日本のサイズで言ったら2カップくらいでしょうか。安いし早いし美味しいし、助かります、スプリット・ピー。
北米ではレイバーデイで三連休でしたが、皆様、夏の終わりの最後の祝日を楽しくお過ごしでしたでしょうか。
私は先週引いた風邪が治らず、連休中ずっと寝込んでおりました。
せっかくの連休だったのに、、勿体ない、、、。
風邪で寝込んでいてもご飯食べなきゃいけません。
夫もちょっとは作ってくれますけれど、風邪引いてるときは、自分が食べたいものが食べたい、、(いつもそうですけど)と、夫に材料を切ってもらって、風邪にも看病する家族にも優しいスープを作りましたよ。
ヴィーガン・ピースープ
材料
- 玉ねぎ
- にんにく
- 生姜
- 人参
- バーリー(大麦)
- スプリット・ピー
- 好みのスパイス(クミン、ターメリック、コショウ)
ピーがスープのボディ、麦はさじですくった時に5〜6粒くらい入っていてプチプチの舌触りを楽しむため、野菜類も好みで分量のバランスを決めます。
手順
- 玉ねぎ、人参は1〜2センチくらいの角切りに、にんにくは潰して粗みじん切り、生姜は皮をむいてすりおろす。
- 玉ねぎ、人参、にんにくの順に厚手の鍋で炒める。炒めるときに塩を少量パラパラとふりかけて、野菜から水が出るようにしてやる。(塩の量は全体の味に影響するのでくれぐれも注意して)
- 生姜、麦(生のまま)、スプリット・ピーを加えて、スパイス類も加えて全体に混ぜ、水を加え、蓋をする。
- ふつふつと湧いてきたら火を弱めてスプリット・ピーに火が通るまで加熱する。
水ではなく出汁でもいいですが、スプリット・ピーの味を楽しむには水で十分です。
そのため、うちでは出汁がないときにスープを作りたくなったらスプリット・ピー、という感じです。
スプリット・ピーは調理後温度が下がるとアンコのようなモタッとした状態になる(豆類ですから)ものなので、水分量を調整すれば、どろっとした濃いスープにもなるけれど、それは翌日の楽しみとして、私は初日はむしろ麦のプチプチした感触を楽しめる程度の濃度で作ります。
作り始めにちょっと水っぽいかなと思っていても、しばらくするとピーが吸水して膨らんできますので、様子を見ながら、必要なら水を足して。
スプリット・ピーは、ピーを乾燥させ製品として出荷されてから、お店で私がカゴに入れるまでどれくらいの時間が経過しているのか、毎回よくわからないのですけれど、他の乾燥豆のように前夜から浸水しておかなくてもちゃんと柔らかくはなりますが、「30分もすれば出来上がり」というレシピもありますが、それは多分かなり鮮度のいい場合ではないかと思います。
私が買ってきたスプリット・ピーはいつも大概小一時間かかります。
スプリット・ピーは、イエローとグリーンの二種類ありますが、どちらでも。ただ、乾燥・ピーとして、スプリットではなくてまるごとの乾燥・ピーも存在しますが、これは前日から浸水しておいてもちょっと芯が残るような感じなので私は避けています。
何かコツがあるのかもしれませんが。
鍋底にちょっとだけ、に見えますが、鍋の直径26センチで、深さは半分ちょっとくらいでしょうか。パンと一緒に食べて、二人で夕食一回、昼食に一回くらいの分量になります。
小一時間コトコト調理するので、スパイスが馴染みすぎてイマイチだわと感じる場合は、インドのダールのレシピのように、出来上がりちょっと前に油を熱したフライパンでスパイス(粉末ではなく種の状態で)やニンニクを1〜2分加熱してじゃじゃっと加えてやる(tarkaと言います)と風味豊かですが、風邪でヨレヨレになってるときにはそこまでやろうと思いませんでした。
いや、正直な話、今回は作った初日は鼻が詰まっていたのか、匂いも味もよくわからず、夫に「これ、味ある?」と聞いたほど。
翌日の残り物はもうちょっと美味しく味わっていただけましたが。笑
Eating Animals 読後の、チキン・スープを巡る思い
北米の人は「風邪を引いたらチキン・スープ」とか、「風邪の時は紅茶にハニーを入れて飲むといい」とか言いますよね。
私はヴィーガンですのでピースープと緑茶、これで十分です。笑
スープを作るときに生姜を多めにすりおろして、ハーバル・ティーを入れるときに一緒に入れて体を温めたりも。
チキンスープといえば、ヴィーガンになる前は骨を取っておいて香味野菜と一緒にスープを取ったりもしましたし、今でも職場では鶏肉をさばいて残った骨でチキンスープを作っています。
職場ではオーガニックの鶏肉なんて予算がないので使えません。
北米で流通している鶏肉のほぼ99%は抗生物質や成長ホルモンを与えられたファクトリー・ファーム産ですからその骨から出汁をとって人に食べさせることにものすごく抵抗を感じます。
ここ数年は肉は同僚が専門でやってくれていて、私が調理を担当する日は基本的にヴェジタリアン(ヴィーガンなことも)なので、鶏の骨を前にして悩むことはないし、自分の考えを他人に押し付けることはできないのですけれど、やっぱり複雑な心境です。
特に、アメリカの場合は、屠殺後の処理では温水の中で肉の解体*がされているということなんですけれど、糞尿が混入しないようにすると時間もコストもうんと上がってしまうという理由で、糞尿まみれの水中で食用の肉が処理されるため、サルモネラ菌始め、ありとあらゆる危険な雑菌が肉に付着しているそうです。
30数年まえに鶏肉業界とUSDAが合意に至るまでは、糞尿は危険な汚染物として扱われていましたが、現在は糞尿はCosmetic Blemish-表面的な汚れ-という定義なんだそうです。産業の方が政府の機関よりも政治力を持っているアメリカならではですね。(Foer, p133-134参照)
*カナダやEU圏内ではこのプロセスは採用されていないそうです。カナダでよく交わされる会話「アメリカよりはちょっとはマシだよ」はまさにここにあり。笑
このプロセスのおかげで、店頭で出回っている鶏肉の重量の10%近くは処理段階で吸収された水分なんですって。 アメリカの鶏肉、安いですけど、、、ね。