
ポルトガルのパン屋さん
ポルトガルで美味しいものって何が有名でしょうね。
イワシが美味しい、というのは日本人には嬉しいでしょうけど、ヨーロッパの人たちはあんまり期待しなさそう?
日本の人でもイワシが苦手な人はいるか。
ヴィーガンになっちゃったから、ポルトガルで食べられる美味しいものの多くは私は見てるだけになっちゃいますけどね。
卵たっぷりのパステルデナタとかタコのグリルとか。
それはさておき、モントリオールにはポルトガル出身の人が多く住む地域というのが昔ありました。
ここ20年くらいのジェントリフィケーションで多分彼らは市内のその地域から離れてしまったんだと思うんですが、昔はあの辺りにポルトガルのパン屋さんがあったなあ〜なんて懐かしかったんですが、一昨年あたりにモントリオールの北にあるラヴァル市に、ポルトガルのパン屋さんを発見しました。
以前はそこのパン屋さんのパンはうちから徒歩5分のギリシア系スーパーで買えてたんですが、ある時から見かけなくなり(のちに、スーパー側が支払いを滞納し踏み倒したという事情が判明、酷いこっちゃ。)
ラヴァルにはギリシア系の住民が多い地域があって、ギリシアとポルトガルは違うけど、モントリオール市内のギリシア系の地域とポルトガルの地域は結構隣接してたし、ひょっとしてみんなしてあっちに移動したのかな?
なーんて思いながら、微妙に遠いのでしょっちゅうは行けないんですが、何かのついでにラヴァルを通る時はなるべくそこのパン屋さんに行きます。
世界の美味しいパンって言ったらやっぱり有名どころはフランスとかドイツとかですけれど、ポルトガルは特にパンで有名じゃないかもしれませんが、とうもろこしのパン(pan de millo/ broa de millo)とかフワッフワのバン(papo-seco/ carcaça)、あれらは何度か挑戦したんですけどなかなか上手く焼けません。
実はすごい技術なのかな、ポルトガルのパン。
土曜日に立ち寄ったそこの店内にはすでにカウンターの前に行列ができていて、我々が並んで待っている間もどんどん人が入ってきてて、賑わってて大変よろしい。
YouTubeにはいくつかレシピを公開してる方がいらっしゃいますが、やってることは別に特別なことじゃなくて、簡単そうなんですけども、焼き上がりがパン屋さんで売ってるあれのようなふわふわになったことがありません。
この方はバター入れてますね。
オリーブオイル入れてる人もいるので、バターかどうかは好みだと思います。
うちが行くパン屋さんの材料リストにバターは入っていませんが、バター使ってる店もあるのかもしれないということは、別のお店で見かけた場合は確認しなければ。
GAP
ケベック州の医療は、住民は基本的に無料です。
ただ日本だったら自分で評判の良い医院や病院へ行けば、待たされることはあれどだいたいその日のうちに診てもらえますが、ケベックの場合は(というか多くの欧米の場合は)GPとかファミリードクターとか言われる自分の担当医というか主治医?に電話して予約して出向き、そこで診察してもらったあと、主治医の判断によりますが、さらなる検査だとか治療だとかをする場所に回されるので、時間も手間もかかります。
とはいえ主治医がいる人は幸運で、ここ十数年来、ファミリードクターは不足していて、多くの人々が主治医が見つけられない現状です。
私と夫は主治医が3年前に引退してしまい、その後はケベック州政府による「主治医がいない人々のための臨時のシステム」GAP(Guichet d’accès à la première ligne第一線への窓口というような意味合い)のお世話になっています。
フランス語の政府機関の名称はものすごく語数が多く、そのせいで略語もエライ長くて(しかもアルファベットが音的には無意味に連なるわけなので覚えにくい)大変ですが、GAPは短くてしかも「医療制度の欠陥のギャップにハマってる私たちのシステム」という印象も手伝って大変覚えやすくて良いです(皮肉です。)
