過剰摂取による弊害を指摘するのは医療系の情報源。
www.mayoclinichealthsystem.org
このmayo clinicの記事も冒頭でプロテインパウダーやプロテイン商品の売り込み文句に釣られてしまいがちな心理を指摘しています。
そしてここでもアメリカの一般的な成人、特に男性はタンパク質不足というよりは十分足りているもしくは摂取しすぎの傾向にあると書かれていますね。
アスリートでさえ摂り過ぎの傾向にあるんだとか。
ヴィーガンで女性の私はこの範疇にはないと思いますが、どうなんでしょうか。
記事が参考にしている情報源は”The Dietary Guidelines for Americans, 2020-2025”というガイドライン。
このガイドラインは必要な栄養を摂取、健康の促進、慢性疾患の予防などに役立つ食事や飲料に関するアドバイスで、妊婦や授乳中の女性を含む、すべての年齢層のための指標を提供する目的で編纂されたものだそう。
栄養に関する項目は全米科学・工学・医学アカデミーにより制定、更新されており、米国およびカナダ連邦の要請により下記の栄養素の必要量もしくは制限値(ietary Reference Intakes (DRI)の設定がされているんだそうです。
栄養素(タンパク質、炭水化物、脂肪)
ビタミンおよびミネラル(ビタミンC、鉄、ナトリウムなど)
および食品成分(食物繊維など)
mayo clinicの記事では、摂取したタンパク質が筋肉になるわけではなく、筋肉量を増やすには要筋トレが必要であることと、必量以上のタンパク質はエネルギーとして消費されるか脂肪になって体に蓄えられるとあります。
運動や筋トレと同時進行でない高タンパクの食事は考え直すべきということですね。
また高タンパク食品は総脂肪や飽和脂肪が多いため、余分なタンパク質の摂取は血中脂質の上昇や心臓病の原因となったり、腎臓に負担をかける余分なタンパク質の摂取が腎臓病の素因を持つ人々にとってさらなるリスクとなり得ることも指摘しています。
ではどれくらいが適量なのかといえば、1日の大半を椅子に座った状態(畳でも同様、要するに動きの少ない状態)で過ごす平均的な大人の場合は体重x0.8グラムが適量であると記されています。
ところが40~50歳を過ぎると加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)が始まるので、これを防ぎ、自立した生活を維持するため、タンパク質の必要量は1kgあたり約1~1.2g、75kgの人なら1日あたり75~90gに増えるとあります。
定期的にウェイトリフティング、ランニングやサイクリングのトレーニングをしている人は、1キログラムあたり1.2~1.7グラムが必要です。
たとえ運動していても、体重1キロあたり2グラム以上の摂取だと過剰摂取になるようです。
他にも記事の中ではいつタンパク質を取るのが良いか、15〜30グラムを食事で摂る場合はどんな食事内容か、などについても触れています。
ヴィーガン向けの記事ではないのでグリークヨーグルトだとか卵だとかが例に入っていますので、次はヴィーガン向けの記事を見てみました。
まずこのサイトでも、mayo clinicと同様に”The Dietary Guidelines for Americans, 2020-2025”のガイドラインを基準にした、体重x0,8グラムで年齢別の摂取量を示しています。
注意書きとして、これはあくまでも基準であり、運動量や年齢、妊娠や授乳をしているかどうかという状況で必要量は変わるとあります。
定期的に一定以上の筋肉トレーニングや運動をするヴィーガンに必要な栄養素に関する詳しい資料のリンクもありました。
リンク先の資料では、運動量の多いアスリートに適量とされるタンパク質の量は、筋トレなのか、耐久スポーツのアスリートなのかによって区別されています。
典型的な推奨摂取量は筋トレなどのアスリートの場合は1日に体重x1.6–1.7 g。
耐久スポーツのアスリートの場合は体重x1.2–1.4 g だそうです。
でもこれも、毎日1時間以上やってる人と週に1、2回三十分くらいの人とでは違うでしょうし、なかなかはっきりと明文化しにくいですよね。
私個人の場合は、毎日三十分以上筋トレしていた時期もありますが、現在は自転車通勤で毎日合計四十分ほど乗ってるだけ(連続で乗ってないので運動というほどではない)で、後はお休みの日に自転車で遠出すればそれが運動量になります。
毎日仕事場ではちょこまかと動き回っていますので、1日の歩行量は多分職場のみで六千歩程度くらい。
ずーっと座りっぱなしの人よりはちょっぴり運動していますが、タンパク量を増やすほどでもないかも。
今まで年に一度の健康診断で、ヴィーガンダイエットを続けている点を踏まえて検査してもらっていますが、問題は今の所ありません。
なので、基本的に今の所自分の食生活に問題があるわけではないので、急に増やしたりプロテインパウダーを取り入れたり、という必要はなさそうなのですが、もうちょっと日々のタンパク量に注意したり、質にも気をつけてみようかな、という気持ちはします。
MEDICAL NEWS TODAYによるヴィーガンタンパク質の例
- Whole grains
ホールグレインとは、穀物の穀粒がまるごと穀粒がそのままの状態で入っているものを指します。多くの全粒粉は良質なタンパク源です。
