食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

残り物からヴィーガン・パテ・シノワ、とデパナってなに?

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夫が作ったヴィーガン・シェパーズパイ

先日作った豆混合チリが結構残ったのですが、夫がご飯を作るというので「よかったらあのチリを使ってもいいよ」とさりげなく水を向けましたら「じゃあシェパーズパイにしよう」と。

 

シェパーズパイっていうのは英国の、ラム肉がたっぷり入ってる料理ですけども、カナダでは別にラムじゃなくても、というか、ラムが入ってるべき物だという認識はありません。

え?ないのはうちだけ?

うちでは肉が入ってないシェパーズパイですから。

 

ちなみにシェパーズパイ、ケベックではパテ・シノワと呼びます。

中国風パイ。

 

ケベックの高校で歴史を教えていた方の娘さんに聞いた話では、ケベックでなぜそう呼ばれているかというと、「昔、カナダに鉄道を敷く工事が始まって、いろんなところから労働者が集まって働いていた当時、労働者にはジャガイモと肉とコーンといった組み合わせが配給され、ヨーロッパ系の労働者たちはただ肉を焼き、じゃがいもとコーンを茹でて食べていたのに中国系の労働者たちはじゃがいもをマッシュし、コーンを粒々にばらし、肉の上に段々に重ねてオーブンで焼いて美味しい料理を作り出したので、それでこの料理をパテ・シノワと呼ぶようになった」そうです。

 

本当か嘘かは知りません。

 

私はどうも缶詰や冷凍のコーンは飽きたので、代わりにグリーンピーズを入れてもらいました。他にはインゲン豆も入ってますね。

マッシュポテトには韓国風豆乳も入ってます。

おいしうございました。

 

 

モントリオールのデパナ(Dépanneur)

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夫愛用の、モントリオールの日常風景写真↑をプリントしたTシャツは、実在のデパナの写真。

これ作ってる人のサイトはこちら↓

tresnormale.com

 

 

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Dépanneurとは
 

モントリオールの住宅街のあちこち、駅前のあちこち、ショッピングモールの中にも、あんまりパッとしないしお洒落でもないし、一体何が嬉しくて人はここで買い物をするのか、と思えなくもない中途半端な小さな商店があります。

 

チェーン店のもあるし、個人経営のもあるし。

 

一時期は韓国系やベトナム系の一家が経営している店が多かったんですが、うちの近所の徒歩圏内にあるデパナはどこも現在は中国系の家族が経営しています。

 

日本語で言うならコンビニみたいなもの。

でも日本のコンビニみたいに24時間経営はあんまりなくて、大概夜十一時には閉めてしまうし、立地によってはそれより早いところもあるかも。

 

デパナで買うのが手っ取り早くって良いアイテムといえば、ビール、タバコ、ロット各種(宝くじのようなもの)でしょうか。

メトロの駅構内にあるデパナなどではコーヒー、ポケットティッシュ、傘とか、急ぎで買いたいアイテムを割高に置いてます。

 

レジの脇にはグルメや健康志向の人は絶対に手を出さないであろう巨大クッキーやマフィンやチョコレートバーがずらずらと並んでいたりします。

新聞もあるし(最近は減ってるでしょうが)ジュースとかソフトドリンクとか、夏にはスラッシュっていうかき氷と毒々しい甘いドリンクの融合したようなものも置いてます。

舌に着色料がべっとり染まるようなアレです。

 

割高だし美味しくない、どこかの工場で生産されたサンドイッチなどもあるし、百円アイス系の安っぽいアイスクリームが棒についたやつとか、そういうのもあります(値段は結構しますけど。)

 

というように、質や値段を気にしなければ、品揃えは幅広くて豊富なのですよ。

 

ニューヨークによくあるボデガと呼ばれるのも、似たような感じですよね。

先日のぷかしゅさんのブログでボデガというスペイン語の本来の意味はコンビニとはかけ離れた意味であることを知りましたけども。

whostolemysheep.hatenablog.com

 

Dépanneur(デパナ)という、これはフランス語の単語です。

ぷかしゅさんのお返事にさらにお返事コメントしようと思ったんですが、しつこいかなと思って結局自分のブログに書いてます。

 

この言葉、本国フランスではもはや使われていないと聞きました。

使われるとしても、その意味はケベックで使われているような、コーナーショップとかコンビニとか、そういう意味合いではなくて、トラブルシュートするとか、解決するとか、そういう意味なのですって。

 

それがなぜコンビニエンス・ストアとかコーナーショップということになったのか?

言葉って広まる時に意味がずれていくことあるじゃないですか。

どうずれたらここまでずれるのか、とも思いますが。

 

デパナというこの言い方も、英語話者の間ではさらに短縮されてDep(デップ)と言われます。

綴は長いけれどこのフランス語、発音するとデパナ、短くてさっぱりした言葉ですから、あえて略語を作らんでも、、と思いますが、それでも短くしたいのが人の常。

 

上のオンライン辞書のスクショにある例文をさらにデップにしてみましょう。

You can buy beer at the dep along with your smokes and lotto tickets.

オンライン辞書の解説では「カナダ、特にケベック州、、」とありますが、ケベック州を出てコンビニをデパナっていう土地があるとはあんまり思えません。

 

フランス語と英語が両方公用語なニューブランズウィック州あたりで使ってるのかな?

他にはオンタリオとアルバータにフランコフォンが住んでいる地域があるらしいと聞いたことはありますが、それ以外はみんな英語圏ですので、英語でコンビニエンスストア〜って言ってると思います。

 

 

デパナにおいてあるもので、スーパーマーケットで買えないものは実は一切ないんですけれど、パッと入ってさっと買って出てこれるのはやはり便利です。

デパナはいつも同じ人が店番してるので顔馴染みになってるし。

 

 

しょっちゅう行くから顔なじみになるともいえる。


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