日本を知る人たちにはおなじみの
可笑しな英語の看板やデザイン。
Tシャツのデザインとか商品のパッケージや本体に、お洒落な雰囲気を与えるためだけに印刷されたようなものによく見られる現象。
LとRが間違ってる
英語の文なのにフランス語の単語が混ざっている
何しろ意味不明
あまりよろしくない英語の成句を連想させる
とにかく意味不明
多くは「こんな所になぜあえて英文ぽいものを印字する?」無用な恥。
そういった変な英語を見かけた人が撮った写真を投稿したサイトなどが登場し、友人達に「みてみて、面白いよ」と見せられましたよ。
わー、もういいよ、見せてくれなくて。
知り合いがグラフィックデザインの学校を卒業して製品パッケージの箱などをデザインする会社に就職した時「変な英語を印刷しちゃって恥ずかしいことにならないように、英語をわかる人にチェックしてもらっては?」と進言したことがありますが、「全然気にならない。どうせお客さんはそんなこと気にせえへんし。」
と言われてびっくりしました。
そうか、気にならないのか、、、。
可笑しな英語は不要な製品デザインにとどまらず
先日見かけた英国のガーディアン紙に日本のこういった間違い英語の看板などについての記事がありました。
ガーディアンだけに「これ見てよ、イッヒッヒ、変だろう?」という話ではなくて、もうちょっと真面目に心配というか懸念している内容です。
Tシャツやカバンに印刷されたオカシナ英語(であれフランス語であれ)は可笑しいこと以外に実害はありませんが、外国からの訪問者や日本に住んでいる外国語話者のコミュニティにしてみれば、看板とか自治体のサイトなどで真面目に情報を収集したい場面でオカシナ英語表現に遭遇することでネガティブな経験をすることになりはしないかと、日本における言語のプロの方々がある団体を結成し自治体などに機械翻訳への過度の依存をしないように働きかけているようです。
記事によると、自治体のサイトなどの間違いは機械翻訳による間違いらしいですが、そんなものは外国語がわかる人に確認すれば簡単に防げると思うのです。
The official website of Meguro ward in Tokyo, for example, renders kurashi – or “living” – as “dark matter”, while the Kobe municipal government, turns sumai (home) as “I’m sorry”, the machine translation having apparently misread the original word as sumanai, a casual form of apology.
(目黒区の公式サイトでは例えば「暮らし」をdark matterと、神戸市の自治体では「住まい」を I'm sorryと明らかに機械翻訳が日本語の「すまい」を「すまない」と読み違えたことによる誤訳が見られる。)
機械翻訳ってそんな読み間違いするもんなんですかね?
それはさておき、英語→フランス語などヨーロッパ系言語同士の機械翻訳、最近はかなり向上していて、英仏翻訳を生業とする友人の現在の主な業務は機械翻訳の間違いをチェックして正すことになりつつあるのだとか。
一方で日本語をグーグル翻訳して見ると、今でもかなり怪しい英語になったり英語が怪しい日本語になったり、日本語は機械にはこなしきれないのかなと感じます。
目黒区の公式サイト
を見てみましたら、ホームページの右上にmultilingual(他言語)のボタンがついていまして、それをクリックしてみたら、機械翻訳で英語、中国語、ハングル、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ヒンディー語、インドネシア後、マレー語、ポルトガル語、オランダ語、、、などなどに変換できますよ、と。
そこで英語をクリックしてみたら、これは機械翻訳なので正確さは100%ではありません、固有名詞などは間違いが発生することもありますからご承知の上ご利用ください、というようなメッセージが出てきて、これを読んでOKをクリックして初めて翻訳された内容が表示されると言う造りのようです。
確かに日々内容が変わるようなサイトでこんなに他言語に翻訳したページをアップデートし続けるのは大変ですから、マシンに丸投げして効率を上げているのでしょう。
でも、だから誤訳のチェックは区の責任ではないということになっては、サービスとしていかがなものか。
ちなみにこのあと出てきた英語訳されたページでは「暮らしと手続き」はすでにdark matterではなくLiving and Proceduresになってました。
私の知人と違って目黒区は気にしてくれてるってことでしょうかね。
それにしても、機械翻訳してもらえる言語の数が多いのは素晴らしいことなのでしょうか。
ヨーロッパの小さな国の出身者など、英語やフランス語を使えないまま日本に来る人はあまりいないのでは?
マレー語を母国語とする人もインドネシア語を喋る人たちも、多分きっちりした英語のサイトがあればそれで用がすむのでは?
自国語で情報を得られることができればそれは楽ですけれども、間違いがどこに潜んでいるのかわからないくらいなら、きちんとした英語かフランス語かスペイン語を出しといてくれればそれで良い、と思うのでは。
ガーディアンで紹介されていた「団体」の名前をGoogle翻訳にかけてみたのですが、当然彼らの団体名は出てこず、記事内の英訳された名前を元に推測して日本語にしてググってみたらありましたよ、日本の英語を考える会。
下世話ですが、以前帰国した際に撮ったもので笑っていただきましょう。
なんといえばいいやら。