インスタグラムで、こんなの見つけました。
パイナップルまで袋に?あれもこれも?
はたまたこんなのも見つけました。
市町村が回収してコンポストしてくれる野菜くずなどを一旦入れておくコンポスト容器(ビン)の中敷用の「コンポスタブルなライナー(袋)」です。
要するにこのプラスティックに見える袋たちも、中身と一緒に市町村のコンポストに混ざってそのうち土になりますよ、というもの。
値札の6.99ドルは10枚入りの大きめな袋の値段なのか、20枚入りのやや小さめな袋のものなのか見極めきれませんでしたが、どちらにしても高いっすね〜。笑
コンポスト=野菜くずなど食べ物のゴミを土に返すことでゴミの量を減らす、という目的で、あちこちの市町村で行われているコンポスト回収。
回収してもらうまでの一週間、容器に生ゴミを入れておくわけなので、当然ヌルヌルっとなり、匂いもたち、扱いはそれほど楽しくありません。
だからライナーを入れて、回収された後のビンをいちいち洗わなくても済むように、、、ということなのですね。
それは理解できるのですが、でもなんだか、「どんなに環境のために行動を変えても所詮はプラスティックの便利さ依存を振り切れない人間の悲しいサガ!」という風に見えて仕方ない。
我が家は市町村の回収には出さず、家でコンポストをやっているので、こういうライナーを買うことはおろか、存在すら知らず。
台所で1回調理するたびにでる野菜くず(は850ml入りのプラスティックのトウフ容器を使いまわしてるものに一旦まとめます)を裏庭か地下室のコンポスト容器に持って行っておしまいです。ヌルヌルも怖くない。笑
アパートなどにお住いだと、室内にコンポストって、、、と躊躇することもあろうかとは思いますが、庭やベランダがあるなら、コンポストを自宅でやると、ライナーなど不要になり、ゴミも出費も減らせますね。
コンポスタブル・ライナーは安全なのか?
土に還るとはいえ、環境に有害なガスを発生するとかなんとか、前に聞いたような覚えがあったので、コンポストにガンガンこういう「プラスティック」なものを入れてもいいものか、と疑問を感じまして、ググりました。
疑問の回答の前に、面白いものを発見しました。
オンタリオ州はトロント市の環境保護団体のサイトです。
コンポスト・ビンに使うライナー、何が一番いいのかしらというトロント市民へのアドバイスなのですが、まず回収容器には大きめなプラスティックバッグもしくはセルロースの層がついている紙袋を使うといいですよ、と。
え?プラスティックでもいいの?と思いつつ、回収容器に入れる前の段階で、キッチン内で食べ物ゴミを集めておくためのビンに使うライナーに関してのおすすめを読み進むと、
- ライナーを使わないでおきましょう。キッチン・ビンは手洗いやディッシュウォッシャーで洗うのも簡単です。
- 紙袋や古新聞を使いましょう。紙製のセルロース層がついたビン・ライナーを買うこともできますよ。
- 普通のプラスティック・バッグを使いましょう。例えばパン、ミルク、野菜などが入ってきた袋を再利用しましょう。(カナダには4リットルの牛乳を三つのプラスティックバッグに入れたのをさらにもう一枚の大きめのバッグに入れた製品が出回っています。)
最初の二つは「そうそう、そうだよね」と思いつつ読んでましたが、三つ目で「ええ?また普通のプラスティック?」と再び驚きましたが、これは次の点で解決というか納得しました。
- 注意)トロントではコンポストで回収されたコンポスト用のビン・ライナーや普通のプラスティック・バッグは全てコンポスト処理の段階で除去され、ランドフィルにゴミとして送られます。コンポスタブルとされる袋もゴミになり埋められるので、実際には光と空気が欠如するため生分解されないことになりますので、コンポスタブルのライナーを使うことが環境にとってより良いとはいえません。
コンポストやゴミの処理の仕方、詳細は市町村次第ですので、どこも同じだと思わないでいただきたいのですが、トロント市に限っては、上の写真のような「ビン・ライナー」「コンポスタブル」を大枚叩いて買っても無駄なのです。
ライナーって所詮は自分の便利さ、汚いものに触らなくて済ませたいという気持ちのために存在するわけで、そのために延々とプラスティックゴミをランドフィルに送り続けるのも、ね、、、。
プラスティックバッグにすでに入っている食料品などを買っている身としては、私はイノセントよ、とは言えませんし、言うつもりでもありませんので誤解のないよう。
でもトロントに住んでいる方なら、コンポスタブルのライナーを買うよりは食料品のパッケージ袋を再利用する方が環境への負荷は軽くなるわけですね。
コンポスタブル、バイオデグレイダブル製品はグリーン・ウォッシュか
グリーン・ウォッシュとは、本来は問題を根本的に解決しているわけではないけれど、見かけや聞こえが「環境のために良い」ように思い込ませるマーケティングの手段、、と言うような意味合いです。
例えばファースト・ファッションのブランドが店舗で古着の回収をしてお客に5ドル程度のクーポンを渡し、「私たちの会社はリサイクルしてます」と言いつつお客がクーポンを使いに買い物に来ることを狙って販売促進をしているのはグリーン・ウォッシュの一例ですし、そうやって消費が増えていくことは却って環境への負担を増やすことになるので、「解決してるわけではないけれど」よりむしろ「良いと思わせて自社の利益のために引き続き環境へ負担をかける」と言う方が正しいかも。
で、問題のコンポスタブル・プラスティック、良いのか悪いのかどっちよという話。
詳しくはこちらの記事を読んでいただくとして、実際問題、コンポスタブルであれ普通のプラスティックであれ、いずれもランドフィルへ埋められれば何年経ってもプラスティックのまま、海に流れていけば食べ物だと間違われて野生動物の命を縮め、「コンポスタブル」「バイオデグレイダブル」だから普通のプラスティックよりも環境に良いとは言えないのは確かなよう。
コンポスタブルのものとバイオデグレイダブル(生分解可能)のもの、どう違うの?という混乱がありますが、どちらも国際的な基準というか定義は不在な模様で、カナダとアメリカでは分解するプラスティックのことを「コンポスタブル」という呼び方で商品化されている、、、ようです。
毎年市が無料で分けてくれる「回収したコンポストで出来上がったコンポスト(腐葉土)」過去何度かもらいに行ったことがあるのです。
車で大きなバケツに何杯ももらう人あり、車のトランクに敷物を敷いてそこに直接乗るだけ乗せてもらっていく人あり。
うちはそんなに貰っても使いきれないし、最近は貰うこともありませんが、貰ってきたコンポストを畑にまいていたら、中からヨレヨレになった古いプラスティックの袋の切れ端がちょこちょこ出てきてたんですよね。
ライナーの分解しそこないなのか、分別間違われて紛れ込んだものなのか、、、
ゴミの処理って、処理技術だけでなく、分別する多数の人間がきちんと基準を守って正しく分別できるかどうかにもかかってますよね。
そう考えると、市のコンポスト(腐葉土になったもの)はあんまり欲しくないかも