食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

畑の成長記録、夏至の日、2017

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2017年、6月21日、夏至。初物のいちごです。

この日は全体に収穫してもいいかなと思える程度に赤くなっていたのが四つだけでしたけれど、まだまだ一杯実がついてますので期待してます。

 

今年の畑は、例年にも増して遅いスタートでした。

義母の家に行って来たり、キャンプならぬモテル泊のハイキングに行ったり、手を怪我したり、なかなか週末にががっと畑開始作業をできなかった。

言い訳言い訳

毎年言い訳には事欠かないですけど。笑

 

遅いなりにも今年は

トマト、きゅうり、バジル(これらは苗を購入)

アルギュラ、ビーツとラピニ(タネから)

去年のものが生き残って生えて来たので、リーク(二本だけですが)

勝手に毎年戻ってくるいちごたちが今年はモワモワっと増えたのでいちご畑

毎年戻ってくるハーブ類各種(タイム、オレガノ、セージ、ミント)

 

去年よりも種類を減らしました。

手を怪我した時に始めたのもあり、あんまり夫に依存したくなかったので。笑

でも、暇を見てちょこちょことタネ巻いたりしてもいいかなあと、まだ目論んでるんですけどね。

 

6月終わったらもうそういうことはできませんけど。

(なにせ9月中盤くらいから霜の予感がし始める土地ですので)

 

で、始まったばかりの畑の、ベイビー野菜たちです。

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ラピニ、、、プラスティックのフォークは、猫よけです。

 

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いちごは毎年ぐんぐん広がって来ますので、早めに「これ以上こっちに来ちゃダメ!」と境界線を引いてやらないといけませんが、なんだか勿体無い気がしてついつい、、。

でもこのいちご畑、畑の境界を超えて芝生の上まで広がってます。隣の敷地まで行ってしまいそうな勢い。笑

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こっち側は赤いけど、あっち側がまだ白いので収穫できない、、そういうのがあちこちにたくさん。

なぜか毎年、毎日手のひらに乗るくらい熟したのが取れるけれど、一気にガバッと収穫するほどにはならないのです。

 

 

 うちの苺は無農薬で、地産地消です。大きくないけど味は濃いです。

火を燃やすー公害と伝統の香り

日常生活で火を使う頻度

この時期何かとチャンスがあるごとにBBQをやっております。

我が家で使うBBQは炭を使う昔ながらのWeberのケトル・バーベキューです。プロパンガスのBBQが一般的なんですけれど、炭を上手に組み立てて火を起こして、、というプロセスを楽しみたいのです。

キャンプの楽しみも、焚き火とか炭火のバーベキューじゃあありませんか。

 

火の燃える様子や煙の匂いって、原始時代から伝わる人間の本能みたいなものをくすぐるものがあるような気がします。

もちろん危険ですから、火はコントロールできる規模と状況でなければいけませんけど、それは当然のこと。

 

 

北米の一般的な調理熱源は電力だと言って多分問題はないと思うのですが、我が家も電力です。

強火で調理した後火を細めて、、という火力の変化をつけやすいのはやっぱりガスですが、我が家の通りにはガスサービスが通っていないので、ガスにこだわりたいなら引っ越すか、ガス会社にお金を払ってガスをうちの前まで引いてもらうかせねばなりません。

義弟の家は同じ市内でもガスですので、ガスが全くないというわけではありませんが、知り合いのほぼ全員が電気なので、ガスは確実に少数派。

 

田舎の森の中に住んでいる知り合いの台所では薪ストーブ(&薪オーブン)を使っていますけれど、私の知り合いの中では彼らくらい。市内では薪で調理する個人はいないんじゃないでしょうかね。

 

一方で、暖炉や薪ストーブによる暖房は今でも割と一般的というか、秋口のちょっと急に冷えたなあというような夕方に家路を急いでうちの近所を歩いていると、あちこちから薪を燃やす匂いが漂ってくるので、うちの通りにも暖炉もしくは薪ストーブがある家は何軒かあるのでしょう。

住宅地を歩いていて木が燃えるにおいを嗅ぐと、「火事?」と一瞬ゾッとしてしまうので、私個人としましてはあまり嬉しい匂いではないのですけど。

 

今では家々の暖房もほぼ電気がメインな我が州です。天然ガスとかオイルだという家も存在しますけれど、天然ガスであれオイルであれ、現在使われてるシステムではサービス会社が年に一回掃除に入ったり炉の点検をしたりせねばならず、個人の家庭に対する安全基準や公害基準は結構厳しいのです。

 

 

