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ケベック州のテナントを守る法律

先週、職場でウェルフェア受給者や住宅補助受給者のためのワークショップをしてくださるNPOとのやり取りをしていたのですが、そのNPOのチラシを眺めていたら、自分が思い込んでいたことに若干間違いがあったことに気がつきました。

 

だいぶ前に書いた、室温設定の記事で、私の住んでいる州では室温設定が20度に保てない場合は、そうできるように対処しない大家は罰せられるんですよって書いたと思うんですけれど、間違っていました。

 

21度でした。(1度の違いですけど)

訂正いたします。

 

私が住むケベック州では、テナントの権利はかなり保証されているので、大家さんが一向に改善してくれない場合は出るところに出ると(州政府の住宅関係の事務所ですけれど)簡単な法廷みたいなところで双方の言い分を言い、違法な大家には、被害者のテナントに被害総額を支払えとか、被害総額に鑑みて、一ヶ月分の家賃を無料にしてやれ、とか、そういうお裁きが降ります。

 

寒冷地ですから、住宅をきちんと暖かくできないような設備で人に貸すのは下手すると命に関わりますからね。

住宅そのものも、暖房をけちったり断熱材をけちった家なんかで室内に氷が張るようなところだと、その氷が溶けて湿った壁や床がカビ、カビが広がって住宅のあちこちが痛み始めますし、カビ臭い不健康な空気の中で生活すると健康を害することもあります。

だから、こういう賃貸に引っ越してしまっても、我慢してちゃいけないんですよね。

 

7月1日はカナダではカナダ・デーですが、モントリオールでは引っ越しの日です。

この日に新しいアパートに引っ越す場合、だいたい4月中に大家にはリースを更新するつもりがないことを通知して次のアパートを探し始める必要があります。

外国人のアパート探しは常に、無知なことにつけ込もうとしてる相手とのやりとりの可能性を孕んでいますので、簡単なテナントの権利などについて書いてみようと思います。

 

 

テナントとして、もしくは部屋探しをしている人としての権利は、室温だけではなくて、他にも

 

  • 入居時にデポジットを要求するのは違法 (日本でいうなら敷金ですかね)
  • Social Insurance Number(SIN) を教えろと言うのも違法  
  • 前の住人が支払っていた家賃をリースに記入する欄があり、テナントは前の住人の家賃と自分に請求されている家賃の差額を知ることができる。
  • 物価の上昇率、そのユニットの暖房施設のエネルギー(電力、オイル、天然ガスなど)の値上げ率などにより、前の人の家賃と自分の家賃との値上げ率が制限されている。

 

それ以外にも色々と細かくテナントの権利が決められています。

 

そういう法律っていうのは、あるけれど自分がそれを大家に言ってもうまくかわされてしまう、ごまかされてしまう、というのが現状だったりしがちです。

でも、そこでモヤモヤしたまま泣き寝入りすることはなくて、この法律に則った対処をしてもらうように、テナントを保護するNPOやボランティア団体などが色々とあります。

自分の権利をしっかりと知って、それを大家に書面で伝えて改善を求め、それでダメな場合は次はどうすればいいのか、手順をきちんと教えてくれます。

 

私も随分前にアパートの入居を決める時に大家が「外国人だからよくわかってないだろう」と思っていたのか、SINを教えろと言われたり、前の家賃のことは教えてくれなかったり、という経験をしました。

 

違法なんだから嫌だ、と言ってしまうと、それなら君には貸さない、なんて言われるかも、、と思ったので、「外国人だから持っていない」と逆に外国人の事情に詳しくないだろう地元民の無知につけ込んだ嘘でごまかしましたが。(外国人に貸した経験の豊富な大家ならそういう嘘は通じないだろうから、嘘で誤魔化すのはおすすめしませんけれど。)

それ以外にも色々と問題のある大家だったので、州の機関(Régie du logement)に持ち込む展開になりましたが、まあ面倒なことは面倒でしたけど、正当な権利を主張しただけでしたので、楽勝でした。

https://www.rdl.gouv.qc.ca

 

ただ、こちらに正当な権利があるのかないのか、友人たちの言葉を鵜呑みにするのはやはり不安だったので、州のお役所に持ち込む前にあちこちに存在する賃貸住宅問題の解決を手伝ってくれるボランティア団体の一つを訪れて自分の状況を伝えてプロ(法律を学ぶ学生がボランティアしていたりもします)のアドバイスをいただきましたけれど(無料で。)

私の場合は事情を説明したら「君のケースは単純だから、州政府に行って手続きしたら、時間はかかるけどちゃんと勝つから心配ない、楽勝楽勝、はい、次の人」みたいな簡単な(3分くらいだったか)やり取りだけでしたが、本当にそのあとはすべてのプロセスを自分一人で進めていけたので、現在ひょっとしてテナントとして窮地に立たされている人たちは、自分の権利をしっかり把握してきっちりと法律を利用しましょう。

 

私が賃貸に住んでこういった事情に詳しかった頃と現在では若干法律が変化してる可能性もありますけれど、現在はそれこそインターネットでググレばいくらでも情報が手に入ります。

実際に法に通じてる人に相談したい場合は、tenants rights, legal guide, などいろいろなキーワードでググってみたら、いろんな相談に応じてくれる団体が存在します。

 

部屋探ししてる多くの人々が、揉め事のない、いいアパートを見つけられるといいですね。

 


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