日曜日は近所に散歩に行くことが多いです。
冬ならばスキー履いて散歩、いわゆるクロスカントリー・スキーしにいきますが、まだそんないい雪がないメトロポリタン・モントリオール地区に住んでますので、今日も散歩。
スキー好きな友人達はこぞってここから車で小一時間北へ行ったあたりで滑ってますが、私も夫も、車に長時間乗っているのが嫌なのです。
せっかく運動するのに、その前に1時間、その後でさらにもう1時間、しかも日曜の夕方なんかだと、北のスキーできるエリアから市内近郊へ帰宅する人たちで渋滞するので、もうちょっと長くなりかねません。
運動した後に運転して渋滞に引っかかる、、、って想像しただけで疲れ果てます。笑
というわけで、いつもの、川沿いの森&公園へ。
川はまだ凍り付いてはおらず、流れのある部分はちゃんと流れておりましたが、浅い部分や流れの淀んでる入江みたいな部分はしっかり凍っていました。
橋を渡ってモントリオール市を出てお隣のラヴァル(Laval)市へ。
モントリオールもラヴァルも、セントローレンス川の中洲というか、島というか、なので橋を渡ります。
車で通勤したりスキーしに田舎方面へ出かけると、必ずどこかの橋を渡らなければならないので、渋滞が大変。
ラヴァルはモントリオールへの通勤圏にあるちょうどいい郊外という感じで、同僚や知り合いがたくさんお住まいです。
モントリオールに住んでいる我が家からも近いのです。
でもあえてここに遊びにきたいと思うような文化がある町ではなくて、所詮はサバービア。
公園内の散歩道を歩いていると、ラヴァル市の健康志向?が垣間見得ます。
車通勤してて運動不足な市民に、「週末だけでも、こんなの如何?」と提案しているのか。
この看板には公園内の一部分の散歩道に点在している器具を使って、(持参の)ラバーバンドを利用してアッパーボディの筋肉も鍛えちゃえるよ、という、ワークアウトの説明が書いてあります。あ、下の図はスクワットだから、ロウワーボディですけれど。
看板見てて「あ、push-up だって、なにこの看板だけバイリンガルなの?」と英語文を探しましたが見つからず。
多分push-upはフランス語話者も普通に使う用語になっているということなのでしょう。
現在うちの近所からほど近いあたりのラヴァル市民には英語話者(アングロフォン)や非英語圏・非フランス語圏からの移民(アロフォン)が比較的多く住んでいるのですが、やはり公式言語はフランス語で、20〜25年前あたりはラヴァルで英語喋ってると「何者?」という感じで振り向かれたり。
公的機関で働いてる友人曰く、彼女のクライアントはみんなアングロフォンで、クライアントのケアに必要なサービスを英語で提供する機関が圧倒的に不足しているラヴァル地区、しょうがなしにモントリオールまで通ってる人も多いそうです。
そういえばうちの職場にくる人たちにもラヴァルに住んでる人が結構います。
この看板設置後、これを参考に家からラバーバンド持参でこれらのエクササイズをやっている方が果たして存在するのかどうか、、、、多分存在するんだとは思いますが、なん人くらいいるんだろう、、、。
この看板を初めて目にした時の私の反応は
「え?なんて余計なお世話な!」
カナダという「大きな政府」を掲げる国に住んでいて、医療費も基本は無料、税金がっぽり払ってますが、まあそれでもね、住人同士が助け合ってるのよね、と病気して医者にかかったせいでホームレスになる人たちが後を絶たない国境の南の国よりも良いと思っている私ですが。
この看板が提案しているメッセージそのものには共感というか、あちこちでこうやって運動する機会を増やして手軽に筋トレ、いいよね、と思いますが。
なんというか、市の税収をこういう看板作成と器具の設置に使ってること自体にも、そういうことをやろうという提案と計画遂行に関わった政治家やアドバイザーやデザイナーやなんやかやという人々がこの「プロジェクト」につぎ込んだ時間と労力が、無駄だなー、と感じてしまうのですよ。
そんなもの税金使ってやらないでくれよ、って思うのですよ。
Nanny Stateという表現がありますが、これは「政府が国民生活に過保護に介入してくる」ことを「子守(nanny)が赤ん坊を扱う」構図に例えて指摘しているのですが、この言葉を使う人々の政治的立場は比較的保守派、資本主義、自由主義傾向の強い傾向にあります。
まあ要するに政府の規制が商売の邪魔になる人たちですからね。
でもね、こういう看板を見てると、あああ、Nanny Stateだなあ、と、基本的には社会主義な私も思うのですよ。
税金は払いますけれど、無駄遣いしてもらいたくないですもん。
あんな器具は雪深いこの土地では一年の半分は使い物になりませんし、誰が家からラバーバンド持って公園にやってくるんでしょう。
自然が提供してくれるお楽しみはやっぱりこれ、そり滑り。
写真右手のピンクと赤の上着の姉妹が見えますか?赤い上着ちゃんがピンクの上着ちゃんを押してあげて、、、
ピンクちゃんがヒューっと滑り降ります。爽快〜。
この一家、「そろそろ帰るよ〜」と言っていたお父さんが最後に一滑り、体重が子供よりも重いので滑る速度も距離も出て、最後は丘の麓の木立にぶつかっていきました(ゆっくりだったのでちゃんと避けてましたからご安心を)
うちも来週はダンボールでも持って近所の公園に行こうかな。