食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

他人の香り

冬場、この街を歩いていると鼻につくことがあります。

それは、人々が身につけている、香りです。

ほんのりと爽やかな香り、とか文字で書くと別に大したことのない、むしろいいじゃないかそれくらい、、と思われるようなことですが。

実際はとてもきついですよ。

もちろん、みんなが皆というわけではありません。

でも、かなりの高確率で、朝の通勤電車で隣に座った人から強烈な甘い香りがツーンと鼻腔を突き刺してくる、、いや、漂ってきます。

女性は香水とかコロンとか色々使ってるんでしょうし、男性はアフターシェーブ・ローションだったり、はたまた洗濯をするときに使われた洗剤、柔軟剤、乾燥機用の柔軟剤シートなどからの香りだったり。

直球で、強烈な体臭のこともありますね。

体臭は嫌ですけども、仕方ないのかもなと思います。運動して汗かいたあとだったりするのかもしれませんし。

それよりもどうにかして欲しいのは、わざわざ好みで身につけていらっしゃるその香水、オーデコロン、オードトワレ、あえて香り立たせるその物質です。

 

日本にいると、喫煙者が多いのと、禁煙スペースがあまり確立していないせいで、タバコの臭いが気になることが多いですが、香水系でたまらん、と思った記憶はありません。

どちらかというと、日本では消臭の方に商品展開のエネルギーが向かっているような。

日本でも香水類は売れてると思うし、昔海外旅行のお土産などでオーデコロンとかいただいたこともあるので、日本にもそう言った香りを身につける習慣のある人たちは存在するはずですが、日本のあの人口密度の高い都市空間でも、他人の臭いでうわー、って思った覚えがないんです。

喉元過ぎればなんとか、で、覚えてないだけかもしれませんが。

 

冬場はメトロで通勤している私は、冬になるたびに毎朝「うわー、くさーっ!」と。笑

同じ時間のメトロを利用する人たちの中に数人、同じ駅で降りる人たちの中に数人、甘ったるくてまとわりつくような人工的なニオイを漂わす人たちがいるのです。

目を閉じるように鼻を閉じていらないニオイをシャットアウトすることはできないじゃないですか。

香水類を身につける人たちは、毎日同じ香りをチョンチョンと手首につけたり、スプレーしたりしてるから、そのニオイに鈍感になっていって、つける分量がだんだん増える、、という話を聞いたことがあります。

それなら、そういう傾向に合わせて、開封後日数が経つほどに香りが薄くなる香水、などを開発していただきたい。

職場で顔を合わせる人たちの中にも、いろんな香りを身につけてくる人々がいます。

うちの職場は一応、香水フリー空間なはずで、来訪者には「アレルギー反応のある人が増えているので、香水などは身につけずに訪問してください」とお願いしているのですが、なかなか徹底できません。

クライアントの中に一人、本当に体調が悪くなるほどに、人工的な香料にアレルギーのある人がいて、彼女は冬場は室内に入ってコートを脱いだら、それを大きな袋に入れて、邪魔にならない一角に置いておくのです。他の人たちがコートをハンガーにかけておいてあるクロークエリアに一緒に置いておくと、誰かの人工香料のニオイが移ってしまうからだそうです。

私はそういう身体的な反応はないのですが、人工的なニオイが何せ嫌いなので、彼女の苦労は多分10%くらいは共有していると思います。

 

自分で洗剤を作ったりしているのだって、店で売られている商品に人工香料の入っていないものがなかなか見つけられないからです。

うちでは香料入りのトイレタリー製品を使わないので、知人の家のバスルームに入ると、トイレタリー製品の香料のニオイが強烈だったりして「おお、そうだった、そういうニオイの製品があるんだった」と。

なんでいちいちニオイをつけるんでしょうねえ? (わかってますよ、売れるからですよね。)

日本ではそこまでひどくないんでしょうか? (日本は随分マシなのでは、、と期待)

北米では、もう大変です。

しかも、そういう香料に使われている化学薬品のあれこれは体に良くないものがたくさんですからね。なんで必要でもない人工香料のせいで体を壊さなきゃいけないんでしょうか。

消費者の多くは、ニオイが付いてなければなかったで、別にそんなに気にしないと思うんです。

ニオイが付いていれば「ああ、いいニオイいじゃない、これ好きだわ」と思う人も結構多いかとは思うんですが、その人工香料のニオイ、100年前の、そういう物質が存在していなかった時代の人たちに嗅いでもらったらなんて言うだろうか、と思います。

強烈なニオイにびっくりするか?

強烈だけど「いいニオイだわ」と思うか?

慣れの問題だから、馴染みのない人はやっぱり臭いと感じるような気がします。

 

北米でやたら人気のフレーバーに「チェリー」がありますが、チェリー風味のソーダとか、チェリー風味の何やらを口にして、あの「さくらんぼ」の味に似てるとは思ったことがありません。でもあのけったいなニオイは「チェリーのニオイ」なんだそうです。

以前歯医者で麻酔を注射する場所に、注射針が刺さる痛みを感じなくさせる塗り薬の麻酔を使うというので「ミントフレーバーとチェリーフレーバーがあるけど、どっちがいい?」と聞かれて笑ったことがあります。

歯磨き系だとミントフレーバーが昔からかなり一般的ですが、その歯科医ではチェリーも人気なんですって。

麻酔なんだからフレーバーなんか要らないんですけどね。(注射針の痛みまで麻酔で、、っていうことは言わないでおきましょう。)

 

かように人工香料のニオイがあらゆる場面にはびこっている現在の北米ですから、やっぱり自分のニオイをはっきりと主張したい、という人々も存在するのでしょうか。

 

他人から漂ってくる余計なニオイをシャットアウトできるマスク、とか、そういうものを開発する人はいないでしょうか。ガスマスクみたいなイカツイデザインでなくて、さりげなくメトロの車内でも装着できるようなスタイリッシュなのを商品化してくれたら私、買います。笑

 

冬の気温が和らいで、来週、夏時間に切り替わったら、そろそろメトロをやめて自転車通勤に戻る日が近づいてくると思うので、それまでの間、もう少しの辛抱です。

ああでも、路上では車の排気ガスのニオイが、、、笑

 


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