キヌア(調理後)
オーツ (未調理)
調理後ではなくて生の状態でのタンパク量が表記されているのは、オーバーナイト・オーツなど、加熱せずに食べる人が増えているせいでしょうかね。
加熱してもタンパク質って壊れないんでしたっけ。
セイタン(全粒粉ではない)
炒めたセイタン100gあたりのタンパク量は
なぜ炒めたものを表示しているのかは謎ですが。
セイタンは小麦グルテンから作られるので、セリアック病などの人は摂取できません。
スピルリナ (海藻)
大さじ1杯に含まれるタンパク質は7g
100グラム中には57.5グラム
- 野菜
ブロッコリ
生のブロッコリ100g中のタンパク質は2.82g
油で調理後のブロッコリ100gの中には2.84g
生のブロッコリ1USカップには2.54g なのに対し、調理後の場合は4.54g(調理して量が減るから同じカップの中にもっと入るからでしょうね。)
マッシュルーム
油で調理されたマッシュルーム100g中のタンパク質は3.74g、1USカップあたり5.98g
肉の代用品としてよく利用されている、菌類に由来するタンパク源ミコプロテインは、100gあたり11gのタンパク質が含まれています。
ミコプロテイン製品には卵が使用されているものもあるので、ヴィーガンは材料リストを確認するべし。
豆類・豆製品
レンティル
茹でたレンティル100g中のタンパク質は9.02g。
半カップ(調理後)には、8.95g含まれる。
Chickpeas
100gあたりのタンパク質は8.86g。
茹でたひよこ豆は、1カップあたり14.5gのタンパク質。
フムス100グラムに含まれるタンパク質は8.18g
ピーナッツ
ピーナッツに含まれるタンパク質は100gあたり25.8g。
ピーナッツバターのタンパク量は、100gあたり22.5g、大さじ2杯分につき7.2g。
大豆
生の大豆には、100gあたり12.95gのタンパク質が含まれています。
調理後の大豆100gあたりでは16.92g。
カップ半分の生の大豆には16.6g、加熱した大豆はカップ半分で15.65gが含まれます。
加熱すると減っているように見えるのは、加熱すると豆が膨らむので、カップ半分に収まる実際の豆の個数が減るためでしょうね。
大豆加工品
油揚げは100gあたり18.81gのタンパク質が含まれています。
テンペは、調理すると、100gあたり19.91gのタンパク質が含まれます。
ナッツと種類
チアシード
100グラムあたり18.29g
大さじ一杯(12g)あたり2.19g
アーモンド
生のアーモンド100gあたり20.33g。
アーモンドバター100gのタンパク量は20.96g、大さじ2杯あたり6.71g。
ヘンプシード
100gあたり31.56g
大さじ3杯には、9.47gのタンパク質が含まれています。
実際に食事に取り入れる場合は色々な食品を組み合わせ、楽しんで食べられるようにしないと続きません(特に私の場合。)
旅行中はホテルの朝食の時にピーナツバター、ヘンプシード、豆乳で補うようにしていましたが、三日目で飽き始めました。
自炊するアパートメントホテルとかじゃないので、材料を買い込むにも限度がありましたし、短期間でしたからね。
たまに家で作る、豆乳にチアシードを入れて固めて果物を乗せて食べるチアプディング、大さじ2杯くらい入れると思うので、豆乳の量と合わせると結構高タンパク食品でしたね。
食事でタンパク質が足らないかなと思ったらこういうのをデザートにして補うのも良いですね。
栄養学の学生
職場には大学の栄養学専攻のインターンたちが入れ替わり立ち替わりやってきます。
大概が料理が好き、食べることが好き、という人々。
卒業後病院などで栄養指導をしたり相談を受けたりすることになる彼らですが、非医療系のうちの職場みたいなところでも栄養に無頓着で無茶苦茶な食生活を指定がちな人々と接して、なるべく食生活を向上してもらうように、ワークショップをやってみたり、ランチのメニューを提案してくれたり、色々と頑張ってくれます。
やってくるインターンのみんなに共通しているのは、「1日に必要な量は絶対取らなきゃいけない」「1日に摂取できる限度を超えるほど食べるのは絶対だめ」というようなガチガチな態度や説教くささが一切ないところ。
たまには息抜きして甘いものも食べたいし、我慢しすぎるのは良くないから、無理しないようにしましょうね〜、という態度。
栄養について考えることを嫌なことだと思わせないように、という配慮を感じます。
現在来ているインターンの方とそんな話になった折、彼女が言うには、同じ学科にいる学生たちの中には、ありとあらゆるダイエット法をやっている人が揃っているんだとか。
「ヴィーガンもいるし、キトも、ローダイエットも、なんでもいますよ。私もヴィーガンダイエットにしたり、たまに帰省したら家族と一緒に魚を食べるけど。」と。
元々食餌法や栄養に興味を持っている人が集まるからなのでしょうけれど、摂食障害を持つ人や過去にそうだったという人も割と多いそうです。
正しい食事内容かどうかをはっきりさせるのはなかなか難しいと感じますが、ある程度調べるうちに飽きてしまって突き詰めないでおくのはもしかしたら自己防衛本能が機能しているのかも、なんて思ってしまいました。
腹八分目、好き嫌いなく満遍なく、とはよく言ったもの。