食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

残り物ミッシュマッシュで夕ご飯と、食の歴史

一人で夕飯だったので、残り物焼うどんチャーハン
一人夕飯のメニュー

数日前の残り物のうどんとご飯を、同じ具に混ぜて炒めた、焼うどんと炒飯のマリアージュ。

やっ、こういう状況で「マリアージュ」って言ってみたかっただけですけど。

マリアージュはフランス語がカタカナになった言葉ですけど、フランス語を話す人が料理の時にマリアージュっていうの聞いた覚えがありません。

mariageは結婚という意味ですが、昨今の欧米人はあんまり結婚しないし。

 

覚えがないだけで実はしょっちゅう言ってるのかもしれませんけど。

 

 

具には残り物野菜の玉ねぎ、青ネギ、紫キャベツ、しめじ、カラシナの漬物、手作り納豆、、を入れました。

 

青菜をニンニクと炒めたのを添えて。あとは味噌汁も。

 

ご飯と麺を合わせた量よりも具の方が多くて、焼うどん!とかチャーハン!とかいう炭水化物系の甘味は若干低めでしたけど、美味しかったです。

 

 

近代以降の日本の社会の変化と食の変化

子供の頃から感じていたのは、九州出身の親が作る料理と、親の仕事の関係で生活していた土地のそれとは結構な地域差があることとか、祖父母と同居するようになってからは、祖母が作る料理と母の料理とですらかなり違いがあったということ。

 

地域差ってかなりありますもんね、日本の場合。(北米比)

それが面白いんですけれど、子供の頃は友達みんなに「それ変!!」とか言われるので苦手でした。

 

あとは祖父母や両親がよく「今みたいな豊かな食事は昔は無理だった、戦争中はみんな飢えていた」と言っていて、食のあり方ってのは年代を経ると変化するもんなんだ、という意識をぼんやりと。

 

 

そういうわけで、自分が馴染んでいるこの「和食」が必ずしも日本国民総出で懐かしいと感じている食事ではないらしい、とか、昔と今では違うらしい、という認識はあったんですけれども、それでも自分の中で慣れ親しんでいる日常食=「当たり前の日本の食事」とどうしても思ってしまうのは仕方ないですよね。

 

 

例えば第二次対戦中の食糧難の様子を描く小説、漫画、映画、ドラマなどを見れば「そうそう、そういう時期があったんだ」とは意識します。

 

でもそんな緊急時というか戦争中という時代を超えたさらに過去の時代でも、日本の食は実はかなり貧しかったらしい、今の時代こそむしろ異常なほどの豊かさらしい、ということを認識したのはかなり大人になってから。

 

 

 

5年くらい前に江戸東京博物館の展示を見てまわっていた時に、江戸中期くらいの庶民の食卓、というのが展示されていて、ご飯、味噌汁、沢庵、煮干し、、みたいな感じだったんですよね。

まあそんなもんだろうねえ、と思いつつも、実際のメニューってどんなだったんだろう、そういう記録ってどれくらいきちんと残ってるんだろう、と気になりました。

 

そういえば随分前にネットでどこかの歴史の書物の紹介記事か何かで、日本も戦前の農村では、煮物を大鍋に作ったらそれを連日食べて暮らしていて、毎日献立を考えるという主婦の仕事は実は戦後からなんだ、、、なんていうのを読んだ記憶があります。

でも、では戦前の農村の一般的な朝昼晩の献立ってどんなだったんだ、というのを検索してもあんまりはっきりとしたことは少なくともネットでは見つけられません。

 

そんなこんなで好奇心だけ空回りしていたら、こんな書籍を見つけたので帰国に合わせて注文して、読んでみましたよ。

 

胃袋の近代 食と人びとの日常史

 

近代、江戸時代が終わって明治が始まってから第二次世界大戦が終わるくらいまでの日本って、おじいちゃんの世代、おじいちゃんの親の世代くらいで、自分と繋がっているような、歴史の教科書の中の物語なような、そんな感じで遠いお話です。

 

その当時の人々、いや、人びとの暮らしの様子が食を通して色々と描かれていて、楽しめました。

 

一膳飯屋とか、名称は聞いたことはあったけど、実際はどんなものなのかわかってなかったし、居酒屋ってのはいわゆる欧米にあるバーとは違って、一膳飯屋みたいなところから飲酒に重点が若干移ったかな、、というところなんだな、とか、昔の日本はやっぱりかなり貧しかったんだなあ、ということを改めて認識しました。

 

www.unp.or.jp

 

日本の産業化という背景の中、繊維業界が発展する中、住み込みで工場で機織り機を操作して働いていたいわゆる女工さんたちの食事の話や、工場を経営する人たちの話などもとても興味深かった。

 

女工さんといえば昔テレビドラマで「おしん」というのがありましたけども、あれは飛騨だか富山だか、あのあたりの雪深くて山岳地帯の厳しい世界が舞台で、かなり過酷でかなり「資本家って人でなし?」という世界観を植え付ける(現実にあの当時の女工さんたちの暮らしがあそこまで酷かったのかどうかは私は知りませんが)お話でした。

 

大根飯ってのが登場してて、でもじっくりあのドラマを観たことがなかった私は「大根飯って何?」といまだによくわかっていません。

大根が炊き込まれたご飯ってことでしょうか、それとも大根葉が混ざってるご飯?

 

著者の湯澤規子氏が書いたものも興味深い↓

www.unp.or.jp

 

資源の少ない国で、大勢の人を健康に幸せに力づけるほどにきちんと食べさせることって実は大変な仕事なんだと感じました。


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