食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

病人の減塩食と現実

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今回の急な帰国の理由は、急性心筋梗塞で緊急処置をうけ入院した父の様子を見る為でした。

遠方に住んで居るので、こういう状況を一番恐れていたのですが、お蔭様で父は順調に回復し、退院に至りました。

 

知らせをうけたのが義母の葬儀の翌日のことでしたので、ちょっと頭が真っ白になりましたけども。笑

 

人はいずれ死ぬものですから、老いも病も向き合って生きて行くだけなのでしょうけれど、やはり心の準備は出来て居りませんでした。

これからも準備できるかどうかわかりませんが。

 

しかし、父が無事回復してくれて、退院するにあたり、やっぱり現実の生活にとってもっと身近でもっと日常につきつけられることがありました。

 

それは、食事。

 

普段から父は歳のわりには大食いで、ご飯を美味しく食べて元気が良い人なのです。

心筋梗塞になったということは、コレステロールの多い塩分の多い食事をしていたのではないか、と思いますけれど、実際はそれほどでもなく、毎年の健康診断でも、血中のコレステロール値はいつも正常値だったのです。

 

今回の件で、医師にその不思議を問いましたら、血中のコレステロール値は血中のコレステロール値であって、血管に付着しているプラークの値ではないのだとか。

そして、そういうプラークは長年かかって蓄積されるものなのだとか。

だから、老人になるほどリスクが高まるわけですね。

 

入院中の父は、毎日塩分が一日分合計で6グラムになる「減塩食」で、最初は味がしなくて美味しくなかったとか。

 

栄養士が栄養価や塩分を管理した食事は、一日1600カロリーで、塩分6グラム。

入院中の父は、ちょっと食事がおおくて食べ切れない、と云うような事を言っていましたし、最近では「これちょっと味が濃い様な気がする」と感じることもあったというので、減塩にも慣れたんでしょう。

 

そして嬉しい退院の日を迎え、母の希望で30分ほどの栄養指導というのを栄養士から受けました。

 

栄養士さんは分り易くゆっくりとプリントされた資料とともにあらゆる食品に含まれる塩分量などについて説明くださいました。

我が両親の食生活のパターンも細かく確認され、余り外食をしない両親には外食についての注意事項の説明などはせず、彼らが良く食べる食品について質問してくださったりして、父の今後の日常に沿った指導をしようとしてくださるのがわかり、大変安心したのです。

が、ちょっと困った事がありましたよ。

 

退院して最初の食事はお昼ごはんだったのですけれど、父の大好物は麺類、最近では冷麦とかそうめん。

 

これが、冷麦とそうめんで違いがあるのかどうかはわかりませんが、白米とはちがって、塩分が含まれます。

栄養士さんに頂いたプリントには、「そうめん一把(40グラム)塩分1.5g」とあります。

父の食事は今後もずっと、一日6グラムで行ってくださいと指導を受けましたので、一食2g程度です。

そうめん40グラムですでに1.5gなら、つゆとか他の食品に含まれる塩分を考えると40グラム以上を茹でてしまうと塩分を摂り過ぎてしまうでしょう。

でもね、そうめんとかひやむぎ、お蕎麦などって、一食分一把、たいがいの物が100gの束になっていませんか?

普通はこれを一束で一人分、もしくは若者や運動をする人などはもうちょっと食べる感じですよね?

父は多分以前はこれを二把くらい食べていたと思います。

それがいきなり一把の半分以下ですからね、ちょっときつい。

 

栄養士さんは両親の話を聞いては「普段おうちでご飯をたべているんですね、なら大丈夫ですよ。」「あんまり**を食べないんですね、じゃあ心配いりませんよ。」を連呼していらっしゃいました。

そのせいと言ってはいけないのでしょうが、両親も私も、なーんだ、大丈夫そうだわ、と安心したと言うかナメてかかっていたというか。

 

それがこの、素麺一把でひっくり返りましたよ。

 

 

何も、がちがちに6グラムに抑え込んで味気のない物ばかり食べさせればいいとも思いません。

でも、一把100gで一人分であろうそうめんの塩分を、なぜあえて40グラムで表示してあたかも「これならそうめんをたまに食べても平気」なような体裁にしてあるんでしょうか。

 

久し振りの我が家で、楽しみにしていた久し振りのそうめん(しかし量は40g)を目にした父は、大変怒りまして、(そりゃそうだ)6グラムなんてそんなのどうでもいいんだよ、と。

 

この時の発言は勢い余って、、、だと思いますけれど、本人が減塩を投げやってしまったらどうにもなりませんし、退院後初のシャバのメシ、楽しみにしていたのですからこれは可哀想ですよね。

 

じゃあこれ(40グラム)をもう一皿食べたらいいよ、と合計80gほどのそうめんを食べてもらいました。(じゃあ夕飯は塩分ゼロだよ、と言いながら。笑)

 

やっぱりね、命は大事ですけど、ただ延命だけのために耐え忍ぶというのも、意味があるとは思えません。

 

とはいえ、心臓に負担をかけないように、血圧を上げないようにするには、日頃からの食事は大事ですから、「無理のない範囲」で減塩は心がけてもらいたい、、、。

 

でも、無理のない範囲ってさじ加減が案外難しい。

 

塩の塊のような漬物や梅干しのようなもの、たらこや干し魚などを控えればいいのかと思っていたら、乾麺の塩分でつまずくとは、、、。

 

しかもこの後でググって見つけたいくつかのブログでは、乾麺の塩分は茹でたら大幅に減るとあるんですよね。

要するに茹でてるお水の中に出て行くと。

そのあと流水でもんで締めるので、さらに塩分はでていくと。

ただ、茹でる水の量や茹で時間、もともとその乾麺自体に含まれていた塩分量(メーカー別や商品別に異なる)などという条件によって最終的な塩分量は変わってくるので、茹でた後の塩分量は一把分で何グラム、と一言でいいきれないとか。

 

no-shukketsu.com

 

 

いちいち食べる前に塩分量を測るなんて出来ませんので、大まかな値で十分ですけれど、メーカーが製品の成分表示に水*リットルで茹でた場合の一把に含まれる塩分を表示してくれたらどんなにいいか。

 

それにしても、病院の栄養士さんも、乾麺の塩分量の表示、なぜ食べる際の塩分量ではないものを、しかも一般的に食べられる分量以下を基準に表示してくださってるんでしょうか。

それともひょっとして我が家が大食い一家なだけで、世間では皆さん一食当たり40gで満足なんでしょうか。

 

個人的に栄養相談ができるチャンス自体稀ですし、今思えばあのミーティングは無駄に終わってしまったと痛感します。

 

なんだか先が思いやられる、、、。


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