今年の冬は例年よりも早足でやってきまして、現在雪に埋もれたモントリオールです。
でも週末にちょっと気温が上がって、この雪、溶けてなくなるかな〜、どうかな〜、と言うところ。
雪が降るとみんな「ああ〜、冬が来る〜ああ〜」と嫌がりますが、気温が上がってビチョビチョになって溶けて消えてしまうのでなく、そのまま残ってくれてスキーできるんだったら私はその方が嬉しいです。
デッキにはしまい忘れたサンダルが雪の下に埋もれて凍りついてるので、ひょっとして気温が上がって溶け始めたらさっさとしまわねば。
(ここまでは三日ほど前に書いたのですが、週末の現在、雪は溶けきりませんでしたが凍り付いていたサンダルは無事救助しました。笑)
週末は買い出しです。
写真はジャガイモです。ここに積んであるのは、一袋10パウンド入りのもの。
右側の赤っぽい袋のものはケベック産の皮が赤いジャガイモで、左側には二種類の袋が混ざってますが、PEI産だったかな。
ケベックのを買って地元を応援しなきゃと思ったら、何気に50セント割高。
でもまあ、10パウンドで50セントの違いなら大差ないですけどね。
でもいつも思うのですよ、ケベックで生産してるジャガイモを芋の種類だけにせよいろいろ取り揃えたら、よその州、ましてやよその国のジャガイモなんか並べる場所はありえないのでは?
でも必ずありますよ、PEIとかアイダホから輸送されてきた芋。
で、PEIのスーパーでも見たことあるんですよね、アイダホの芋。ケベックのは知りませんけど。
どうして産地なのによその産地のものを仕入れるのでしょうか。
それってキリスト教ミッショナリーが布教しにバチカンに乗り込むようなものでは?
こちらにも数種類が混在してますが。
だいたいの値段は似たようなものなので、あんまり気にしてないんでしょうね。
10パウンドの袋のコーナーのすぐ横にはバラ売りやもうちょっとお上品な容量の袋詰めも並んでいます。
カナダは人種のモザイク
人種のるつぼ、と言う言葉がありますが、正直、私はこの「るつぼ」ってなんなのかよくわかっておりません。
でも英語でいうと、melting potですから、なんとなく、大きな鍋にいろいろ入っててそれが溶け合っている、と言うそう言うことなのね、とぼんやり理解しております。
melting potなのはアメリカですが、カナダはモザイクなんです。
どう言うことかといえば、人種がたくさん集まっていて、社会に多様性がある状態を維持し、多様な人種と文化を「カナダ文化」に同化することを目指していない、多様なものは多様なままで、まさにモザイクのようにいろんな色や形をそのまま残して共存しましょう、と言うのがカナダの多人種・多民族国家のポリシーなのです。
とはいえこう言う多民族主義政策がはっきり確立したのは現首相ジャスティンの父親だったピエール・エリオット・トゥルードウが首相だった1968年から84年までの間のこと。
それ以前、夫の両親がオランダから移民してきた頃はやっぱり「カナダにきたらカナダ人に溶け込まなきゃ」と言う風潮だったようで、夫の兄弟姉妹たちはみんな、オランダ語を教わることもなく、カナダ人として育ったそうです。
今とは大違いですね。
日本の子供達が外国で「補習校」に通って土曜日だけ日本の教科書で勉強するのと同様、中国の子供達もあちこちの学校や大学の校舎で週末だけの中国の学校に通っていますし、イタリア系の知人に聞いたらイタリア系もそういう学校があったとか、もしくは、週末じゃなくて平日に現地のカリキュラムと出身国のを両立したような学校もあるようです。
どの国の人たちも、自分たちと母国との繋がりを保ちたい、カナダ人だけど、**人であることも子供達に忘れないでいてほしい、と言う気持ちを大事にしています。
私の個人的な感想ですけれども、同国人を見つけると「おお、君も**人だね!ぼくもさ!」と盛り上がる人にはイタリア系とギリシア系、そして中国系が多いかなと。
私自身はこの土地で日本人のかたと遭遇することって、まずありませんが、何度中国の方に「あなた中国人?」と聞かれてガッカリされた事か。(私が中国人的だと言うよりは、中国人が多いから、君もそうでしょ、と思われるんだと思います。)
中国人じゃない方に「君中国人でしょ」的勘違いをされて、それを正すとものすごく恐縮されたり、「僕は普段かなりの高確率でアジア人の出身国を当てるんだけどなあ、君は日本人だとは思わなかったなあ」と言われたりします。
私はアジア人がどこの国の人かとか、一切推測しません。
なぜそれを推測しなきゃいけないんでしょうか、って言います。
私はヨーロッパ人を見て、例えばドイツ人、オランダ人、もしくはデンマーク人でしょ、とか、一切分かりませんけれど、わからなきゃいけないとも思っていません。(ドイツとかオランダに住んでて、自分は見分けられるよ、っていう方もおいででしょうが、それはどうでもいいんですこの場合。笑)
大げさな反応かなとも思いますが、「あの人は**人だよきっと」などと言ってその人の出自を推測するのって、ナチスドイツの頃のユダヤ人狩りに通じるものがあるような気がして、気持ち悪いのです。
日常生活をする上では、街行く人たちは個人的な差はあるにせよ、みんな自分とは別の国や文化の出身者やその子供達と共存していることを受け入れていると言うか、「外国人」って言う表現を聞くことはほぼありません。
国境の南の45代目大統領が就任して以来、それでもやっぱり田舎(都市に比べて住民の文化背景の多様性にかけるから)に住む人たちや保守的な人たちの間で、排他的な発言が増えているような印象はあります。
それでもカナダにいると、異文化や個人の価値観をお互いに受け入れて尊重し合うコミュニティを作りましょう、って言う 意志を感じるような気がします。
寒くて暗い冬以外は本当に良いところなんですよ〜。笑 や、冬もスキーなど楽しめば良いので、そんなに悪くないですし。