が全く追いついていないのに、ファッション業界が無責任に1年以内、いや、一回着ただけでゴミになるような粗悪品を大量生産して利益を上げている、という問題そのものは現実な訳です。

 

サルベーション・アーミーの膨大な在庫とともに、こういったファースト・ファッションブランドで回収された衣料品も、アフリカなどの貧しい国に売られていくのが現実だとか。

そう、寄付じゃなくて、売られていくんですって。

でも品質が悪いから、誰も欲しがらないので結局大量に売れ残ってしまうとか。

そこで売れなかった古着は、焼却処分されるわけですが、化学繊維がたくさん混ざった衣料品を燃やすわけですから、かなり有害なガスも発生しますし、結局売れ残るゴミ同然の衣料品を買う方も、そろそろ迷惑なこの構図にうんざりしている模様です。

 

外国からの安い古着は国内のテキスタイル製造業の販売市場を奪ってしまうという問題もあるため、東アフリカ諸国は外国(先進諸国)が彼らに古着を売りつけることを禁止にしたそうですよ。

 

ゴミになった衣料品の害も大変なものですが、衣料品は製造する過程でも体に有害な農薬、染料などが使われ、製造に関わる労働者の健康はもとより、製造工場がある地域の土壌や水質の汚染も大変な問題です。 

 

 

企業は製造過程で環境破壊をし、労働者の健康への危害を無視し、消費者は使い捨て衣料品を嬉々として買っては捨て買っては捨て、消費者が罪悪感を感じて「リサイクル」や「寄付」したものまでも販売し、結局ゴミになった余剰品がさらに環境汚染を続ける、、その上、消費者の問題意識さえ商売に繋げるグリーンウォッシュの販促キャンペーンまで繰り広げる、、、(消費者はころっと騙されて再び消費活動を続ける)

 

どうなってしまうんでしょう、この地球。

 

1シーズンだけ着て捨てちゃう、一回だけ使って捨てちゃう、、、っていうやり方、私が知ってる人たちの間ではそんな消費の仕方をしてる人はいないんですが、長持ちしない安物は「断捨離」して次を買う、という風に洋服を買い換えるサイクルが早くなってる人は多いのかもしれません。

 

 

こんなブログも見つけましたよ。

katewatson.net

 

資本主義は悪魔の碾き臼、、と言いますが、ゴリゴリゴリゴリ、臼に惹かれるのはまず野生動物や 植物などから、次は貧しい国に住む人間、、でもそのうち地球上すべての人間に平等に被害が及ぶことになります、、他人事ではありません。


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