食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

ヴィーガンチーズの女王と酪農の環境問題

 

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ミヨコチーズ仕込んだ当時の写真です

 

ヴィーガンチーズとミヨコさん

 

ヴィーガンになった当初は、オンラインでヴィーガンレシピを公開しているブログやサイトをあちこち探し歩き、あれこれと知恵をつけてもらいました。

そこで出会ったのが、カリフォルニアにお住まいのミヨコさん。

YouTubeビデオもあって、サイトではあれこれレシピを公開してくれてて、面白そうなものが結構あり、記憶にしっかり残る方でした。

 

そうこうするうちに公開されてるレシピがアクセスできなくなり、本格的なヴィーガンビジネスを始められたのかな?と思っているうちに、ミヨコブランドのヴィーガンチーズがあれこれと販売され始め、食べてみたいと思ったものの、カナダのうちの界隈では普通の店で見かけたことはないのでいまだに未挑戦。

 

と、思ったら、図書館でミヨコさんのチーズの本を発見しまして、ストーカーのように「おおお、これは借りてみよう」と借りて、ご本人作の(工場でしょうけれど)味は知らないまま、レシピを頼りに作ってみたりもしました。

 

すごく美味しいのよ!と自信たっぷりのミヨコさんのレシピで。

発酵食品って面白いですし、時間はかかるけれども楽しく習慣になっているものもあるので、これはどうかなーと思ったのですが、出来上がりのチーズを楽しんだ後、なんとなく一度やったからもういいや、、、という感じになってしまったというのが正直な結末です。

 

挑戦した当時の実況中継は二度に渡りご報告。

casse-pied.hatenablog.com

 

casse-pied.hatenablog.com

 

この後、また別のやり方でミヨコ式ではないレシピでも試しているようですので(この記事の話はすっかり忘れておりました)やっぱりたまにチーズっぽいものが食べたくなるんですね。

 

casse-pied.hatenablog.com

 

ヴィーガンチーズといえば、よくあるレシピは

 

  • ナッツをふやかしてミキサーでクリーミーにしたものを寒天と澱粉で固め、加熱したらモッツァレラっぽい状態になるもの
  • 酒粕、味噌、オリーブオイルなどで風味重視のクリーム状のものもしくは加熱してパラパラにして粉チーズ的効果を狙ったもの

 

の二つのタイプに風味付けの工夫がされたものが主流かな、と思います。

 

酒粕系は使い方次第ではチーズ的な風味が加わって美味しくなりますが、チーズっぽい形状(糸を引くとか)はなく、ピザなどにトッピングするのには不向き。

ナッツ系のものは、ナッツを多く使うという点で、環境にもナッツ生産地の労働者にもあまり良くない気がしてしまうので最近はとんとご無沙汰しています。

 

ある程度努力してみたし、市販品も何度か買ってみたけれど、まあいいや、という感じ。

私個人の話ですけどね。

 

 

世間では今でもやっぱりチーズ大好きだけどヴィーガンなので色々工夫して美味しいのを作ってるよ、という人たちがたくさん存在するようです。

スーパーで手に入るヴィーガンチーズの品数もブランド名も以前より増えました。

 

ミヨコさんも頑張ってることでしょう、、、と思っていたら、英国のガーディアン紙に記事が載っていましたのでお久しぶり〜と勝手に懐かしく読みましたよ。

 

 

ヴィーガンチーズの女王

チーズ製品開発に成功、生産工場の床面積が29,000平方フィートにまで拡大するほど需要が伸びているのだそうです。

 

amp.theguardian.com

 

ミヨコさんのヴィーガンチーズプロジェクトは、乳製品、特にチーズが大好きでやめられないわよと思っている消費者へ、発酵食品の味の深みのあるヴィーガンチーズを提供することで、乳製品、引いては酪農に依存しない食生活を促進するという大きな野望があったわけですが、この記事を読むと、彼女のプロジェクトはそこでは止まらず、カリフォルニアで酪農業に従事している農家がプラントベースの農業にシフトするのを援助するという活動もあるそうな。

 

畜産業のカーボンフットプリントとか飼料用としての大豆及びコーンの大規模単一農地の拡大や森林破壊などは昨今はかなりよく知られるようになりましたが、酪農もやはり環境への負荷は大きいのです。

 

water.ca.gov

 

カリフォルニアで酪農地帯にお住まいのミヨコさん、旱魃に見舞われやすいカリフォルニアという土地で、必要とする水資源の量が半端ではない酪農が行われているのは、環境にも負荷が大きいけれど、それを運営する酪農家にとっての負担も大変なものだと普段から目にしているとのこと。

 

限られた水資源や土地を、人間が直接食べられる作物のためではなく、飼料になる作物を育てるために利用することも、旱魃に見舞われるカリフォルニアで続けていくことはやはり無理があるのでしょう。

 

 

環境問題への取り組みに限ったことじゃないですけれども、やっぱりこういうことは個人の力ではどうにもなりませんから、ヴィーガンチーズの女王という立場とビジョンでもって生産者への働きかけをするミヨコさんのプロジェクト、今後も注目しておきたいと思います。

 

 

プラントベースとは言ってもアーモンドやアボカドを収穫するために必要とする水資源の量はかなりなものですから、畜産、酪農でなくプラントベースならなんでも良いとは言い切れないとは思うのですけれどね。

 

 

ロケット打ち上げよりうんと未来へつながるプロジェクトだと思います。


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