北米の中華料理店って、酷い店が結構多いと認識しております。
食べ放題の店なんかはコストを抑えなきゃいけない上、食べ盛りの人々への対応のためか、油ぎったメニューが並んでいて、ああいうのを見て「中華料理って不健康だ」と決めつける人が出てきてしまうのも不条理な気がします。
知人の中華系家族の食卓に呼ばれて家庭料理を食べると、やっぱり中華料理美味しい、と思いますし、中国本土の美味しいお店に行ったらすごいんだろうなー、とまだ中国未訪問の私は夢を見ます。
でも、やっぱり北米にいて、出先でお腹が減った時に中華を選ぶことは年々減っています。
そんな中、この記事のヘッドラインを見て大変驚きましたよ。
デイヴィッド・R・チャン さんは現在72歳の中国系のアメリカ人。
アメリカで生まれたアメリカ人ですけど、両親や中華系のコミュニティとの繋がりがありますから、全く中国文化から隔離されたわけではなかったでしょうけれど、やっぱり中国というルーツとの繋がりを求めて、アメリカ中、はたまた中国や香港などでも、中国料理を食べに通い、その数が8000食近くになるそうなんです。
ええええー、外食8000食って、不健康そうだけど、しかも中華料理屋だけで8000食って大丈夫かな、、、?
と正直思いましたが、写真で拝見する限り、外食続きで肥満になったりはしていなさそう。
If you visit one Chinese restaurant per day, it would take more than 20 years to reach his current count - 7,812 restaurants.
1日に一軒レストランで外食するとしても、彼の現在の記録(7812軒)に到達するには20年はかかります。
仕事に出かけてランチで外食を週に5日、週末はディナーに中華、ですかね。
アメリカに限りませんけども、中国人コミュニティがしっかり根付いている地域というのはあちこちにありまして、そういう地域にあるレストランだと、やっぱり美味しい中華料理屋も色々あるそうです。
70年代とか、昔はやっぱりろくなアジア食材が入手できなかったと思いますが、徐々にそういった部分も改善されつつあります。
モントリオールだって、以前はシメジとかエノキとか、見かけませんでしたし、冷凍とはいえ枝豆がこんなに普通にじゃんじゃん見つけられるような世界が来るとは思ってませんでした。
2000年の秋ごろに夫と入った「伝統的で正統な和食を出す店」という店で注文した水炊きに入っていた「きのこ」は、北米で普通に流通している白いボタン・マッシュルームでしたからね。
え?和食料理屋なのに、エノキとか椎茸とかないの?
って驚きましたけど、当時は生椎茸なんかモントリオールの中華街の食品店などでも見た覚えはありません。
その数年後には高価だったけど見かけることは見かけるようになり、(でも高いから買わず)そのさらに数年後には、たまになら買えるかなー?という感じになりましたけども。
私が過去20年少々で体験したのは単にアジア素材が北米にも流通しやすくなったとか、北米にもアジア食材を楽しむ人が増えたとか、そんな話ですけれど、北米に点在する中華街や中国人コミュニティと繋がりの多い中華料理屋を転々と試し続けているチャンさんは、中国系移民の移住の歴史や移民コミュニティの発展の歴史にも触れているわけですね。
時代の変遷もありますが、彼の中華料理屋巡りは、巨大な国中国の中の色々な地方色、特色のある料理、などなど中国という文化圏を知る術にもなったようです。
数年前にも同じ方の同じ話題が記事になっていたようですが、当時はまだ6000軒。
日本でもそうですよね。
私は日本出身ですが、訪問したことのない地方や食べたことのない郷土料理なんかたくさんありますし、聞いたこともない料理だってあると思います。
北米にある日本料理を出す店で、寿司とかラーメンだけじゃなくて郷土料理を出すような店が出てきたら、私もちょっと旅に出てみようか。
8000軒ってのはあり得ませんけど。
カナダにおける日本人移民のコミュニティの歴史も、結構興味深いですよ。
カナダの和食屋変遷記なんてものがあったら読んでみたいです。