先日、久しぶりにモントリオールでは多分割と有名なヴィーガンスシ屋、Sushi Momoで寿司をテイクアウトしました。
魚を食べていたその昔ならきっと受け入れることに抵抗があったであろう、日本の伝統的な寿司の概念から自由に羽ばたいて好き勝手やってる食べ物です。
寿司、ではなくて、スシ、Sushi なんです。
日本で明太子スパとかスープスパとかそういうのが発展しているのと同じようなこと。
ヴィーガンになって、魚の鮮度など「本来の」寿司の価値観や基準みたいなものに縛られなくなったせいかな。
でも、「まるで本物の魚みたい」を追求しちゃうと全く無理ですからね、そういう方向性のものは試してみても大体つまらない。
写真のスシモモにも、フェイク・えびの天ぷらが入ってるものがありましたが、フェイク・えび自体が私にはイマイチなのでやっぱり食感が邪魔、入ってない方が良かった。
まあこういうのは色々挑戦してくれてるのでたまに試してああだこうだ言う楽しみもあるんですが。
一方、日本に帰省して食べる日本の「ヴィーガンでも食べられる」寿司の種類の少なさはちょっと残念な気がします。
日本のヴィーガンカフェなどで出てくるヴィーガンスシのセットなどを Happy Cow で見つけて写真を見た時にも、やっぱりちょっととガッカリします。（2023年1月初旬時点です。そのうちもっと盛り上がって美味しそうなものがどんどん出てくる可能性はありますよね。）
築地の寿司屋さんでヴィーガンで食べられるものが納豆巻き、お新香巻き、干瓢巻き、だけです、って言われるのは予測できますしまあそんなもんだよね、と思いますけれど、ヴィーガンカフェって言ってる店で出てくるヴィーガン寿司ならもうちょっと美味しそうで楽しそうなもの作って欲しいと思います。（勝手なこと言ってますけど、モントリオールで出てくるものが日本で出せない訳もあるまい。）
↑ネットで見つけた東京のヴィーガンのカフェで食べられる寿司プレートの写真。
寿司だけじゃなくてサラダやきんぴらや味噌汁がついて千二百円くらいなので、お得ではあるんですが、寿司が４切れだけです。
寿司自体も日本の家庭でよく作るような海苔巻きっぽいものですね。
だから、いかにも「普通の巻き寿司マイナス魚や卵」に見えてしまいます。
きっと美味しいんでしょうけど、あえてこれを食べにその店に行きたいとはあんまり思えない。
私は絶対これじゃあ足らないし。
外国でよくわかってない人が、よくわかってないからこその自由な発想であれこれ組み合わせるその自由さみたいなものって、やっぱり伝統的背景のもとに生きている人にはできないものがあるんでしょうかね。
日本のパスタとか日本の洋食も、やっぱりイタリア人とか西洋人には思いつけない、よその国々の伝統的なものに縛られないからこその発想ですもんね。
先週末、友人のお家に集まる機会があったんですが、ヴィーガンの私とキトの友人と、食事を提供するのにちょっと面倒くさい客が混ざっている集まりでした。
なので食事は適当なので良いよ、気にしないで〜と言ってたんですが、ポキボウルにするわ！と。
ここ数年ケベックでも、ハワイで前から存在していたポキボウルからちょっと離れてるかもしれない、なんでもご飯の上に盛り付けたらポキボウルと言えちゃうのか、というようなポキボウルが流行ってます。
ご飯炊いて、材料を色々と切って並べて、好きなもの乗っけてソースかけてお上り、という感じで確かにホスト側としては面倒くさくなくて良さそう。
キトと魚を食べるゲストにはスモークサーモン、魚食べない人、ヴィーガンな人には豆腐を並べた友人。
他にはマンゴー、青ネギ、紫玉ねぎ、アボカド、きゅうり、にんじんが並んでいました。
マンゴーをご飯の上にのせちゃう発想も、日本食でご飯を食べ慣れてる自分にはなかったのでこれは新鮮でした。
そして、トッピング用に「テンピュラ」も。
テンピュラって？
天かすのことみたいです。
頻繁に和食を作る人でもないんですけど、結構大きめなパッケージのテンピュラを買ってましたから、これ、油が悪くなる前に食べ切っちゃえるのかなと気になりますが。
Cultural appropriationって日本では文化の盗用と言うことを最近知りました。
まあそうなんだけど日本語で盗用って言われるとちょっときついなあ。
食に関してはよその国に広まったりよその文化圏の人が挑戦したりする中で、オリジナルにまるで変化がないままで存続するのは無理ですよね。
伝統を守り続けて極める方向でいく人々も当然いますし大事なことですけど、一方で色々変化させたり融合させたりするのを楽しむのもありだし。
これが受け入れられないと、ラーメンとかパスタなんてのも生まれてこなかった訳でしょうし。
なんだかんだ言いながらも、口に合うものを楽しく食べるひとときは幸せです
