鹿煎餅がもらえなくなって、鹿が健康に
夫がそんな話をネットで見かけたよ、と教えてくれましたので早速ググって見つけました。
奈良で観光客が鹿に煎餅をあげる、あれ、パンデミックで観光客がパッタリで、鹿は煎餅をもらえなくなり、仕方なく(?)古来からの彼らの食べ物である、草をはむようになり、健康状態が向上したと言うニュースです。
それは良かった、良かった、おやつばっかりでお腹がいっぱいになっちゃったら食事の量が減りますから、ちゃんと健康的な食事に戻って何より。
プラスティックを食べて死亡
上のリンクを探してググった時、検索結果のリストにはこんなヘッドラインがバンバン登場して驚きました。
(この記事が書かれた時点での)過去四ヶ月で奈良の鹿9頭がプラスティックを食べてしまい、死亡したという話です。
いつ書かれた記事なんだ、とみてみると2019年の7月10日でした。
ということは鹿の死亡事故も去年の3月からの四ヶ月間の数字です。
その後この数字は0になったのでしょうか。
この鹿の話を聞いて、太平洋の真ん中の、人間など住んでいないような島に住むアルバトロスの話を思い起こされた方も多いのではないでしょうか。
ミッドウェイ諸島(列島?)に生息するアルバトロスという鳥(日本語ではアホウドリ)の親鳥たちがプラスティックの破片を食べ物と区別できずに雛鳥に与え、栄養素のまるでないプラスティックゴミで胃袋がいっぱいになったまま鳥たちが餓死してしまうという恐ろしい現状をクリス・ジョーダン氏がまとめたドキュメンタリーがあります。
ジョーダン氏のメッセージは大量消費に慣れた私たちに警鐘を鳴らすものですが、鳥たちの美しさや地球に住む生物たちの美しい奇跡も映し出した美しいものなので、観る人の罪悪感を煽るばかりの残酷な映像ではありませんので是非ご覧ください。
Chris Jordan's ALBATROSS film trailer from chris jordan photographic arts on Vimeo.
奈良公園周辺には1200頭ほどの鹿が生息しているそうで、公園を訪問する観光客が鹿煎餅をあげるのはよく知られた話。
この煎餅自体はプラスティック包装なし、糖分も入っていないとか。
でも、鹿煎餅以外のお菓子をあげる人もいるそうですし、自分たちが食べたお菓子や買い物したときに入れてもらったプラスティック袋をその辺に捨てる人たちもいるようで、そう言ったお菓子の匂いがついたプラスティックを食べ物だと思って鹿が食べてしまうようです。
国宝で、保護対象になっている鹿ですが、人々が捨てるゴミから守ってあげられないとこんなひどい目に遭うんですね。
さぞ苦しかったでしょう。
国の宝というのはどういう意味なんでしょうね、全く。
鹿のための努力、生きとし生けるもの全てのための努力
地元のボランティアの方々がその後公園内のゴミ拾いをしたそうで、31キロを上回る量のプラスティックゴミが回収されたそうです。
ボランティアの方々が清掃、というのは素晴らしいですけれど、国宝で保護対象の動物なのだったら、きっちり予算を割いて定期的に清掃するとか、公園内へのプラスティックゴミ持ち込みを禁止にするとか、政府は何かサステイナブルな対策を取れないものでしょうか。
ゴミをポイ捨てって、本当に嫌なんですけれど、中にはわざと捨てたわけではないけれど、荷物からぽろっと落っこちて、とか風で飛ばされて、とか、捨てた人が自覚のない場合もあり得ます。
きちんとゴミ捨て場に捨てたってカラスがつついて持って行って、、ということもあり得ます。
そのようにして自然界に放出されたプラスティックゴミは分解されずに何十年何百年とあちこちを漂い、最後にはマイクロプラスティックになって海を漂います。
そのプラスティックが魚に食べられ、大きな魚がその魚を食べ、人間が食べる魚介類に混入していることもだんだん明らかになってきています。
プラスティックゴミは怖いです。
日本のニュース(去年ですけど)だから日本のメディアでも報道されてるはず、と日本語でググってみて検索結果を見たら、トップのリンク5つくらいは海外メディアの日本版の記事や記事の公開期間が終了しました、なんてものが続き、毎日新聞のリンクがその下にやっと出てました。
有料記事なので冒頭部分のみしか読んでませんが。
今見直したらYahoo ニュースは記事が消えてませんでした。
愛護団体が訴え続ける、、とありますけれど、国宝で保護対象の動物になってるんなら、政府が当然のように保護対策をとってしかるべきです。
お菓子やパンを人から与えられずに自然な食事に戻れたのは鹿にとっては何よりのことだったんですね。