モントリオールは特に医者不足なので、新たに引っ越してくる人々はほぼ基本的にGAPのお世話になるんじゃないでしょうか。
もっとたくさん医師を育てて欲しいですけれど、メディカルスクールを卒業した医師の卵たちも英語系の学生だと英語圏に行っちゃったりしかねないので難しいところです。
GAPを使う
最初はまずGAPに登録します。
詳細は忘れましたが、州政府のサイト、quebec.caに登録するページがあります。

Registering with a family doctorとあるリンクをクリックして登録ページへ進みます。
登録に必要なのは保険証(soreil card)の情報など基本的な個人情報。
州政府のサービスは基本的にフランス語なのですが、このページ、今みたら英語を選択する権利のない人はフラ語ページを使え、っていうメッセージがありますね。
数年前に州議会で可決された言語に関する法律で、政府の公用語はフラ語のみで、英語のサービスを受ける権利を有する人を限定する(少なくとも片親が英語系であることなど)カテゴリーがあって、それに該当しない人はこういうページで英語を選べない(でもそんなの関係ない、って英語を使う人もいるとは思いますが)現状です。
申し込みに必要な事柄はそれほど込み入ってないので大丈夫だとは思います。
ここで登録しておくと、しばらくして忘れた頃にGAPのクリニックの所在地が書かれた書類が郵送されてきます。
医師に診察してもらいたい折にはここのクリニックが担当します、というもの。
でも実際に予約を入れたい場合はそのクリニックに直接電話するわけじゃなく、811に電話してGAPのシステムを利用するという流れになります。
大体の流れはこんな感じ;
- 811に電話する
- 言語選択(流石にここでは英語を選ぶ権利が〜、は言われない。生死に関わるかもしれないし。)
- オプション選択(GAPは3)
- 長ーい保留音楽を楽しむ(ケベコワ音楽に親しむチャンス)
- 人間のエージェントが出てきて、こちらの要件を伝えることができる。(色々質問されます)
- ついにクリニックの予約ができるかなと思ったら「あなたのリクエストをシステムに打ち込みましたので、しばらくしたら(数時間か翌日以降かは不明)折り返しの電話がかかります」と言われてこの電話はお終い。
- 折り返しの電話は3回チャンスがあり、シャワーに入ってたり通勤途中で出られなくても、2回め、3回めに出られれば大丈夫(三振したら振り出しに戻る。)
- 電話に出たら、最初のエージェントに説明したことと同じことを説明(似たような質問をされる)
- さあ予約か?と思ったら「では担当者に回しますので保留音楽をお楽しみください」ケベコワ音楽をまた堪能する。
- 保留音楽のサビを口ずさめるまで習得した頃、ついに予約担当の人が登場して、この日はどうだ、と打診されるので、そこで自分の都合を鑑みて予約の日時を決める。(絶対に遅刻するな、予約時間の15分前までに出頭せよ、と厳しめの口調で言われる。)
予約の日時は電話口でメモらずともメールかテキストメッセージですぐに受け取れます。
医療サービスを受ける前に忍耐力トレーニングを受けてると思って挑むと、それぞれのエージェントさんたちも割と優しくて、予約をカレンダーに入れる頃には達成感のようなものも感じるかもしれません。
なかなか診断に辿り着けないケベックの医療の現実を前に、たとえ無料でも面倒すぎるからと、健康に気をつけるようになりましたし、風邪くらいでいちいち医師に会いに行っていた過去の自分からは信じられないほど医者と無縁(色んな意味で)になりまして、GAPに登録してからこれを利用するのはなんと今回で2回めです。
世界各国の医療システム、先進国は某国以外は基本的に国民皆保険で貧富の差に関係なく医療サービスを受けられるように配慮されていますが、どこの国が一番優秀なのか、といった調査ではフランスとかイギリスとかが上位に来る感じでしょうか。
いつの日か改良されて欲しいもの