食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

まだ毛皮の縁取り付きのコート着てるの?

このところ朝晩が冷えるようになり、徐々に本物の冬のコートを着ている人が増えた我が街です。

当地の冬は下手な薄着していると大変なことになりますから、冬のコートは本当にきっちり断熱してくれて暖かいものが欲しいもの。

 

そうすると、やっぱり登場するのが、ダウンジャケットとか、毛皮です。

 

毛皮は、お金持ちのマダムみたいな、もしくはルイ十四世の肖像画みたいなあんなのとか、ああ言う大げさなものを身につけている人はそれほど見かけませんけれど(でも見かけることもあります)昨今ものすごく急増しているのが、化学繊維で防寒素材でバッチリなジャケットもしくはダウンのコートに、フードや襟周りにだけ毛皮がヒラヒラと飾りのようについているやつ。

まあ、フードを被ったときに毛皮が顔の周りをちょっとカバーしてくれたら、吹き付ける雪が顔にもろにかからなくていいのかもしれません。

 

でも、あれ、毛皮ですよ?

 

毛皮って、もう20年以上前からあまりにも露骨に動物虐待だからとあらゆるファッションデザイナーやメーカーがこぞって使うのを辞めたんじゃなかったんでしたっけ?

 

あれは私の思い違い?

 

もちろん、ふさふさの毛皮以外にも、革のコートだって、羽毛が入ってるダウンジャケットだって動物の命を奪うことには変わりはないんですけれど、なんと言うか、毛皮って、もろに「死んだ動物の皮」で、死んだ動物の生前のお姿を彷彿とさせるじゃないですか。

それが顔の周りや首の周りにくるりとあるのって、私はちょっと気持ち悪いと感じます。

 

古着屋さんなどで、昔の毛皮の帽子とか毛皮のコートとかが売られてるのを目にして「ああ昔はこう言うのアリだったんだもんなあ」と思いつつも、でも触る気持ちにはどうしてもなれません。

科学博物館などによくあるような「この地方の野生動物」のコーナーに陳列してある剥製のシカや熊などを触りたくないのと同じ感覚です。

 

でも最近は、新品の、しかも割と安価なコートのフードの縁取りにふんだんに使われているようです。

そして、買う人は、「え?これ本物じゃないでしょ?だって安物なのよ」なんて言っています。私の職場によく来る「動物が可哀想だからヴェジタリアンになった」女性がそう言っていました。

 

そうなんでしょうか?

こんなに本物の動物の毛皮そっくりの偽物を作る技術が最近は発達してるんでしょうか?

 

いやー、そうじゃないでしょ、これは本物でしょ、、とやっぱりどう見ても本物に見えまする。(いかにもフェイク・ファーな縁取りのついたフードももちろん見かけます)

動物を殺したくないと言う彼女にそう言ってしまうのもアレなのでそれ以上は言いませんでしたけれど。買ってしまったものにケチをつけたってどうしようもないですし。

 

毛皮の縁取り付きのコートを買おうと手にしたことがないのでわからないですけど、コートの裏地のところについてる素材表示のタグにはどう書いてあるんでしょう、「表地、ポリエステル*% 縁取り、毛皮100%、とか書いてあるのか、はたまた「フェイク・ファー100%」なのか。

 

ファッション業界の裏とか、繊維業界の技術の話とか、詳しくないのでわかりませんけれど、動物愛護運動に熱心な知り合い曰く、ああ言う縁取り的な毛皮は、中国で捕獲された犬の毛皮なんだと。

中国じゃなくてもどこかの国であまり人が気にしていないうちに動物たちが捕獲され、毛皮が剥ぎ取られ、ファースト・ファッションのメーカーに安く買い取られ、そこらへんの洋服屋で安く売られると言うことなんでしょうか。

 

 

きっと私の職場にいた女性のような消費者は多いと思うのです。

こんな値段なんだから、まさか本物の毛皮じゃあるまい。毛皮って高級品なはず、と。

最近は洋服もやたらと安く売られてます。

縫製、生産をする発展途上国の工場で働く人たちの賃金がろくに支払われていないと言う問題は昔から指摘されていますが、何かを作り上げるために要する素材のコスト、労働する人間への報酬、輸送などのコスト、それらを考えると、あんなに安い製品が出回るのっておかしい。

 

日本の街ではどうなんでしょう。毛皮の縁取り、よく見かけますか?

我が街ではよく見かけるようになって何年か経ちますけれど、ファッションにありがちな「そんな去年までの流行りのものは今どき着ないのよ」「まだ毛皮の縁取り付きのコート着てるの?」などと廃れていかないものかなと毎年思います。

だって、ファッションの変化って本当に気まぐれで、現実的な理由なんか関係ないですからね。

 

 

ちなみに、ダウンジャケットに関しては、実際にものすごく暖かいですから、見た目での流行とは別に、実用性としてこれなしでは冬が越せないと感じている人たちや土地柄もあると思います。

 

私は現在はダウンジャケットは着用しませんけれど、やっぱり軽くて暖かいですから、冬の気温がマイナス30度を下回るような土地にいると、あの機能性に勝るものはないと思うのは理解できます。

この土地のネイティヴの人たちの伝統的な衣服が毛皮なのだって、彼らの生活様式の中で自然に、理にかなっていると思います。

それはファッションではないし、大量生産大量消費でもない。

動物を犠牲にしていると言う点は変わりないですけれど、自分が凍死するかどうかと言う状況で、必要最小限の必要悪だったのだろうと思います。

 

現代に時計を進めますと、私が住んでいる場所で、私の生活様式なら、ダウンジャケットでなくても、防寒技術の進歩のおかげでヴィーガンなジャケットでなんとかなります。

でも同じ町に住んでいても、通勤するのにバス停でバスを待っている人たちや屋外での仕事についている人たちは、やっぱり少しでも暖かい格好で過ごしたいだろうと思います。

 

バス停にいても、真冬でもミニスカートで足を出している若い学生なんかもいますから、人それぞれではありますけれど。笑

 

技術の発達した現代、実用性の面ではヴィーガンな冬のコートを選ぶことはそれほど難しくない(はず)ですけれど、気まぐれな購買欲に訴えかけるファッションというもののせいで、必要でもないヒラヒラな縁取りのために命を奪われる動物たちは哀れです。

 

 

 


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