ヴィーガニズムというのは、食べ物に限った話ではないのですけれど、人々の心の琴線に触れるのはやはり食べること。
アンチ・ヴィーガンの怒りを買うのも食べ物関連の話題なら、美味しそう、食べてみた〜い、とヴィーガンのライフスタイルを広めやすいのも食事から。
食いしん坊の私は、自分がヴィーガンになる前は、食べ物やさんで野菜しか入ってないメニューを注文することを躊躇していました。
そんなもの、お金出さなくても自分で作れるでしょ、なんて。
冷静に考えればとんでもないですけども。
本当に美味しいヴィーガン料理は、鮮度の良い野菜や植物性食品を、技術のある人がきっちり手間をかけて美味しく作ってくれてこそ。
手抜きのヴィーガンレシピもたくさんありますが、手間がかかるものもたくさんあります。
手抜きのは家でちゃっちゃと作れば良いけれど、手間がかかるものはやっぱり滅多に作らないですからね。
ご飯だけ作って暮らしてるわけじゃなし。
という次第で、週末はモントリオールのヴィーガンの間では知られた寿司屋、Sushi Momoのお寿司を買ってきて、寿司フェスティバルをやりました。
魚介あってこその寿司だけど
以前は魚の鮮度命でしたので、モントリオールで寿司屋へ行くことすらかなり抵抗がありました。
仕事関連の懇親会みたいなので寿司屋に連れて行かれたのと、夫が「日本人の妻がいるのに寿司屋に行けないなんて」とうるさい時に何度か(二十年一緒にいて一緒に寿司屋に行ったのは多分片手で余る回数です。)
店に入るとムワッっとお酢の匂いと魚くさい匂いがする店なんかもありますしね。
日本のお寿司屋さんではそういう記憶がないので、これはなんなんだろう。
それはさておき、伝統的な本物の寿司以外を受け入れたくない気持ちがかなり強かった過去の私、こちらの方が大喜びする「カミカゼ・ロール」「ドラゴン・ロール」など、なんじゃそりゃー、と思ってました。
でもね、しばらくこちらに暮らしていて、そういう感覚が薄れてきたのか、なんでもいいや、というか、美味しいならいいかな、と思うように。
そんなわけで、Sushi Momo初挑戦。
現在モントリオールではレストラン内で食事をすることはできませんので、持ち帰りか出前のみなので、注文してから取りに行ってきました。
何しろ初めてのお店だし、注文する時にウェイターさんに質問してお勧めを聞いたりできないし、メニューを眺めてると頭痛がしてくる(仏英併記のメニュー、読むのが煩わしい)ので、ええい、面倒くさい、「四月のスペシャル」でいいや!と。
でも、ひょっとして食べ足らないなんてことになるのは嫌だなあ、な〜んて思って一品だけ単品を追加しましたけれど。
注文する時に色々質問したいなあ〜と電話をかけてみたら、録音メッセージで、普通の注文の場合はオンラインでやってくださいとあり、店のスタッフと直に話したい場合はかなり待たされるかもしれませんよ、ということだったので、ああ忙しいんだろうなあと、素直にオンラインで注文しました。
レストランはメトロSherbrookeのSquare St-Louis側の出口を出て、St-Denisに出てすぐ右のブロックにあります。
テイクアウトのカウンターはレストランの二軒隣の角の建物です。
指定した時間に受け取りに行ったら、カウンターにピックアップを待つ紙袋たちが勢揃いしていて、名前を伝えたら笑顔ですぐに私の注文の袋を渡してくださいました。
セットメニューなので、これはどのロールなのか、と一つ一つを把握できかねるので、気に入ったものを次回注文するときにリピートしたくてもできないかも、と思い、写真を撮って気に入ったやつは次回写真を見せて「これがまた食べたい」という作戦。
どれもおいしかったんですが、次回はまた別のものを食べても良いかも、というか、またこれが絶対食べたい!というのはありませんでした。
レヴューサイトにもありましたが、星は5つなんだけど「寿司ずきの人は寿司屋へ行くべき」というの、確かに魚介類のお寿司を好きな人がそれを期待してこれを食べて喜ぶかどうかは別問題ですね。
どちらかといえば、多種多様なサラダを食べてるような感じ。
漬物やピクルス、野菜各種が色々と入っていて、面白い食感と風味と味を堪能しました。
福神漬けを入れるとか、私には思いも寄らない発想。
ただ個人的にはしゃりが甘くてちょっとべちゃっとしてて、これなら自分好みに自分で作った方が美味しいかも、という邪心が頭をもたげましたが、これだけ多様な素材を揃えてこんなに色とりどりに作る根性は持ち合わせてないので、まあこれはこういうもの、と受け入れましょう。(自分に言い聞かせている。)
あと、上にチョンチョンと乗っかってるソースも、最初は良いのですが、だんだん鼻についてくるので、マヨネーズ系は乗っけずにサイドにおいてくれ、といいましょう(テイクアウトだと別の容器を使ってもらうことになるので躊躇しますけれど。)
「マヨラー」な方には問題ないかもしれませんね。
夫に上記の感想を言いましたら「まあね、西洋人の好みに合わせてあるからね」と。
日本にはヴィーガン寿司屋さんって存在するのでしょうか(夫の質問。)
日本だったらしゃりの炊き具合も酢と砂糖のバランスも絶妙で美味しいのが出てきそうで、期待しますが、日本のヴィーガン・カフェはやっぱり洋風指向な印象ですよね。
パンデミックを生き残っていただきたいですのでまた近い将来食べに、いやテイクアウトしに行きたいと思います。