煙による公害問題と行政のアプローチ(個人)(レストラン)

では一方で、薪を燃やして調理するレストランなどはどうなのか、といえば、うちの市の中には70軒ほど存在するようです。

 

そんな中、こんな記事を見つけました。

モントリオールのベーグル屋と煙公害問題という内容で、街中にあるベーグル屋からでる煙が周辺住民の健康へ悪影響を与えているという話です。

 

モントリオールといえばベーグル。

薪をくべたオーブンで焼き上げられたベーグルは本当に美味しいのです。

自宅のオーブンで焼いたベーグルとは比べ物になりませんよ。

火力の違いということもあるでしょうけれど、ベーグルファンは、この薪の香りが重要なフレーバーなんだと思っているのです。

薪じゃないオーブンで焼かれたベーグルを食べたことがあまりないので、食べ比べて見たら案外変わらないじゃない、と思うのかもしれませんけれど、なんというか、私にとってはベーグルは、薪のオーブンで焼いている小さなショップで焼きたてを買って食べるものなので、公害のせいで薪オーブンが廃止になったらちょっと悲しいと感じますが、同時にたかが食べ物屋のせいで健康に被害を被る人が出てくるなんてあってはならないと強く感じますので、ちょっと悩めるところです。

 

公害拡大の構図と煙の人体への害

最近ではベーグル需要も住民の人口増加とともに拡大しているようで、有名ショップのベーグルはうちの近所のスーパーでも、はたまたCOSTCOなどでも買えるようになっているのです。

ということは、以前とは生産量もバカにならないほど拡大しているようです。

ということは、くべる薪の量も以前よりもかなり増加しているわけですから、近隣への煙公害もさらに悪化します。

 

記事によると、木を燃やして出る煙には微粒子、一酸化炭素、揮発性有機化合物、多環式芳香族炭化水素、ベンゼンおよびホルムアルデヒドなど100以上の有害物質が含まれているそうです。2013年、木の煙に含まれる微粒子物質は発がん性物質とにWHOによって分類されましたが、この微粒子は杯の奥深くまで到達することができるので、健康に深刻な害を及ぼすのだそうです。

 

行政の対応 

北米の各地方自治体では、これを受け木材の煙を規制する処置が取られていて、モントリオールも例外ではありません。

モントリオールでは、微粒子の排出量が1時間あたり2.5グラム以下に抑えられない薪ストーブや暖炉の使用は、2018年の10月以降は違法となることが市の条例で制定されました。

 

こういう規制があるのに、未だにベーグル屋の煙がもくもくと街中に放出されているというのはおかしな話ですよね。

周辺住民が苦情を申し立てているのにもかかわらず。

 

モントリオール市は観光が大きな収入源でもあるので、モントリオールといえばベーグル、という観光資源としてのベーグル屋のイメージを無視できないという部分もあるようです。

でも、そうは言っても周辺住民を苦しめるベーグル、というのは良くないですから、市もなんどもベーグルショップには改善を求めて行政指導したりはしているようなのですが、なんというか詰めが甘いような感じはします。

 

 

記事によると、モントリオールの島にあるそういったレストランやベーグルショップなどが排出する微粒子の公害は年間で、70軒合わせると60トンほどだと推定されています。

これは、輸送・交通機関(818トン)、一般家庭での暖炉や薪ストーブ(701トン)、工業(241トン)に次ぐ4番目に大きな排出源という位置付けです。

 

3位までの業種がそれぞれ3桁なのに対して、4位のレストラン・ベーグルショップ軍は二桁ですから、それほどでもないじゃないか、とも思いますけれど、でも70軒で60トンですからね、一軒当たり平均で年間0.86トン排出しているわけですから、やっぱりすごい量です。

 

ただ、一方で、個人の家庭で暖をとるために使う薪ストーブや暖炉が公害排出グループの第二位というのも正直ちょっとびっくりしましたよ。

詳しいことは知りませんけれど、日本語のブログなどでたまに「環境のために薪ストーブを使って暮らす」ようなことが書いてるのを見たことがあるのですが、木材を燃やすのに環境のためという論理がよくわからないとは思ってましたが、こんなにネガティブなインパクトがあるんですね。

個人家庭のそれぞれの排出量は少ないでしょうけれど、チリも積もればというか、個人家庭の数はベーグルショップの数よりもそれこそ桁外れに多いですし。

 

 

企業努力?

