食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

印象の操作は簡単に

以前、夫と朝ごはんを食べていた時、

食卓に出してあったジャムの瓶に蓋をしようと、蓋を手に取った時、蓋の絵柄を見て「素敵な農家で昔ながらの製法で作っているジャム、、て言いたいのかな?」

とふと気になりまして。

フランス製のそのジャムは、もう一つのフランス製のジャムブランドと並んで、スーパーの棚で輝いていますが、北米産のジャムよりもやっぱりデザインが比較的素敵なんですよね。

 

ジャムなんて、素材が良くて新鮮なら基本的にとても簡単に作れるものですが、でもなぜか「フランスなんだよ」って言う素敵な印象が販売戦略にも生きてくるのでしょう。

値段は北米の普通のメーカーのものより若干割高です。

 

このメーカーのジャムです。St Dalfour。砂糖不使用のジャム。

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で、裏側のラベルにあった住所をググって見たのです。

上の写真でご存知の方はもうお分かりでしょうけれど、会社の名前はSt. Dalfour 。

St Dalfour

 

確かにフランス産、フランスの住所。そして地図上には紛れもなくSt.Dalfourと掲載されています。

では、どんな素敵な農場なのかな、とグーグルの黄色い人を地図上にドラッグして行きましたら、、、、、、、、、、、、、、、

 

 

 

黄色い人が着地したその通りは、何だか全然素敵じゃない田舎の工業地帯でしたよ!

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 グーグル・ストリート・ヴューですので、ブランド名や会社名はぼかしが入ってますが、写真の右側にはぼかされてない(けど角度的にはっきりは読みにくい)St Dalfourのロゴが見えますね。

 

うちの街の郊外にもこう言う地区ありますよ!

まるで地元のインダストリアル・パーク(巨大な工場やウェアハウスが並ぶ地区)みたい!全然素敵じゃない!

 

もちろん、この会社のように成功して、北米のうちの街の普通のスーパーにまで商品が並ぶような販売網を誇る会社が、ちまちまと手作りで農家の庭先で作ってるわけはありません。

 

ベルトコンベアでジャム瓶がが、が、がっと進んできて、そこにロボットでラベルがパシ、パシ、と正確に貼り付けられ、と上からスンテンレス製のチューブが降りてきてジャムが瓶の中にシャッシャッシャッと注入され、ジャムの蓋がこれまたロボットによってパシッパシッパシ、とはめられ、、、最終的にはこのグーグルマップの写真(は2012年9月に撮影されたそう)のような建物から運搬トラックやコンテナーに詰め込まれてヨーロッパ中、アメリカ大陸南北、多分中国や韓国や日本、きっとオーストラリアやニュージーランドまでも、、、。

 

それ自体は効率化ですからね、そうでないと成り立たないでしょう。

でも、素敵だ〜、フランスだ〜、と消費者がフラフラ〜っと他の国産ブランドよりも割高なこの商品を選ぶために「こんなふうに生産してるんですよ」と見せて効果的な絵柄ではございません。

 

と言うわけで、この商品にはあまり関係のないと思われる、芝生の丘の上に立つ牧歌的な農家のイラスト、あくまでイメージですからね、イメージ、農家のおばあちゃんが作ってくれているジャム、のような、、という印象を刷り込むために、蓋にはこちらを印刷しておきましょう、、、、ということなんでしょうね。

 

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ジャムの正面からの写真はネット上にたくさんありますが、蓋の写真はなかなか、、やっと見つけたのは、日本向けのラベルが付いたものみたいです!蓋のイラスト、小さいですが、なんとなくわかりますでしょうか、、、広大なの農地と赤い屋根の農家らしき家です。

しかし日本向け商品はなぜいつもサイズが一回り小さくなるんでしょうね。

 

こう言うのはマーケティング戦略の中ではどちらかというと低予算であまり大げさでもない、大したことのないことなのかもしれませんけれど、でもこう言う絵柄で何となくしっかり考えたわけでもないし誰に言われたわけでもないのに、家族的な生産者、昔ながらの、とか、自然な、、とか、そう言う印象をしっかりと植え付けるのには有効です。

 

そう考えると、パッケージに騙されやすいというか、操作されるのは結構簡単なことですよね。

食品売り場に並んでいる加工食品にどれくらいこういっただまし絵的デザインが使われていることやら。

 

 


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