今年もEnvironmental Working Group のDirty Dozenが発表されたようです。
今見たら、Dirty Dozenがトレードマークされてますね。それもちょっと笑える。
Drity Dozenって普通の言い回しだから、誰でも使えると思うんですが、トレードマークがついてるってことは公の場で使うと使用料が発生するんでしたっけ?
ウィンドウズと同じですよね、「窓」の複数形なだけなのにトレードマークだから他の人は自由にその言葉を商売などで使えない、、、。
おかしな世の中ですね。
それはさておき、Dirty Dozen、これは毎年Environmental Working Groupという団体が発表する、野菜の残留農薬の量を調べた結果の最悪の12種類と、残留農薬がそれほどでてこないので、無農薬を探さなくても普通に売られているものでも問題のなさそうな優秀な15種類のリストです。
うちはすべての野菜を無農薬でというわけにはいかないので、なるべく無農薬を探すという時に参考にしています。
とは言えこのグループ、アメリカを拠点としてますので、アメリカ以外の国の農業は若干違うでしょうから、あくまでも参考にするというだけなのですが、、。
でもカナダにはアメリカ産の野菜やフルーツはたくさん入って来ますからね、やっぱり無視はできないかなと。
毎年にたような野菜やフルーツがリストに載っていますので、近年はあんまりしっかり見てなかったんですが、今年のリストを見ると、毎年輝ける一位だったりんごが残留農薬の王座から蹴落とされてて、イチゴが一位になってますね。
でもあとは大体同じかな、、、セロリも順位が下がってますし。
あとは、以前は「輸入物のぶどう」がリストに入っていたのが「ぶどう」になっています。
アメリカは農業がかなり狂ってるので、ヨーロッパから来た人たちなんかが「何を買えばいいのかわからない、怖すぎる」というのですが、カナダや日本に住んでいるからアメリカよりはマシよね、とは思いますが、残留農薬について調べて発表するグループなど不在だし、農薬を製造する企業は多国籍企業ですからね、どこの国にもしっかり販売してますから、アメリカに住んでないからと油断は禁物。
日本に帰国した時に親の家の近所のハードウェアストアでラウンドアップというモンサントの悪名高き除草剤が大安売りされてましたからね。
あれ買って家の畑に使ってるご家庭が結構あるんだろうか、、、、と思うとちょっとゾッとしました。
無農薬とオーガニック
さてここまで私は「無農薬」と書いていますが、これは=オーガニックではないと私は思っています。
日本語でオーガニックは「有機農法」と言われていますよね。
その訳語、まさに正しいと思うのですが、この言葉だと「無農薬」ならちょっと高いお金を出して買う人たちもピンと来にくいのかな、とも思います。
オーガニック、有機農法という運動が広まったのは今からうん10年前、、何十年前なんだろうと調べて見たら、1900年代くらいまでさかのぼるようです。
第一次世界大戦の頃、爆弾の開発過程で製造されたアンモニアの一種がのちに肥料に使われるようになったのが化学肥料が使われるようになったきっかけだとか何だとか。
オーガニック農法の思想が広まったのは、農薬が体に害があるから怖い、というよりも、土のエネルギーというか健康状態というか、持続可能な農業を追求するというもので、世界中のあちこちで農業に従事する人たちの間に広まっていったムーブメント。
70年代くらいから「この農法はオーガニック農法で、この野菜はオーガニック農法で作られたもの」という認定をするのが始まり、政府による認定基準などが確立して現在に至るわけですが、毎日食品を買いに走る私たちにとっては、オーガニック=無農薬という感覚だけが先行して定着しているのが現在の実情ですよね。
それってやっぱり50年代くらいから加速した科学技術の発達とそれを実用化した人工的な薬品を製品化して利益を得る企業の市場拡大(=人工的薬品の普及)に伴う公害や公害病などという、人体への恐ろしい影響が知られたこと、そういう状況を背景に「人工的化学薬品は恐ろしい、避けたい」という強い願いがあるせいですよね。
その願いそのものは当然ですし、何十年も人工的な化学薬品のもたらす恐ろしい害が知られているのに未だにそれらが使用されている現状って何だろうと思います。
でも、オーガニック・ムーブメントってそれだけじゃない。
土の力を大事にするだけではなくて、農業に関わる全ての物、者、を搾取しない、農業の枠組みに関わる全ての人々が継続的にポジティブに関わっていけるようなあり方を追求する、という部分も忘れてはいけないと思います。
オーガニック農法の定義、日本語訳を見つけました。↓
具体的に何かと言えば、例えばコーヒーとかバナナとか砂糖とか、中南米やアフリカなどの発展途上国で収穫されることの多い農産物なら、フェアトレードかどうかとか、遠路はるばる輸送してこなければ手に入れられない農産物は、その輸送にかかるエネルギーや排出される温室ガスを考慮して、地元産の物で換えられるならそちらを選ぶべきだとか、そういうことです。
そういうことを全てひっくるめて考えると、北米の私が南米から輸送してもらって無農薬の野菜やフルーツを食べるというのは、オーガニックではありません。
カリフォルニアの農家が無農薬で作ったレタスをプラスティックの容器に入れたのをカナダまで輸送してきてウォル*ートなどで割安に売られているのを買うのは、全然オーガニックではありませんし、九州の農家で無農薬で作られた野菜を東京の方が宅配便でお取り寄せするのも、オーガニック・ムーブメントとは相入れない行為です。
無農薬で美味しいでしょうけどね。
地元でも美味しく無農薬でいろんな野菜を生産してくれたらそれを買いますけれど、北米の寒い土地に住んでいるので、そういう地元産の野菜が買える時期はとても短いのです。
Dirty Dozenを参考にしつつ、なるべく地元産を買って地元の農家をサポートし、なるべくプラスティックの容器などに入っていないものを食べて、自分も地球も健康でありたいもの、、、。
なかなか難しいですけれど。