食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

フカヒレ輸入禁止

www.cbc.ca

 

カナダ連邦政府は、フカヒレの輸入禁止についに踏み切るようです。

http://https:/https://www.parl.ca/LegisInfo/BillDetails.aspx?Language=E&billId=9630814/www.cbc.ca/news/politics/tasker-shark-fin-ban-1.5161870?cmp=rss

 

長年の乱獲の結果、サメの個体数は90%ほど減少したと推測されているそうで、去年だけでも殺害されたサメの数は7300万匹に登るとか。

 

f:id:casse-pied:20190606043301j:plain

写真はCBCサイトより

フカヒレを取るには、生きているサメを捕獲し、ヒレを切り落としたあとのサメはそのまま海に捨てるという残酷な方法がとられているというのも、酷い話です。

海に捨てられたサメはもちろん死んでしまいます。

 

酷い話です。

旨いものを食べるためにはなんでもやりますね、人間って。

 

サメが可哀想だという話だけではなく、そうやって大量に食物連鎖の上位にあるサメを殺してしまうことで、海のエコシステムが乱され、ほかの生き物の生体数にも影響が出てきます。

 

これはマグロの乱獲などでも言われることですけれども。

 

 

カナダはアジア圏外で、なんと世界三番目のフカヒレ輸入国だそうです。

アジア系住民が多いからでしょうか。

ちなみにアジア圏での第一位と第二位は予想通り中国本土と香港だそう。

輸出国はインドネシアなど。

 

 

フカヒレ輸入禁止法案は大まかに言うと、これまでに複数の議員が提案し、通過しなかった(法律にならなかった)議案の内容をC-68というカナダの漁業に関する既存の法律に追加すると言う形をとっています。

 

C-68の改正案が通過するには、まずは今週Senate(上院)を通過したあとCommons(下院)に送り返されそこで承認されるという流れ。

 

 

カナダではこれまでも、トロントをはじめとするオンタリオ州の自治体のレベルでフカヒレを禁止する動きがあったそうなのですが、禁止反対派も強力だったようで、オンタリオの最高裁判所が禁止を阻止したなどという過去があるそうなのです。

 

 

オンタリオはBCと並んで中華系住民が多いですからね、レストランなどが禁止令を阻止しようとするのでしょう。

でも、中国人がみんなフカヒレを食べてると思ってはいけません。

 

トロント市議会員で元Chinese-Canadian National Councilのトロント支部長だったクリスティン・ウォン・タムはフカヒレ禁止法案推進派の重要人物で、人権侵害を根拠にフカヒレ禁止に反対しているレストランなどに関しては「レストラン経営者が心配しているのは人権ではなくて収入が減ること。人権侵害など虚偽のクレームでしかない」と強く出ていますし、中国人が全員フカヒレを食べるわけではないとも。

 

他にも中国系運動家や政治家がリーダーとなって成立したフカヒレ禁止の例では、カリフォルニア州やバンクーバーなどがあるそうです。

 

また、C-68はフカヒレにとどまらず、クジラやイルカなどほかの海洋生物の権利保護案も盛り込んでいるようです。

 

海の生物は長年の乱獲で個体数も多様性もかなり減っています。

食べたいからとどんどん捕獲すると海は魚がいなくなってプラスティックゴミが浮いてるだけになってしまいそう。

 

カナダでは東海岸のノヴァ・スコシア州やニュー・ファンドランド州など漁業が盛んな地域で80年代頃まで無計画な乱獲が行われ、そのため海に魚がいなくなってしまったことがあります。

何代も漁業をして暮らしてきた人々、「魚の個体数が減ってるから計画的に、収穫量を抑えるように」と言われてもそんなことはできないと抵抗が強かったのです。

その結果、漁に出ても魚がいない海になってしまい、代々漁業を営んできた人々が仕事もアイデンティティも失って文化的な危機を経験しました。

 

現在は計画的な漁業が再開されているようですが、漁業ができなくなった当時に自分の生まれ育った土地を去った人たちも大勢ですし、沿岸州は比較的貧しい州が多く、過去のような活気は失われてしまった感じが漂っています。

もちろん沿岸部各州は観光業やらなんやらで一生懸命盛り立てていますけれども、失われたものは大きいと感じます。

 

海は広いですけれど、資源は無限ではないのです。

 

 

フカヒレ、食べてる場合ではありません。


ヴィーガン ブログランキングへ