その昔、なぜだかイラン(の多分テヘラン)〜東京間には直通便があったそうです。
JALなのかな、どこの航空会社だったのかな、それは知りませんが。
そういうわけで、一時期の東京にはイラン人がたくさんいらっしゃいましたよ。
個人的には知り合いになった方はいませんでしたが、当時、東京に住んていた外国人が、滞在許可の延長をするんで、お役所に列を作っていたけれど、日本政府はあんまり外国人を両手を広げて歓迎するタイプではないので、結局待たされ損でむしゃくしゃして帰る、、という状況の人が多かったような。
そんな列に並んでいた人々を、何かのテレビ番組のカメラが映し出し、「日本をどう思いますか?」と質問していました。
状況的にも、「いやあ、日本人はみんな親切で、、」なんて言葉が出そうにない場面でしたが、やっぱり、来た当時は希望に胸膨らませ、日本はすごいな、なんて驚いたりしてはいたものの、何かと差別待遇を受けたり、思うように仕事が見つからなかったり(多分不法滞在でしょうから、そこらへんは日本は難しそうですしね。アパート一つ見つけるにしても外国人だとかなり大変でしょうし。)
そういうわけで、インタビューされた男性が「日本?、、、、今は、大嫌い」って吐き捨てるように発言されたのを見たのが印象に残ってます。
来る前はいいことばかり聞いていて、来て見たら、嫌なことばかり経験して、もう、この国は嫌いだ、と思って去っていく人、、、
そういう人はどこの国にもいるでしょうし、どこの出身の人にでもありうることですけれども、なんだかその方の、流暢な日本語と、吐き捨てるような「大嫌い」が忘れられない、、。
違法でもなんでも、外国から来た人たちが困っているのをそのままにするのは政府としては賢い選択ではありませんけれど、外国人に慣れてない日本政府ですからね、何もしてあげなかったんでしょうね。
時は流れて、現在、仕事で関わりのある人たちの中に、イラン出身の方が数名。
それまでにもイラン出身の方と親しくさせていただいたことはあるのですが、なんだか皆さんやっぱり一様に日本に好意をお持ちです。
おしんがすごく人気なんだよ〜、とか。笑 (これ、20年以上前から言われ続けてるんですけど、今でも?再々再・・・放送?)
私はおしんの世代じゃないから、大根飯とか食べたことないから、と言いますけど。
いや、そもそも見たことないですし。
イランの生活風景の写真集をお持ちのイラン出身の方に「ほら見て、イランはこういうのところだよ」と写真を見せてもらっていたら「あら、何これ、これ、イランの家庭内にあるんですか?」
その写真には、居間に集う家族数人が、こたつに当たって歓談している様子が!
そうなんだ、イランにもこたつ、あるんだ〜〜〜、と。
現代になって、イランに出稼ぎに来た方が日本でコタツを見て「これはいい」と持ち帰った、、、とも考えられますけど、全く別々の土地にいながらにして、同じような局部的暖房設備を発明した人が彼の地にも、、、、と思う方が私としてはなんとも楽しい、、。
そんなわけで、イランの政情や西洋諸国との関係が安定してくれて、訪問しても安心な時代が来たら、ぜひ訪問して見たい国なのです、イラン。
知人に聞いたイランの食べ物も、派手さはないものの、興味津々。
デーツを入れるオムレツとか(卵は食べないので、試すことはありえませんけど)
イランといえば、アッバス・キアロスタミ監督の映画ですが、ああいうの見ても、ああ、なんだか懐かしさを感じるわ、、と。笑
そんなわけで、イランのレシピ本を図書館で借りました。
この本が出版されるという知らせを読んで、買おうかなと思っていたんですが、肉料理や卵料理も結構あるだろうなあと思ったので、買うのはちょっと待っていて、その前に図書館で借りて見て、良さそうなら、、、とせこい根性で。笑
レシピの本は集めちゃうときりがないので、多分これは買わないだろうなあと思います。
図書館が一冊持ってて、いろんな人がその本を楽しむというのが結局は環境にもいいですしね。著者としては儲からないでしょうけど。(じゃんじゃん買う人もたくさんいるだろうから、図書館が買うくらいへでもないかな。)
著者のYasmin Khanさんは、今後はもっともっとヴェジの方向でレシピを開発していきたい、とおっしゃっているようですので、今後にも期待しますが、この本に関しては、彼女の故郷の空気や味、思い出などを盛り込んでいるようで、それなら肉や魚を無視するわけにはいきませんよね。
この本の中から、今夜は三品作ってみました。
お休みの日なので張り切って、新たなレシピ3つに挑戦。
左から時計回りに、残り物(イランとは無関係)のレンティル・ローフ、豆のディップ、レンティルとバスマティを炊いたもの、ババガヌーシュぽいけどやっぱりイラン風なナスのディップ。
レシピを参考にしつつ、家にある材料で代用し足りないものは割愛したり。
イランのスパイスで、ググっても普通のところで普通には手に入らないようなものもありましたので、こういうのは地味に探して、見つかるご縁を求めつつ、ないままで作っておきます。
ポメグラネトモラセスとか、甘酸っぱいなんともいえない味わいがおかずに入るのが楽しく、クミンなどスパイス類をトーストして風味を出してゴリゴリとやるのも、料理していて楽しいひと時。
スパイス類はついつい面倒な気がして、粉末になったやつをパパッと入れてしまいがちですが、タネ状のをトーストしてすりおろすと、トーストしているところから豊かな風味が立ち込め、スリスリとすりおろす段階でも香りに包まれて幸せになれます。
実際、これを食べる人より作ってる私の方が幸せな時間が長くて、ずるいくらいですよ。笑
外国人としては「ペルシャ」っていう方が伝統的な固有名称なのかなと思いますが、意外にも「イラン」という名称の方が彼らにとっては誇りを感じる国名なんですって。