記事の中では、モントリオール市内で知られている(日本語のガイドブックにも載っている)有名な店二軒の企業努力のほどに触れていますが、正直な話、本気で努力してないんだろうと感じます。

低公害なハイテクオーブンへの投資ってやっぱりお金がかかりますし、市もそれほどガチガチに厳しくないんだし、努力してるという姿勢を見せて、実際に新しいものを試してるところを見せとけば大丈夫だ、という感じがします。 

これは、ベーグル屋のせいというよりも、モントリオール市がいつも詰めが甘くていい加減だからだと、納税者の私は思いますよ。笑

 

薪の風味のある美味しいベーグルと周辺住民の健康と両立できないわけはないと思いますので、ぜひそこらへんは行政と店とでちゃんと対処して行っていただきたいものです。

 

本物の炎ってやっぱりなんだか本物って気がしますけど、電気やガスって実際の熱量とは別に、感情に訴えてくるものが本物の炎の比ではありませんよね。

とはいえ、燃やすという行為そのものが出す微粒子の害を考えると、うちのBBQとか、キャンプの時のキャンプファイヤーとか、そういう娯楽的な火の使い方もちょっと考えて見たほうがいいかなあと思いました。

完全に暖炉だけで暖をとっている家がないように、BBQだけでご飯を調理してるわけではないので、使用頻度で公害を抑える、なるべく害の少ない道具を使う、ということでしょうか。

 

なぜ人は炎に(煙のフレーバーに)魅了されるのでしょう。

タイ・スティア・フライ

まだタイには行ったことがありません。

 

本物のタイ出身のかたやタイに詳しい方が聞いたら笑っちゃうような眉唾かもしれませんが、タイに子供の頃住んでいたという友人が夫に教えてくれて、それを夫が作ってるのをみてるうちに私も覚えた、という、なんというか、間違いや勘違いが入り込む隙の多そうなレシピなのですが、でも美味しいんですよ〜。

 

なんせ基本は炒め物ですので、手早いし、ココナッツ・ミルクが入るので、濃厚で美味しいのです。

 

料理の中に、肉っぽいものが混ざっていないと寂しい、という感覚はないのですけれど、肉の存在感が比較的大きいものをヴィーガナイズするときに、一切無視して突き進む場合もありますが、肉もどきもしくは豆腐系を入れて歯ごたえや色合いを添えることもあります。

 そんなわけで今回は生でパッケージされていた偽肉(乾燥ではないという意味で)を肉がわりに使用してみました。

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レッド・ペッパーがなく、しかもグリーンペッパーも少なかったので、キャベツでかさ増し&生のコリアンダーの葉っぱがなくて冷凍だし、、、色がパッとしないんですけれど、味のほどは上々でした。チキンみたいに見えてるのは、大豆とマッシュルームを原料とする偽肉です。

 

「Dのタイ・スティア・フライ」
材料
  • 玉ねぎ
  • 生姜
  • にんにく
  • レッド・ペッパー(今回家になかったのでグリーンペッパー)
  • コリアンダーの葉っぱ(仕事帰りに寄った店が混んでいたので今日は家にあった冷凍で)
  • ココナッツ・ミルク
  • 醤油
  • (ヴェジじゃないオリジナルでは他にオイスターソースとフィッシュソース)
  • ライムジュース
  • 塩、ホットソースか唐辛子を好みで
  • そい・ミートなど肉っぽいもの(もしくはノンヴェジの方は肉をどうぞ)
手順

野菜を炒めていき、肉もどきを入れ、全体に炒めてから調味料を入れ、ココナッツミルクを入れて全体に馴染むまで弱火で加熱します。

出来上がったらコリアンダーの葉っぱのみじん切りをざっと混ぜ、ライムジュースを絞りかけます。

バスマティライスなどをたいておき、出来上がりを上からかけます。ライムウェッジを取っておいて、食べる直前に各々もう一絞りすると気分も盛り上がります。

 

友人のオリジナルレシピでは、バスマティライスは白米で、炊き上がったらココナッツミルクを少々ふりかけるのですけれど、ご飯とスティア・フライの割合が上手くいかない(ご飯が残ることが多い)ので、残りご飯にココナッツ風味がついてると他のおかずと一緒に食べにくいというそういう理由から、うちではご飯にはココナッツミルクをかけず、スティア・フライの方に全部入れてしまいます。

 

以前は缶詰一個使っていましたが、最近は箱入りを見つけたので、そちらを愛用しています。

箱入りの方が缶よりも容量が若干少なめですけど、無理なく使い切れるのでそれでいいです。

 

ものすごーく簡単で、割と万人受けする美味しさです。

 

タイのレシピというと、グリーンカレーだのレッドカレーだの、イエローカレーだのとありますけれど、スティア・フライ、という名前で紹介されているものは見つけたことがありません。

