食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ヴィーガン=極端な食生活?

私のこの地味なブログにコメントを下さっているSilkenTofuさんがコメントで教えてくださった記事 (下記参照)について、ちょっと私なりの見解を書きたいと思います。

ヴィーガンになって、体調が良くなった!という人々、健康状態が悪化した、という人々、色々いらっしゃるようです。

私自身は、大した変化を感じることもなく、特別元気になったとか、肌が綺麗になったとか、逆に体力が落ちたとか、そう言ったことは一切感じません、と以前にも書いた通りです。

ヴィーガンの食生活に転向した、と一言で言ったって、動物性の食品を一切摂らないけどジャンクフードやインスタント食品や手っ取り早く食べられるものを適当に口にしている人だって大勢いるし、栄養に気を使ってバランスよく食べている人だっているし、野菜ジュースばっかり飲んで栄養を取らない人だっている。

この記事の方、ヤンガーさんは、一年ヴィーガンを続けるうちに体調が悪化、肌も荒れて大変だったとか。私も同じくらいの期間ヴィーガンをやってますが、体調は同じ、肌も別に取り立ててどうという変化もなく、やせも太りもせず。あまりの違いに、ちょっと不思議というか、怪しいぞ、と。。。笑

実際にこの人はどんなことを言ってるんだろうと、日本語の記事じゃなくて、この人の食生活について具体的に描いてあるニューヨークポストの記事を読んでみました。

彼女は1日800カロリーのダイエットをしていたとか。摂取していたのはスムージーとかグリーンジュースとかだけ、、、それって、ヴィーガンじゃなくて、むちゃくちゃなダイエットってことじゃないですか?彼女の話を読むにつれ、これはヴィーガニズムじゃなくて、摂食障害の事例だと気がつきました。

こういう話をあたかも「ヴィーガンダイエットが原因で」と報道するあたり、三文新聞なニューヨークポスト及びデイリーメールです。これらのタブロイド紙は尊敬に値する記事を掲載しないことで知られているのですが、日本のメディアはその点は無視してセンセーショナルだからおいしいとこどりで利用してるっていう感じです。

本来問題にすべきなのは、ヴィーガン・ダイエットから始まった、彼女の摂食障害です。

ヴィーガンが体に合わなかった、という人は実際にいるようです。そう言った人々が皆ヤンガーさんのような極端な食事制限をしていたかどうかは不明ですが。でもその原因は、本人が自己申告する「ヴィーガンダイエットにしてから不健康になった」というよりも、実際に毎日何をどれだけ摂取していたのか、どういう生活をしていたのか、個々に具体的に調査しないとわからないことです。ヴィーガン・ダイエットをやり玉に挙げたいメディアの記事一つで糾弾できる話ではありえませんよ。

若い頃には無茶なダイエットってついやってしまいがち、だと思います。そういう行為に駆り立てる現代社会の構図に問題があるともよく言われます。スーパーモデルのようなガリガリな体を求めるという風潮だけではなくて、健康ブームというか、デトックス・ブームというか、健康食品のみ摂取して体が軽くなるんだ、という思い込みブームというか、そういう風潮がヴィーガニズムとごっちゃになっているような気がします。 

巷にあるヴィーガンのカフェには「ローフード、ヴィーガン、オーガニック」と色々と売れる文句を組み合わせているところが多くあります。ヴィーガニズム本来の志とはちょっとかけ離れているような、「ヘルシーでお洒落」のような部分をくすぐる商法というか。

ヴィーガンであれ、マクロビであれ、はたまたグルメな脂こってりな肉食であれ、食の世界は儲かる美味しいビジネスの世界でもあり、目新しい食事法は新たなビジネスチャンスであり、各方面からありとあらゆる目的を持った人々が手を出してくるんだと思います。ヴィーガン、ヴェジタリアン、といった生活手段自体は日本でも別の地域でも昔からあることなのに。

インド食堂で「私はヴィーガンなので、、」と説明すると「ああ、あなたはヴェジタリアンなのですね」と言われます。勘違いされてチーズを入れられたくなくて「いや、ヴェジタリアンじゃなくてヴィーガン」というと「わかりますよ、チーズも食べないヴェジタリアンでしょ。大丈夫よ。」と。

そういう食生活を続けている人々が昔からたくさん存在しているんですよね、私たちが知らなかっただけで。

肉食、加工肉食が癌につながる、というWHOの報告に対する反感やその影響に関する危惧は十分理解できますが、その反動で、肉や動物性を避けることで不健康になるんだ、という説を唱えるというのも短絡的で、誰のためにもならないように感じますね。

 環境問題、動物愛護、自身の健康、と、ヴィーガンになる動機は様々でしょうけれど、自分の食事を切り替えてみて、自分にはちょっと無理があるのかも、いきなりすべて変えてしまうのは無理があるのかも、と感じる方は、週に1日ヴィーガンにするだけ、とか、夕食だけヴィーガンにしてみる、とか、はたまた食事ではなくて身につけるものや家具などで動物性のものを避けることから始めてみるとか、段階的に試みてみればいいと思うのです。

痩せるとか、肌が綺麗になるとかいうことではなく、自分が消費する動物性のモノを少しでも減らしていくところからヴィーガニズムは始まると思うのです。一気に完璧を目指して挫折するくらいなら、50%でもいいと思います。それだけでも、一人の人間が動物性の製品の消費を減らせば、地球環境だって動物愛護だって、ダメージは結構減ると思いますよ。少数の人が完璧であるよりも、大勢の人が消費を幾らかでも減らすことの方が、インパクトは大きいはずですから。

 


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