食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

使うか、使わないか、MSG

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日本が誇る世界の、、
MSGと日本での思い出

日本ではMSGはグルタミン酸ナトリウム、もしくは味*素を始めとする化学調味料。

MSGを開発した理学博士の池田菊苗さんは、昆布に含まれるグルタミン酸ナトリウムを発見し加工する技術を開発し特許を取った戦前の化学者。

この方、乾燥昆布12キロを戻して妻に刻ませて自分は茹でるだけだったみたいですが。

まあ茹でただし汁を化学的に分析したのはご本人でしょうけど。

12キロもの乾燥昆布を戻してそれを刻むなんて、私は嫌ですね。研究室の学生にやらせなさいよと私なら言います。きっぱり。

 

ja.wikipedia.org

 

MSG というと北米では「あの中華の化学添加物でしょ、ヤダヤダ」というような「アジアの食べ物やジャンクフードによく入ってるよね」というような、毒を見るような、カスを見るような、恐れと軽蔑の入り混じった反応が返って来ます。

 

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こういう印象が強い

 

中華は体に悪い=脂ぎってるしMSGが入ってるから、という人に、家庭料理用のコンソメキューブみたいなものだって中身はMSG と塩と油だよ、というと、びっくりされることがあります。

 

  

私が子供の頃フルタイムで仕事をしていた我が母親は、6時ちょっと前に帰宅するとすぐにエプロンをつけて夕飯の支度に取り掛かり、7時すぎには家族六人に夕飯を提供していました。

 

そんな母は、鰹節を削って出汁をとるとか昆布から出汁をとるとか、そういうことは年に数回やるかどうかで、普段はやっぱり味*素を使っていました。

昔はみんなそんな感じでしたよね。

 

 

加工食品やボトル入りのソースや調味料にはもれなく入ってるMSG 

それがたっぷり使われてる食べ物に舌が慣れて、それが美味しいと思って濃い味に慣れてしまってる現代人、、、。

 

だから、自然食とかオーガニックとか、スローフードとか、そういう心意気に惹かれる人々は、MSG=悪と感じますよね。

 

 

大学の頃に友達の長野の実家に泊めてもらってスキーしに行ったことがあるんですが、おやつの時間?に皆でお茶を飲んでのんびりしていたら、彼女のお母さんが漬物がてんこ盛りになった大きなお皿を持って来まして「野沢菜どうぞ」と。

そうか、野沢菜の漬物がたくさん豊富にあるこの地域では、これがお茶受けなんだ!

とワクワクして「わーい、いただきます」と箸をつけようとしたら、お母さんがいきなり「あ、待って待って!忘れてた、あれあれ!」と。

すると友人が「あ、ほんと、待って待って」と立ち上がり、台所から何か持って来たかと思ったら、瞬く間にその山盛りの野沢菜の上に、「味*素」をふりかけたのですよ。

「これで美味しいよ、さあどうぞ」

と言われたのですが、味*素が直接かかってる食べ物を食べたことがなかったし、なんとなく「化学調味料は良くない」という考えが定着し始めてた年頃?だったせいもあり、気がつかれないように、味*素がかかっていない下の方のレイヤーから漬物をつまみ出していただいたんですが、ちょっと味*素がかかってる部分もあったようで、MSGが直接舌に乗っかるセンセーションを体験しました。

 

とても変な味でした。笑 

 

 

 

MSGの害とは?

北米では中華などアジア系レストランと結び付けられ忌み嫌われるMSGですので、アジア系のお店の窓や扉に「MSG不使用」という表示をつけてある所は結構あります。

 

 

実際は何料理であっても、出来合い調味料を多用してれば多分MSG入っていますけどね。

 

でも悪評が立っちゃったから、アジア系のお店は「うちはつかってないない!」て大きな声で主張しないと疑われてしまうのでしょう。

 

ではMSGの害って何でしょうか。

 

1960年代アメリカで中華料理屋で食事をした人々のなかに、頭痛や吐き気など体の不調をうったえる人が現れ、これがMSG symptom complex又はChinese Restaurant Syndromeと呼ばれています。

 

実際に体にどんな悪影響があるのかといえば、科学的な結論は出ていないというか、むしろ、短期的な害はないみたいな感じです。

 

あえていえば、空腹の時に大量(3グラム以上)のMSGを一気に摂取してしまうと、MSGに敏感な人々に眩暈などの反応が出ることがあると。(2000年11月Journal of Allergy and Clinical Immunology)

 

60年代にMSG symptom complexをうったえた人たち(=中華料理屋で食事をした人たち)の多くは多分、空腹でレストランに入り、まずはワンタンスープなど、MSGが比較的多く入っているメニューから食事をはじめたせいだったのではないか、、と。

 

夫にChinese Restaurant Syndromeって知ってる?と聞いたらば、「食べ放題でたくさん食べても後ですぐにお腹が空くってやつ?」ですと。笑

そういえば中華料理店の悪評の一つでこれ聞いたことありますが、本当なんでしょうかね。

 

詳しくはこちらのリンクいくつかご覧あれ。 

www.seriouseats.com

www.healthline.com

 

日本語の記事もありましたが、記事元のサービス終了のため、リンク削除しました。


その記事には「MSGは胎児の脳の発育に悪影響」があると書かれていました。

その根拠は書かれていませんでしたが、そんなこと言われたらやっぱり妊娠中の方は避けたくなりますよね。

 

MSG symptom complex(Chinese Retaurant Syndrome)の日本語はなんだろうとググったら、中華料理店症候群だとか。

そのまんま。笑

ウィキペディアのエントリーもありましたのでこちらに。↓

やっぱり一番上の二つのリンクと同様、科学的な根拠は確立されていないとあります。

ja.wikipedia.org

 

 

害がないなら便利だし使っちゃう?

昆布に多く含まれるグルタミン酸ナトリウム。

私は昆布から出汁を取りますので、それで今の所足りてます。

上のSerious Eats のリンクの記事の下の方にグルタミン酸ナトリウムを多く含む食品のリストがありまして、一部転用しますとこんな感じ↓

 

  1. 昆布
  2. パルミジャーノ・レッジャーノ
  3. 鰯(アンチョビ)
  4. トマトジュース
  5. トマト

グルタミン酸以外にも旨味成分はあって、イノシン酸(鰹節)グアニル酸(椎茸)などだそうです。

鰹はヴィーガンになって以来使っていませんが、椎茸は生も乾燥もたまに使っています。

肉や魚の旨味がなくても全然平気でここまで来てますからね、害がないらしいと聞いても、今更使い始める気にもならない。

 

「これがないと旨味が出ないのよ」と言うものがないほうが自由な気がします。

 

 

旨味と言う言葉は日本語にしかありませんが、それがすなわち日本食以外には旨味が存在しないということにあらず。


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