滞在先周辺は割と小綺麗で安心な感じ。
でも犯罪発生率が国内平均の8倍とか、治安の悪い地域が結構あちこちある、そんな悪評高いボルティモアに来ています。
アメリカの犯罪率って80年代くらいに比べたらぐんと下がってるはずですし、どこもかしこもジェントリフィケーションされて、怖いアメリカの大都市、っていう感覚は薄らいだような気がしていますが、でもこの街はちょっと悪いらしい。
地元の方(が開催しているコンフェレンス)に聞いたら、そんなことはないと。
ふむ。
貧富の差やシステミック・レイシズムなどの問題が山積みなのは間違いないようですが、人々はかなり親切でチャーム・シティというニックネームも納得。
でもアメリカって結構どこの町も出会う人々は感じ良いし親切だという印象がありますけれど(旅行者の視点ですので、住んでみたらそりゃ色んな人がいるのは承知です。)
昨日は日中、ホテルの界隈から3キロくらい先にある建物に用事があったので、町の中を歩いてみました。
アメリカ東海岸にある歴史のある町、という雰囲気。
歴史を感じるのは2~3百年前に建てられたような大きな建築物が視界に入るせいでしょうかね。
アメリカの歴史が好きな方はもっと楽しめそうな感じです。
でもアメリカの中規模都市ですから、モールとかチェーン店とかも一杯。
車社会!という感じ。
市バスはちょっと小汚い(すみません、でも本当ちょっと小汚い。)
治安が悪いという印象はありませんでした(というか、そういう地域はもっと別のところなのかもしれませんが。)
そうそう、途中で裁判所らしき建物の前を通ったら、報道陣がカメラを並べて場所取りしていました。
なんだろうねー、なんて言いながら通り過ぎ、目的地で用事を済ませた帰り道に同じところに差し掛かったら、報道陣の量が先ほど(上の写真)の5倍くらいに増えていて、しかも野次馬も沢山。
割と広い歩道の上に収まりきらない人たちは車道の一車線の半分くらいまではみ出てて、いったい何事か、とそこらへんに立っていて忙しくなさそうなスーツの男性に聞いてみたら、Adnan Syedさんが釈放されることになって、もうすぐ彼が出てくるんだと。
聞き覚えのある名前だけど、すぐに思い出せず「彼は何をしたんですか」と聞いてみたら、「20年以上前に殺人を犯したとされていた人で、当時は17歳だったんですよ」と。
とりあえず夜にでもニュース見てみよう、と思って、その晩ググってみてびっくり、Adnan Syed、あの、ポッドキャスト“Serial”のあの高校生じゃありませんか!
これ私ずっと聞いていたんですよね。
すっかり忘れていたけど。
ポッドキャストのせいでこの事件の知名度はかなり高く、今回のような展開になり、ポッドキャストにかかわっていたジャーナリストの様子も一緒に報道されています。
彼が有罪であるという決めてはかなり怪しげだったんですよね。
でも真犯人はどこでどうなってるのか。
無実の罪で刑務所で人生の一番活発で楽しめる時期を過ごすことになるなんて悔やんでも悔やみ切れませんよね。
本当に無実なのかどうなのかはわかりませんけれども、確実に有罪とも言えないのに刑務所に23年も拘束したのはやはりこれは司法側の落ち度でしょう。
報道されている場面は、私たちが通り過ぎたほんの少しあとのこと。
差別的な視点が不公正な判決に影響していたであろう、という見方は否定できませんよね。
差別のない社会はどこにもありませんけれども。