食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

料理酒のアルコールと、キャラメライズ作業

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今年はどうかなと思っていましたが、出てきましたベイビー・ルバーブ

やっと暖かくなった、、と思ったらまた冷えて雨続き、、

もう五月なのに、、とみんなゲンナリしています。

例年より一ヶ月くらい遅い春かも。

それなのに夏は猛暑だという予報があるとか。

この辺の猛暑は日本では猛暑に入りませんが。

 

 

料理とアルコール
 

皆さんは料理にアルコールは使いますか?

肉や魚介類の調理にはワイン、日本酒、シェリー、などなど、アルコールの出番はありますね。

 

肉や魚を使わなくなって、アルコールを使う頻度がぐっと減りました。

 

アルコール、特に日本酒を使う場合には、「日本酒は甘みを出す、臭みを消す、香りを高める、肉を柔らかくする」と思って使っていましたが、肉を柔らかくする、というのはあんまりないらしいです。

 

肉に関してはもう自分で試すことはありえませんけれど、その他の効果はどうでしょう。

 

臭みを消す、、も、肉や魚を使わない場合、消すほどの臭みがある食材はないので、酒の出番はひとつ減ります。

 

今の自分にとってのアルコールの役目は、

  • ご飯を炊く時に入れるとふっくらする、、、(ような気がする)
  • 煮物には出汁、みりんと共に入れて旨味を引き出す、、(ような気がする)
  • 麺つゆとか天ぷらつゆを作る時にも、出汁と一緒に、(これは大事な気がする)

 

和食だけでなく、洋物でもワインだのビールだのシェリーだの入れるレシピはありますね。

よく言われるのが「自分で飲んで楽しめないものは料理に使ってはいけない」「料理酒は使うな(塩や添加物が入っていることがあるし、アルコール自体の質が不明だからでしょう)」など。

 

自分で飲んで美味しいと思うものは、飲んでしまいたくなる私、困りますね。笑

「まずい」と思ったものは入れませんが、「うむ、これは料理用に回そう」と思った飲酒用のアルコールを料理に使っています。

 

で、酒類を料理にドボドボっと入れるとき、このアルコール分、どうなると思いますか?

  

加熱されるんだからアルコールなんか蒸発してしまう、とよく言われますが、調べたら、調理法次第とは言え、「蒸発するから平気」とは言えなさそう

 

US Department of Agriculture's Nutrient Data Laboratoryといくつかの大学での研究結果から、調理後のアルコール残留率は以下のように報告されている模様

    • 沸騰している液体にアルコールを加え、熱源を止めた場合 85%
    • フランベしたあと 75%
    • 加熱せず一晩おいたもの 70%
    • 25分焼いたもの、アルコールは生地に混ぜられていない状態(どういう状態なんでしょうね?) 45%
    • 料理に混ぜ込まれてから焼かれたもしくは煮込まれたもの(下記の表参照)
    調理時間 (h) 残留アルコール(割合)
    0.25 40%
    0.57 35%
    1.1 25%
    1.6 20%
    2.0 10%
    2.6 5.0%

    %はアルコール度数ではなくて、アルコールが残留していた割合です。 

スープ等に入れる場合はアルコールは多量の水分で薄められますし、それが一時間煮込まれて25%残留する程度だったら、健康な大人ならこのせいで健康を損なうことはないでしょうけれど、アルコールの分解ができない体質の人やアルコール依存症、宗教上の理由でアルコールを避けている人などはやはり避けたいでしょうね。

Cooking with alcohol - Wikipedia

 

今月は再びコミュニティ・キッチンの担当になりまして、希望の多かった「フレンチ・オニオン・スープ」をやることになったのですが、レシピを見てるとことごとくアルコールがちょこっと入ります。

 

ワイン1カップ半とかシェリーを大さじ2杯とか。

 

コミュニティ・キッチンでは、メニューを選ぶこと、レシピを選ぶこと、材料をリストアップして買い物に行って、、、と、調理に入る以前の段階から参加してもらって、普段の生活で料理するために必要なスキルを身につけてもらうことを目標にしています。

 

普段は「アルコール、除外」と私一人で判断(中毒患者や宗教上アルコールを避けている人も来るので)していることも、参加者と一緒に「アルコールがあるね、どう思う?」と判断するところから一緒に話し合いました。

 

普段アルコールを摂取していない人たちですから、みんな「これは使えない」と。

「アルコールを入れないからには何か味が足らなくなるのでは?」と言う質問も出るかな、と答えを用意しておいたのに、誰一人それを言い出しませんでした。ガックリ。笑

 

というわけで、質問もないのにその回答を参加者に披露し、アルコールの代替品にあげられている品目を披露。(ここで初めて参加者が生き生きと反応しましたが。笑)

 

シェリーやブランデーの代わりに、オレンジジュースとか、白ワインの代わりにジンジャーエールとかが使えるという情報を得たので、では今回はオレンジジュースでやってみましょうと。

 

写真はありませんが、一時間みっちり炒めて飴色になったキャラメライズドオニオンと、じっくりとった野菜出汁、そしてオレンジジュースは出汁5カップに対して30mlほど(大さじ2)入りました。

 

オレンジジュースとワインのphの値が割と近いので、それで代用できるのかな、という気もしますし、オレンジジュースの甘みと酸味がスープに混ざり合っていい風味になるのかもしれません。

 

バターとチーズが入るフレンチ・オニオンスープ、私は味見はしませんでしたが、食べた人々は大満足、オレンジジュースの味は誰も感じなかったそうです。

 

試食している参加者の一人が「亡くなった母のオニオンスープと同じくらい美味しい」と言っていたので、これは本当に美味しかったのでしょう。

 

NY Timesのフードコラムニスト、 Mark Bittman著、 How to Cook EverythingよりOnion Soupのレシピを参考にしました。

著作権のあるレシピですのでこちらで書くことはしませんが、オニオンスープのレシピを調べると、大体が似たような構成です。

 

今回は複数のレシピを並べて、参加者のみんなで協議して「玉ねぎは一人一個、アルコール以外はレシピに基本的に忠実に」作りました。

 

ただBittman氏「アメリカ人はオニオンスープをピザだとでも思ってるようで、チーズ入れすぎ」と批判、さも自分のレシピはチーズ控え目かのように書いてあるんですが、レシピ通り入れたらば、私の目には「スープにピザが浮いてる?」程てんこ盛りに見えました。笑

次回作るときは半分でも十分。

 

 

大勢で交代しながら喋りながらキャラメライズするプロセスは楽しめましたが、一人で台所で作るのはやっぱりちょっとキツイ、、、


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