苦瓜との再会
苦瓜はご存知のようにエグ味も苦味も強い野菜ですが、それゆえか子供の頃我が家の食卓に登場する機会はほぼなく、たまーに登場した際には、普段は何がなんでも出されたものは全て食べるべしという方針だった両親が「一つ食べてみて無理だったらそれ以上は食べなくても良いよ」と特例を出してくれた品目でした。
他にはそんな扱いだった食品はなくて、どんな珍味でも出されたら食べないでは済まされなかったのに、それなのにこれは食べなくて良い、というのは子供心に強い印象を残しました。
登場回数もほぼなかったせいもあり、二度と口にしないままこの歳になった私。
沖縄ブームの頃、沖縄の音楽や料理がどんどん紹介されてポピュラーになり「ゴーヤチャンプルーっていうんだよ」とか言われてテーブルの視界の片隅に登場した記憶もありますが、「やっぱり無理」だったんですよね。
その後モントリオールのアジグロの野菜売り場に並んでるのをみて「これは!もしや!」と調べてみたら、Bitter melonというじゃないですか。
まさに苦瓜ですね。
レジのおばちゃん(とか言いつつ年下かも)に聞くと彼女もたまに使うというので、「あなたの国ではどうやって使うんですか?苦味をとる方法ってありますか?」と聞いてみたこともあるんですが、いや別に〜普通に炒めたりしますけど、、という感じの反応で、苦味をとるかどうかについては、質問の意味がわからないようで、それはもうレモンから酸味を取ろうとする人なんかいないのと同様、苦瓜から苦味をとる人なんかいるのか、とでもいう感じで。
ヴィーガンなのに食べない野菜があるのか、と驚かれるかもしれませんが、食べられないものと認識されてきた苦瓜。
その苦瓜と、ネパールで再会しました。
私の皿の上で。
大皿が真ん中にあって、好きなものをとるスタイルだったら避けられますが、個別に皿に乗せられて供されたそれを食べられないと言って残すのは食いしん坊としてはやりたくない。
えいや、と口に入れました。
そして、苦瓜が食べられないアイテムから、あら結構いけるじゃない、というカテゴリーに移行したのでした。
不思議なものですね〜。
ネパールとかスリランカの食べ物というと、日本の家族もモントリオールの友人も「カレーみたいな感じ?」と思うようなんですが、確かにカリーと言われてるものも結構ありますけれども、全然カリーっぽくない、いや、全然は言い過ぎですけど、インドの本格カレーとか日本でも食べられますけれど、あれとはまるで違うんですよ。
ネパールで出会った苦瓜も、ソースとかスパイスとかで味が隠されたりは全くせず、そのまんま。
調理法は、輪切りにしてワタをくり抜いたのを油でカラッと揚げただけ。
塩くらい振ったかもしれませんけども、それだけ。
カラッと苦瓜チップスっぽい薄切りなそれは、カリカリっとしていて小ぶりで食べやすく、恐るに足らぬ、いやいや、結構美味しいからおかわりください。
ダルバート(レンティルのスープみたいなのと野菜いためっぽいものや漬物が何品かとご飯がドカンと盛られてくる定食みたいなもの)はおかずやご飯のおかわりいかがですかー、とお店の人がおかわりを抱えてテーブルにやってきます。追加料金なしです。
ネパールではほぼ毎日ダルバートを食べていた中で、3回くらい出てきたかな、という、それほど頻繁ではないけれど、それほど珍しいというわけでもなさそうなアイテム。
どこの店も調理法は同じ。
ただ輪切りにして揚げるだけなら私でもできるじゃないですか。
これは家に帰ったら真似しなきゃ。
そしてついにその時が来ました。
日本では近所のスーパーでは見かけず、モントリオールで見つけ、早速。
ほくほく。(苦瓜じゃなくて私が。)
ただ、ネパールのとは異なり結構ガタイの大きな苦瓜しかなくて、しかも2本入りでパックになってて、美味しいとは思ったけど2本も食べ切れるのかな(大きいし)と若干心配にはなりつつ。
ネパールで初めて食べた夫も、苦瓜がそんなに私の個人史の中で苦手とされていた食品だとは思いもよらなかったというくらいに抵抗なく食べていたので、自宅で私が調理したものもちゃんと食べてくれるだろうとは思いましたが、何しろサイズが大きいので、大丈夫だろうか。
この日は天ぷらをしたので、苦瓜もちょっとだけ衣をつけてみました。
別の日に残りの一本を、今度は衣じゃなくて片栗粉をまぶして唐揚げっぽく揚げてみましたが、苦瓜の味わいが強いのでどっちでも同じ。
「うん、苦くてえぐい、でも美味しいね」
夫もちゃんと食べてくれ、、いや、どんどん手が出るので一度に一本だけじゃなくて二本揚げても良いかも。
機内のエンターテインメント
機内でしっかり眠ることはまずできないのでいつも最初っから映画をガンガン観たおす作戦ですが、たまに観たい映画がなくて焦ることもあります。
最近はテレビのシリーズでも下手な映画より良いのがあったりするんですが、今回見つけたのが、タイガーウッズの伝記?ドキュメンタリーのシリーズ。
彼は天才的でレジェンドで、その上スキャンダルもあって掘り下げるところに事かかないんでしょうけれど、テレビでいくつものエピソードを放送し続けるほどネタがあったのかとちょっとビックリしつつ。
エピソード1は彼の子供時代からメイジャー連勝記録を重ね、結婚するあたりまでの成功と、親しい人々が垣間見ていたタイガーと両親との濃くてちょっとすごい関係について。
あのまま問題なくプレッシャーを物ともせず淡々と勝ち続けていたならば、こういうテレビシリーズにはならなかったんでしょうけど、それにしても世の中にはすごいコントロールフリークな親もいるもんだ。
夫はエピソード2も見てましたが、私は1だけでお腹いっぱい。
あとは、これまたバイオ映画のRay。
youtu.be2004年の作品だったんですね、そんな前でしたっけ。
Ray Charlesは音は結構好きなんですが、歌詞がセクシストというか昔の人だからしょうがないんだけど、聞いてるうちに嫌になってくるんですよ。(映画観ててちょっと納得してみたり。ふふふ)
CDセットとか持ってるんですが最近は全く聞いていなかった。
また聞いてみようかな。
スコセッシの新作も観ました。
長いから映画館に行くのが躊躇われてたので、機内で観られてよかった。
いや、本当に長いですもん。
長すぎる、延々と同じような描写が繰り返されすぎる、しつこい、もういい、わかったから進んでくれ、と終わるのを待ちのぞみながら観てるってのも変なもんです。
ネイティブの人々の視点を組み入れるなど、それまでにない姿勢を示した力作なのはわかるんですけど、ここまで長くしなくても良いのでは。
ディレクターズカットじゃなくてビューアーズ短縮版が必要では。