別の用事で郵便局のカウンターに出向いたらば、グラスケースの中にこんなものを発見してしまいましたよ。
Sweet Canada / Desserts du Canada 切手10枚セット。
ぼーっと待ってる間にお客さんが眺めて「おお、この記念切手買っとこうか」などと思わせるような配置にあったデザート切手。
まんまとカモになってしまいました。笑
局員さんが私の用事を済ませて戻ってきて「他には何かありますか?」と聞いてくれたので「いや、本当はあれだけで良かったんですけど、今これ見ちゃったからこれも買います」
と言ったら、これはカナダのデザートの切手なんですよと。
確かに、ナナイモ・バーとかバター・タルトとかシュガー・パイとか書いてあります。
カナダポストのサイトの説明を下に引用しておきますが、五種類のカナダのデザートの内訳は、
- BCのナナイモ・バー
- サスカチュワンのサスカトゥーン・ベリー・パイ
- オンタリオのバター・タルト
- ケベックのシュガー・パイ
- アトランティックカナダのブルーベリー・グラント
でございます。
The featured desserts are Nanaimo bars, Saskatoon berry pie butter tarts, tarte au sucre (sugar pie) and blueberry grunt. The fun-shaped stamps are arranged on a recipe card background. The back of the booklet also features a recipe box motif.
Rich and chocolatey Nanaimo bars have been associated with their namesake Vancouver Island city since the no-bake recipe first appeared there in the 1950’s.
Saskatoon berry pie, notable for the unique apple and almond taste of its fruit, is a true Canadian original. High in fibre, protein and antioxidants, the berries were once a staple of Indigenous people and Prairie settlers.
Butter tarts have become an object of cultural pride in some Canadian communities, with several Ontario towns boasting the best bakers of these sweet pastries.
An indispensable offering at Quebec patisseries, tarte au sucre has centuries-old European origins that were adopted by early arrivals to New France.
Named for the noise it makes while cooking, blueberry grunt has been enjoyed on Canada’s East Coast for generations.
私はこの中で見聞きして知っていたのはナナイモ・バー、バター・タルト、シュガー・パイだけで、サスカトゥーン・ベリー・パイって普通のベリー・パイじゃないわけ?ブルベリー・グラント?なにそれ?というわけで、ちょっと調べてみました。
サスカトゥーン・ベリー・パイ
サスカチュワンに住んでる方とか、西の州にお住いの方々にとってはおなじみのものなのでしょうか?
無知な私にしてみれば「実はカナダのデザートと言って有名どころを集めても足らないし、西の州ってあんまり目立つものがないから申し訳程度に追加したのでは?」という疑惑の念があるんですけれども、もしも西方面にお住いの方で「そんなことはないよ、このパイの美味しさったらないわよ」とご存知の方はこぞってコメント欄でお叱りください。
ブルベリー・グラント
カナダのマリタイムスやケベック州は世界的にも一二を争うワイルド・ブルーベリーの産地なんだそうです。
というわけで東の方ではブルーベリーを使ったこんなお菓子が昔からあるようなのです。
普通にパイ生地の上にベリーを乗っけたような、サスカトゥーン・ベリー・パイみたいなパイだってきっとたくさん食べられていることでしょうが、まあ見た目やスタイルが同じようなものを並べても面白くないから、これなんでしょうか。
www.thecanadianencyclopedia.ca
さて、お次はカナダに遊びに来たことがある方なら多分見聞きしたことはあるのではないかと思われる有名どころが三つ、、、
ちなみに私はこのどれも、口に入れたことはありません(甘いもの嫌いなので。)
ナナイモ・バー
以前フランス語の会話の授業で、3人ひと組のチームに分かれて「一人が本当の話をして、残りはデタラメな作り話をして、発表し、クラスの他の生徒たちが真相を語ったのは誰だか当てるゲーム」というのをやったとき、「え〜?うっそ〜、本当に?」と信じられないような本当の話はあるか、ということでみんなが自分の経験談を披露していた時に、「私はね、ナナイモ・バーを食べたことがないのだよ、はははは」って言ったら、その場にいた人たち誰一人としてナナイモ・バーを知りませんでした。
それはきっとフランス語のクラスをとっていた人たちがよその国から来た移民だったり観光できてる人だったんだよ、と指摘されたので、ケベック出身の知人に聞いて回ったら、結構知らない人がいて、私の中では驚きだったのですけれども。
しかし、切手のナナイモ・バーは、本来のバーの構造を無視した偽物であると言ってナナイモ住民やナナイモ・バーを愛する人々の間で物議を醸したという報道もあります。笑
切手の写真では土台のレイヤーと一番上のチョコレートのレイヤーがかなり薄くて、真ん中のカスタード・レイヤーがかなりの比になっていますけれども、ウィキペディアのリンクに載ってる写真でもわかる通り、土台とカスタード・フィリングの比率はほぼ同等で、その上にチョコレートの層があるんですね。
それってどら焼きだと言われてるどら焼き切手のデザインが、あんこを挟んでる皮の薄さがモナカの皮みたいに薄い、、、ような感じでしょうか。
とにかく、比率がこうも変わってしまうとデザートとして成立しないのよ、と地元の人たちはお怒りな様子です。笑
シュガー・パイ(tarte au sucre)
砂糖のパイって言う名前ですからね、西ヨーロッパ系の各地に似たようなものがいくらでもあるようで、ヨーロッパからの移民が入植したアメリカ各地にも同じようなものが結構存在するようで、これをして「カナダの、、」って言えるのか?と言う気もしないでもないんですけれど。
ちなみに、シュガー・パイで検索してもカナダ!と言う感じの情報もレシピも出てこないので、諦めかけましたが、ふと「これはケベックのものだから、仏語で検索したら出てくるかも」とtarte au sucreで検索しましたら、一発で「シュガー・パイ」の英文のウィキのリンクやケベック版のall recipesのリンクなど様々なものがヒットしました。
シュガー・パイを探してる時、いろんな英語のページで、「バター・タルト」と混同してるような記述が見え隠れ。
そういえば自分も、バター・タルトとシュガー・パイってどう違うのか知らないなあ、と。
だいたいオンタリオの親戚の家の近所のスーパーや市場なんかに買い出しに行くと、ベーカリーコーナーにタルトレットの詰め合わせで「バター・タルト」が陳列してあり、ケベックに戻ってから似たような売り場に行くと「シュガー・パイ」と称して同じようなものが並んでます。
カリフォルニアに住んでいる義姉がカナダに帰省すると「バター・タルト食べたい、カリフォルニアにはないのよね」と6個入りだか8個入りを買ってきては食べているのですが、自分で食べようと思ったことがありませんでした。
多分今後も手を出すことはないでしょうし、ヴィーガン・バージョンを作ることもないと思いますけれど。
それなりに違いはあるらしいですね。
カリフォルニアの義姉にバタータルト切手を使って手紙を出そうかと思いましたが、国内向けの切手。金額がついてる切手なら不足分を支払えば使えたんですが、パーマネント切手なのでそれができるかどうか、、、面倒なので送らないことになりそうです。笑
カナダのパーマネント切手は10年経ってインフレで物価が上がっててもそのまま使える「値上げに関係なく永遠に使える」切手です。