北米と一口に言っても、西海岸の開けた都会もあれば、東海岸の辺鄙な集落もあり、もちろん西側にだって辺鄙な片田舎はあり、東側にもコスモポリタンな大都会もあります。
全体的に言って、都会に行けば行くほど世界中からの移民が多く、それゆえに移民の出身国の食材を扱う店及びレストランなどのバリエーションも広がります。
私が住んでいる町は、国連のように各国から人々が集まる多様性見本市のような所です。おかげで、食いしん坊にも嬉しい各国料理を食べられる手ごろな食堂もゴロゴロとあります。
そんな中で、和食の食材はどれくらい簡単に調達できるのか。
私がこの地に根を下ろしたほぼ20年前。当時は中華街と一軒だけあった高級日本食材店でしか和食材を見つけられる場所がなく、見つかっても大変な高値だったり種類が限られていたり。所詮この地で和食なんか探すのが間違ってるんだと、すっかり諦めておりました。
数年後ひょんなことで知り合った日本女性が冷凍枝豆をお土産にやってきて、「ええ?そんなものがあるの?」それから注意してアジア系のグロサリー・ストアをチェックするようになったら、あれ、こんなものも、あれあれ、あんなものも。
それから年々いろんな食品が入手可能になってきました。ありがたや〜。
今では、日本と同様の選択肢・品質・フレッシュさ、さえ求めなければ、かなりいろんなものが手に入るようになったと思われます。新鮮な野菜、魚介類、海藻類を除けば。
私は月に一度、街の反対側にある韓国食材店に買い出しに行きます。
そこで買えるものといえば、納豆(冷凍)冷凍うどん(こんなものがこちらでも買えるなんて感激です。見つけたのは3ヶ月ほど前)白菜、豆腐、こんにゃく、日本製の味噌、日本米みたいな中粒米(カリフォルニア産)、中粒米の玄米、黒ごま、白胡麻、乾麺の蕎麦、乾燥大豆、油揚げ、昆布、、、あと、大根とかごぼう、ニンニクの茎やもやしなども。
おせんべいとか日本のお菓子もありますし、おた*くソースやブル*ッグソース、冷凍のおでん種とか冷凍のたこ焼きなんてものまであります。
日本の季節のお野菜などは、まずありませんが、日本以外の東アジア諸国や、特に韓国でも普通に食べるような野菜はありますし、中国産のちょっと古くなって部分的にピンクに変色している長芋の真空パックなんていうのもあります。
野菜類はほぼどれも中国産なようで、それがちょっと気にならないといえば嘘になります。
でも、アジアの食材、特に日本人が好むものなど無いのが当然だった土地にいて、こういうものが手に入るようになったのはとても嬉しいことだと思います。
遠い日本や東アジア諸国から輸送されてくる食品ですから、これらを買うことでうちのフード・マイレージは結構高くなるのです。なるべく地元産のもので賄えるようにと思いつつ、たまには食べたい、というものをありがたく食べているのですが、これがいつまでも可能な贅沢かどうかはわかりません。納豆のように自分で作れるものや、別のもので代用できるものは積極的に切り替えています。ですので、ブランド志向とか本物志向みたいな考えとは逆行してますね。
そういえば、先日、件の韓国食材店へ買い出しに行ってきた時に見つけたのですが、冷凍うどん(讃岐風とか讃岐なんとか、とかどれも讃岐うどんのイメージでマーケティング)のパッケージを見ていたら、値段の安い順に中国製、台湾製、韓国製、日本製、となっていて、日清*粉のブランドのが一番高価だったのです。まあ、うどんだし、うどんを買うのは日本人もしくはうどんをあえて買うモノズキな方だろうから、日本製が一番高値なのは理解できますね。
では、製品の原材料リストはどんなだろう、と見てみましたら、日本製以外は全て、小麦粉、水、塩、と当たり前なうどんの原材料。日本製のパッケージの一つを見てみたら、小麦粉、塩、水に加え、加工でんぷんと日本語であり、英語表記ではstarch acetate とありました。
家に帰ってググってみたら、冷凍食品や加工食品で、とろみをつけるために使われるものらしく、でんぷんの原料は、ジャガイモ、トウモロコシなどいろいろですが、遺伝子操作されたものが使用されることが多いということでした。
遺伝子操作された食品が人体にどう影響するのかは未だにはっきりとは分かっておらず、だからこそ使用された食品にはきっちり表示して欲しいという主張と、表示することでネガティブな扱いを受けることを懸念して表示に強く反対する食品業界と立場が分かれています。
加工でんぷんに関しては、でんぷんの原材料が遺伝子操作されたものであるかどうかを表示する規制も習慣もないようです。
何れにしても、どこかの国の製品を避けて日本製の物を買っていれば安心、という判断ではいけないなと思ったのでした。