シンプルなトマトソース
一番好きなパスタはボンゴレビアンコだったヴィーガンになる前の私。
トマトソースはあんまり好きじゃないというか、嫌いじゃないですけど自分から食べようとは思わないという感じの食べ物。
夫が作るトマトソースには別のフライパンでしっかり焦げ目をつけたナスなど、野菜がいっぱい入っていて、ナスの味が美味しいので喜んでますけど、トマトがうまい、とか考えたことがありませんでした。
で、ある日、りんごの処理を延々としていた時にかけ流していたYouTubeで、イタリア人と結婚したアメリカ人の女性による、イタリア人にはアメリカの市販のトマトソースはどう感じられるのか、みたいなのが始まりました。
目隠しして味見するイタリア出身の男性はほぼ全て「まずい、アメリカナイズされた味だ」と。
アメリカ人女性が「アメリカナイズされた味とは一体どんな味?」と聞いたら「ニンニクが多すぎる、色々と入れすぎてトマトの味じゃなくて複雑な味になりすぎてる、トマトの味よりニンニクの味やハーブの味が強調されている」などなど。
それって多分アメリカに限らない気がしますけどね。
多分日本のトマトソースを食べてもそうおっしゃるような気がします。
ふ〜ん、トマトの味を全面にね。
そのエピソードは終り、そして勝手に次のビデオが再生され始めました。
りんごで汚れている手で画面を触りたくないのでそのままにして作業をしていたら、YouTubeのアルゴリズムで次に選ばれたビデオもトマトソースの味比べ!
今度はイタリア人女性と結婚したアメリカ人男性が作ったビデオ。
この方のYouTubeは前にも見たことがありました。
そんなわけで、同じような企画だからあえて見たいとも思わないけど、手を洗うのも面倒くさいしさっさとりんごの作業を進めたいので、画面をろくに見もせずに耳を傾けていたイタリア人によるアメリカの市販のトマトソース批判第二弾。
この方もやはり「トマトソースなのにニンニクがキツすぎる」「複雑な味にしすぎる、私はトマトの味を楽しみたいのにハーブが入りすぎ」と。
そうなのか、やはりニンニクやハーブを入れれば良いって言うわけじゃないと。
2番目に出てきたビデオはイタリア出身の女性がいろいろなイタリア料理を作るエピソードが他にもたくさん出ているチャンネルのもので、その女性が前に作って見せたシンプルで美味しいトマトソースのレシピビデオもあるので、そちらもぜひ見てください、と。
そんならやってみようじゃないですか。
と言うことで挑戦したのが、今回のシンプルなトマトソースのパスタです。
このチャンネルの方はチェリートマトをお使いになってたんですけど、私は普通のトマトで。
彼女のレシピのものとは味が若干変わるとは思いますが、初めて美味しいと思ったトマトソースなので、やっぱり作り方が良かったんでしょう。
鍋で作るバージョンと、オーブンでローストしてから作るバージョンが紹介されていたので、私は皮を取り除いたりする必要のないオーブンバージョンで作りました。
レシピは基本的に上のリンクに載っているものに従いましたが、ニンニクを入れるタイミングがレシピだとロースト済みのトマトをブレンダーに入れるときに入れちゃいましょう、という説明で、そうすると生のニンニクのままになっちゃうので、合計60分ローストする際の、後半の30分のところで皮を剥いたニンニクを3こ入れてみました。
オリーブオイル、トマト、塩、胡椒、オレガノ、ニンニク、それだけなのにとても美味しくできました(生のバジルがなかったのでバジル抜きです。乾燥バジルは風味が嫌いなので使いません。)
来年、トマトがたくさん出る季節になったらまたつくろう!と思いましたよ。
そうそう、イタリアの方達にとってのパスタはやっぱり日本人にとってのうどんやそばと同じように大事な食べ物なのだろうと思うのですが、前々から疑問なのは、なぜ彼らはどのパスタとどのソースを合わせるのか、なんてことにそこまでこだわるのかということ。
個人差もあるのかもしれませんけども。
以前友人がアパートの空き部屋を留学生などに間貸していたことがあるんですが、イタリアから来た学生さんが、彼女が夕ご飯にパスタを作っているのを目撃して「あなた、パスタになんてことを!」ってかなり怒っていたとか。
「私の父がそのパスタを見たら絶対許さない!」とか。
そんなの知ったこっちゃないけどね、と友人。
日本のうどんやそばは、結構色々ありですけど。
あ、でもそばはやっぱりサラダそばとかは抵抗あるから、そういうことかな?
サラダそばに抵抗があるのは私だけなのかもしれませんけどね。
サラダうどんは平気なので、理屈じゃないってことか。
食の好みなんて所詮は慣れ