食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

和食が美味しいと思う条件 

北米に住むようになった当初は、和食ってそれほど恋しいと思ったことがなかったんですよね。

それは、当時はまだまだ若かったせいかなあ、と最近思います。

高校生くらいまでは、和食って「あー、今夜のおかずは地味だなあ〜がっくり〜」

という受け止め方だったりしたものです。

蕗の煮たのとか、高野豆腐とか、葉物の白和え系などは、ちょっと苦手だったんですよね。

天ぷらなんかでも、サツマイモの天ぷらかと思ってかじってみたらレンコンで、がっかりしたり。

それが大人になってからはサツマイモはあえて天ぷらにせず(食べたいとあまり思わなくて)レンコンのあの、サクッとした感じが好きになったり、、、味覚とは変わるものですね。

煮魚のうまさが本当にしっかりわかって、ああ、カレイの煮付けが食べたいなあ、などと思うようになったのは、和食のつまみの美味しい居酒屋に連れて行かれた22歳くらいの時でした。

そこの居酒屋は、個人経営で、小さくて、メニューもそれほど品数はないのだけれど、煮物がしっかりと美味しくて、これはどうやって作ってるんですか?などと質問したのもそこのお店が初めてだったかと。

 

それでも、若い頃はやっぱり和食が1年や2年食べられなくても全然平気でしたね。

それよりも、自分が今まで知らなかったエスニック料理など、未知のものに挑戦する方が楽しくて、日本に昔からあるものなんか食べてる暇はない、という感じでした。

なんせ食いしん坊ですから、いろいろと試してみたいのです。

それは今でも変わらないんですが、今は週に一度くらいは日本のおかずを食べたい、おかずじゃなくてもご飯とぬか漬け、とか、そういうのを口にしたいなあと思うようになりました。

それって年齢のせいかなあ、とも思うんですが、日本の味覚は努力しないと得られないという、そういう状況にいるせいなのかなあとも思います。如何なものでしょう。

日本に住んでいて、いつでも日本の食材を調達できる人たちは、日本の食材をあえて工夫して別物にして食べたりするじゃないですか。

例えば、日本の親戚の家に泊まっていた時、朝ごはんに叔母が「納豆トースト食べる?」と言って、厚切り食パンの上に納豆が敷き詰められたトーストを皿に乗せて出してくれたのですが、そんな、納豆様をトーストにするだなんてもったいないことは北米に生活している私メには恐れ多くてできないことだ!と思ったんですよね。

そういう自由さは、その食材が簡単に手にはいる状況でないと無理です。

 

年齢的な点では、和食を楽しめる受け皿ができてきたんだろうなあと。

例えば、子供の頃に比べると、微妙な味わいとかほのかな香りとか、そういうものを楽しめるようになってきているんだと思うのです。

北米、しかもうちの界隈にいては、ほのかな香りのする季節の繊細な野菜とか山菜とか、そういったものには出会えませんので、どうしても北米のアジア系スーパーで入手可能な野菜類を使った何か、、、に限定されるのですが、それでも以前に比べてうんと豊かになったのです、北米のアジアン・食材。

素材の鮮度のみで勝負する、というのはなかなか難しいけれど、でもまあまあな和食は作れます。

ありがたいこっちゃ。

 

以前、老人ホームでボランティアをしたり、アルツハイマーの方のための施設でバイトしたりしていたことがあるのですが、やっぱり高齢になると、味覚が衰えてきて、塩分をあまり感じなくなる傾向にあるようにお見受けしました。

歳をとったら自分も塩辛いものを求めるようになるのだろうか、、、

塩分は慣れが大きいですから、今から控え目な味つけに慣れていれば、それほどひどくはならないかなとは思いますが、どうでしょう。

歳をとったら、味覚も保守的になるのかなあ、という気もしますね。

だから、若い頃から食べ慣れたものしか食べたくない、変てこりんなものは食べたくないと。

私の父なんか、まだ50代くらいの頃から、私が夕ごはんを作るというと、「変なのじゃなくて、普通のにしてくれよ」なんて言ってましたけどね。

変なのっていうのは、当時私が凝っていた、インドネシアとかシンガポールとかで食べた辛い料理のこと。笑。失礼ですよね、ちょっと馴染みがない料理っていうことですよね。 

いろんな国の移民がいろんな食べ物を提供してくれている街に住んでいるので、いろんなエスニックの料理を食べることができて、食べ慣れていなくて「変なもの」と言いたくなるようなものはあまりないような、、、父の世代と比べると、結構恵まれているような気がします。

和食と同じくらいに食べ慣れていてホッとする食べ物もありますから、年老いて自分で料理できなくなった時には、和食を食べさせてもらえるチャンスってかなり低いかなあと思うので、そうなった時にもガックリ来ないように、、、。

でも、和食じゃなくてもいいから、年老いた時に食べるものは美味しいものがいいなあ。無理かなあ。。。。。

 

ま、先のことはどうなるかわかりませんので、せいぜい毎日食べられるものを楽しんでありがたくいただいて生きて参りましょう。

 


ヴィーガン ブログランキングへ