食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ヴィーガン寿司と外国のSushiと

今週のお題「寿司」

 

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Sushi Momoのヴィーガン寿司

お寿司は子供の頃、あまり好きではありませんでした。

特にちらし寿司は「ちらし寿司の日はおかずがなくて吸い物も具が少なくて、しかも寿司飯の酸っぱさが嫌だ」と思っていました。

 

母の名誉のために書いておきますが、母の寿司は私以外の家族や親戚、友人たちには美味しいと言われていました。

私だって、別にまずいとは思ってませんでしたが、何しろ寿司ってほかほかのご飯じゃないし、酢飯ってキュッと締まってるし、家庭のちらし寿司ってピンクの桜でんぶとか、錦糸卵とか甘いものも乗っかってるし。

 

握りを食べることもたまにはありましたが「子供用に適当に見繕ってサビ抜きをお願いして出てきたもの」が小さめの桶に並んでるのを食べるだけで、自分で注文するなんてことは一切なく。

思えば、住んでいた小さな町に回転寿司というのがちらほら登場し始めたのも小学校高学年くらいの頃でした。 

 

 

初めてカウンターで寿司を食べたのはグルメの叔父の贔屓の寿司屋さん。

 

大人は大人同士で盛り上がっていて、私は同い年の従姉妹の隣に座らされ、従姉妹に「きゃすぴえちゃんは何食べたい?」と聞かれて「え?何って言われても、、、」と。

寿司のネタの名前なんか知らないのでドキドキしました。

 

従姉妹が「このおっちゃんのツナマヨは美味しいねんで」と勧めてくれたので「じゃあ私も」

その後も従姉妹が頼むものを「私も」で乗り切った覚えがあります。

 

 

 

実家は寿司よりも刺身が並ぶ家でした。

九州出身の母が魚が新鮮で安い地元で有名なスーパーへ買い出しに行き、イワシなど青魚系の鮮度の良いのがあればドーンと買ってきて時間をかけて皮を剥いで身を割って骨を取って刺身に切り分けて、、、。

 

母は「魚を扱えるようになっておかないとね」と魚の支度を始めるたびに私を台所に呼んで「この魚はね、骨が多いからね」などと作業の様子を見せ、徐々に私にもやらせてくれて、魚訓練を続けてくれました。

 

中学か高校の頃、理科で蛙を解剖する日があったのですが、風邪か何かで学校を休んだ私に、「うちは普段から魚の解剖してるから、カエルの解剖を経験してなくても大丈夫」なんてむちゃくちゃなこと言われたものです。

魚の内臓を見ても、手が血まみれになっても平気でしたから、解剖の日に気持ち悪くなった同級生の話を聞いて、確かに私は大丈夫かもと思いました。

 

 

ところが内陸部のモントリオールにきて鮮魚と出会うこともほぼない日々を10年以上過ごし、「手に入らないんだから、いっそのことガッカリしてまで魚なんか食べなくてもいいわい」

と思うに至り、そしてその数年後にはヴィーガンになりました。

 

 

すると、それまで帰国するたびに楽しみにしていたお寿司も、選択肢からは抜けるわけです。

「ああ、それはちょっと寂しいなあ」

と最初の帰省の時にはやはり無念でしたので、ずるして親と一緒に寿司屋に行ってみました。

 

でもね、しばらく動物を食べなくなったから消化能力が低下したのか、たまたまそこの寿司屋で出てきた魚の鮮度が劣ったのか、帰宅してしばらくはトイレに籠ることになり「ううう、こんな思いするほどのもんじゃないし、もういいや」と。

 

そのお寿司屋さんの名誉のために申しますと、トイレに籠ったのは私一人だけ、同行した家族は全員普通に過ごしていました。

 

 

ヴィーガン寿司と外国の寿司

ヴィーガンになって、所謂普通の寿司との距離ができて5年経ちます。

 

そうすると、日本人の食の価値観に強く根付いている「寿司=鮮度の良い魚介類を楽しむもの」という図式がもろもろと崩れてしまったようで、それまで見向きもしない、いや、むしろ「なんじゃそりゃあああ」と軽蔑の念を込めて嘲笑していたような、北米寿司やヴィーガン寿司も「面白そうじゃない?」と思えるように。

 

色とりどりの具が入っていてちょっと甘酸っぱい、サラダみたいなもの、と思えば問題ない。

 

魚の鮮度や伝統的な正しさを求めなくなってしまえば、外国Sushiへの抵抗感が消えていくというのは自然なことなのか、どうなのか。

 

モントリオールにも日本的なデコレーションや家具、食材などで日本ぽさを演出した(でも日本人が見ると怪しさ満載な)スシ・レストランはたくさんあります。

 

でも昨今は日本的なものとしての寿司屋ではなくて、自分たちの好きな食べ物を提供する店としてのSushiレストランが増えているのか、寿司職人も「知らない人が見たら日本人だと思う効果」を狙ってアジア人を雇う必要もなく、人種関係なくクリエイティブな寿司を握ったり巻いたり、マヨネーズベースのソースをしゅるしゅるしゅるっと寿司の上に絞り出してデコレーションしたり、面白そうな店が増えているらしい、、、。

 

とはいえ実際にそういうお店のお寿司を食べたのは、実は今年の4月が初めてでした。

 

モントリオールにあるヴィーガンの店、Sushi Momoの寿司が美味しいという評判を聞いたので。

 

当時はまだレストラン店内での食事はできませんでしたので、事前にネットで注文して、指定した時間にテイクアウトのカウンターに取りに行き、家に持って帰って食べました。

 

その時のことはこちらで↓

casse-pied.hatenablog.com

 

この二ヶ月後にもう一度食べました。

ヴィーガンの寿司って中身はなんだろう、と好奇心まんまんで、メニューと比べながら「これは芝漬けが入ってる!」などと楽しくいただきましたよ。

 

当初は具の組み合わせを参考にして、作りたくなったら自分でも作れるし、、、なんて思っていましたが、こんなに多種多様な材料を取り揃え、あれこれ下拵えしたり巻いたり切ったり、なんだか面倒くさそうだし食材も余ると思うので、自分で作ることは多分なさそうです。

 

 

前回日本に帰省した折に夫と入った築地の回転寿司では、納豆巻き、かっぱ巻き、お新香巻き程度だったのですが、こういうヴィーガン巻きを作ってくれるお店、東京あたりにはいくつかあるのでしょうか、あると嬉しいなあ。 

 

Sushi Momoはオンタリオのヴィーガンの方も言及してましたし、割と知られてる店らしいです。


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