うちは外食あんまりしませんが、これは先日行った南インド食堂のタリ・プレート。これで7ドルちょっと。お腹いっぱいになります。これにサモサとかオニオンバジとかスープとか注文したら、食べきれません。
ケベック州選挙
迫ってます。
連邦政府の選挙にはない緊迫感とやるせなさを感じます。
ご存知の方も多いと思いますが、ケベック州はカナダ連邦から分離独立したい、と思ってるケベコワ住人が多数います。
そうは思っていないケベコワもいますし、経済的な混乱やなんやかんやを想像すれば、分離独立してなんの得があるのよ、と思っている人たちも大勢います。
ただ、独立という夢はケベコワの深層心理に根深く根付いているのか、州政治に関わる政党の、フランス語系の政党は「独立問題を前向きに考えている(政権を握ったら早いうちに独立分離の住民投票を実施したい)」と言い出す政党ばかり。
「分離独立は政権を握ってすぐに取り組むアジェンダではない」と言っていても、落ち着いたらやるんでしょ、とかね。
英語系住民は、分離独立されたら英語話者の権利を奪われたり、言語政策で不便や不都合を押し付けられるだろうから、そういう政党を嫌う傾向にあります。
英語のカレッジに行ってる学生は、最終学期を田舎のフランス語カレッジへ編入してフランス語能力を伸ばす制度を導入する、とか言い出す政党もあったりします。
という次第で、州選挙のたびに、ケベック住民の生活に関わる諸問題を解決、改善するための政策をしっかり考慮する必要があるのに、住民は「政策の大体は支持したいけれど、でもこの政党は分離独立派だから投票しないわ」「この政党はムカつくけど、唯一の連邦派だから、ここに投票するしかないわ」と、そういう風に政治の根本問題がおざなりになってしまうというか、分離独立問題だけが決め手になってしまうために、政策がおざなりになるというか、いつまでも同じような問題を抱えたままで変化のない淀んだ政治というか。
連邦政府の選挙ではリベラル党と保守党が二大勢力ですが、州レベルの政治では、州リベラル党とケベコワ党が二大勢力。プラス新しめな左派で分離独立派な政党と、ケベコワナショナリストで経済右派な政党、州政府の政治では存在感の少ない保守党やグリーンなどなど。
現在はリベラル党が政権を握っておりますが、現政権に関しての怒りや不満は大きく、今度の選挙ではリベラル、ダメダメ、と予想されて始まった総選挙。
そんな中、リベラル党の党首であり州知事であるフィリップ・クイアー氏が、メディアのレポーターの質問に下手な答えをしたとかで、ちょっと波紋が広がっています。
その質問とは
「一週間の食費、75ドルでシングル・ペアレントとティーネイジャー二人という構成の家族を養うことができると思いますか?」
彼の答えは、可能です、と。
その後、日を改めて別のジャーナリストからの質問に答えて「チラシをよくみて、売り出しになってるものだけを買って、肉やバラエティに欠ける食生活になるだろうけれど、でも可能でしょう」と言ったとか。
クイヤー氏、毎日の食事を作るはおろか、買い物に行くことすらない生活をしてるんでしょうから、最初にその質問をされた時に、正直に自分には答えられない、と言うべきでしたね。
私はティーネイジャー二人にご飯を食べさせると言うことをしたことがないので、実感はないのですが、そんな質問されたら「不可能じゃないかもしれないけどまず無理でしょう」と答えると思います。
だって、週に75ドルって、一日10ドルちょっとですよ。
10ドルで食べ盛りの子供二人が満足するものをおなかいっぱい食べさせることができるか、、、一日の予算10ドルですからね、三食ですからね、、、、無理でしょ。
肉が値上がりして大変らしい
庶民ですがヴィーガンな私は、肉の値段が最近高くなってて大変だ、とは聞いてますけれど、実際どれくらい大変なのかは実感がないんです。
知り合いに聞いてみたら、本当に最近は値上がりがすごいって。
世界的に牛肉の需要が増えているので、カナダやアメリカの肉食牛の生産者は輸出をして稼いでるんですって。
そのため、国内への供給は減り、値段が上がると。
だから、食品業者は儲かってるんですね。
そして納得しましたよ、ああ、だからA&Wみたいな肉食チェーンがヴェジ・バーガーの開発をしたりしてるんですね。
肉の値段が高いからとヴェジに流れてくる人がいるかもってことなのでしょうけれど、ヴェジバーガーでも美味しければそこで落ち着くお客もいるでしょうからね。
でもでも、家でご飯を作る場合、好きでヴィーガンだヴェジだ言ってる本人はいいですけれど、自分はそのつもりもない食べ盛りのティーネイジャーにビーンバーガーとかケール・チップスとかあげたってそれだけじゃ満足しないでしょう。
ティーネイジャーでも自分からヴィーガンになった子もいますけれど、自分で決めてそれを貫くのと、食費が足らないから肉が食卓に上がらないのとでは別です。
食べ物の恨みは、、って言いますけれど、生活する上で、食べるものを揃えるだけでお金がなくなってしまう、、ってシングルペアレントの方とか、ワーキングプアにとっては切羽詰まった事情です。
75ドルでいけるでしょ、肉は無理かもしれないけど、、なんて発言、神経逆撫でも良いところです。
クイヤー氏に限ったことではないと思いますが、政治家諸君は庶民の生活の実態からそんなにかけ離れた生活をしないで、自分の仕事をする上で、この州に住んでいる人たちが食べて行くだけのためにどれくらいお金が必要なのか、それを稼ぐのがどれくらい大変なのか、謙虚に学びなおしてくれ給え、と言いたいですね。
うちは夫婦二人で週に一度の買い出しは安い時は30ドルくらい、多い時は60ドルくらいですから、ここにティーネイジャー二人の食欲を足したら75ドルは厳しいの、明らかです。