多分、知人がこのレシピのオリジナルを覚えた時に、名前が知人流に変わってしまったんではないかと思うんですけれど、これが何色カレーになるのかは不明。(今回のは写真で見る限り、白カレーですね、美味しそうに見えませんねえ。笑)

 

ちなみに、タイに2年ほど住んで日本語を教えていた友人に「こんなタイ料理ってある?」と聞いたら「そういう感じのあるある」と言われたので、まあタイを思い描いてタイ人じゃない人たちが作ってるもの、と思っていただければ、、、一連のcultural appropriationの騒動でちょっと複雑ですが。。

 

出来合いの「**カレーペースト」など一切使わなくても美味しいので、いらない添加物を摂取せずにご飯を食べられます。

BBQで炒め物!とカイワレの最後

カイワレを仕込んでから、右手を怪我し、それでも毎朝毎晩水ですすいで瓶を逆さまにして、成長を見守ってきたのですが、、、、、

残念なことに、カイワレ、成長していて元気なものもありましたが、瓶の中が狭くなってしまったせいか、葉っぱが黒ずんで傷み始めてしまい、アレヨアレヨというまにダメになってしまいました。

 

最後には黒ずみと黄ばみ(葉っぱが乾燥してるんでしょうか?枯れてるって感じでした)と両方出てきたので、手狭な瓶の中での温度差や湿度差があったのかなあと。

 

本当に早かったですよ「あれ?これってもしかして、葉っぱが黒ずんでる?」と思いつつ、出勤前だから、帰ってきてから対応しよう、と思ったら既に遅し。

 

チーズクロスを外して、食べられそうなカイワレを3本ほど抜き取って水で洗って試食しましたら、ピリリと辛いカイワレの味でした。残りはミミズの餌となり。。。

 

ビンを逆さにしてななめった状態で置いておくので、スプラウト状態の時には全般的に生き生きしてたんですが、芽が長く育つにつれ、空間が狭い部分にあるものはくねっとして瓶の側面にくっついてしまってたり、近隣の芽と競争しなきゃいけないからか、あまり長くは伸びず、一方でもうちょっと空間に余裕がある側のは長く伸びて比較的元気だったり。

スプラウトとして食べるには瓶で上等ですが、ある程度の長さを確保したいと思ったらやっぱりスプラウターとか網とかでやる方が均等に伸びる空間を与えられるし、第一育つにつれ窒息しそうな感じの狭苦しさを与えなくて済むかも、と思いました。

 

初回のカイワレは悲しい最後を迎えましたが、まだまだタネはたっぷりありますのでまた挑戦しますよ〜。

 

悔し紛れと言ってはなんですが、アボカドの種の水栽培を始めて見ました。

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アボカドはカリフォルニアとか常に暖かく日光も燦々とてってるような土地でもない限り育てても実はならないでしょうけれど、観葉植物にでもなれば楽しいかなと。

うちで一番日当たりがいいのは夫のオフィスなんですけれど、あの部屋に植物を置くとどんどん枯れていくので、台所で挑戦して見ますが、そのうちあの部屋を私のオフィスとして占領したいもんだと思ってるんです。

占領した暁には若いアボカドの芽を土に移して窓辺に置いてあげたいもんです。

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今日は、天気予報ではずっと雨の予報でしたが以外にもずっとはれ(または曇り)で暖かかったので、再びBBQと行きました。

 

たまたま用があったハードウェアストアで、BBQ道具の売り場に置いてあった野菜炒めなどに便利そうな鍋風のものを買いまして、野菜炒めしましたよ!

 

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底に満遍なく穴が空いてるので、ソースを入れて絡める、とか水溶き片栗粉をかけてとろっとさせる、とかそういうのはできないですけれど、チャチャッと炒めるぶんには便利。

日本でBBQというと、よく鉄板を熱してそこで野菜を炒めたり焼きそばを作ったり、というのがありますが、こちらのBBQはグリルが基本ですので、野菜もグリルの隙間から落ちないように串刺しにしたり、大きめに切ったり。

こういうので炒めたりできるのは、私にとっては調理法の幅が広がるので嬉しいのですが、夫は「ええ?BBQなのに鍋でやるようなことをわざわざ??」とちょっと腑に落ちないような顔してます。

 

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野菜を炒め終わったらベジ・バーガーです。今日のバーガーはこんな形してて変ですが、それには理由があります。

 

今日のベジ・バーガーは、チックピーと高きび、タヒニと水に浸けて置いたチアシード少々、それにスパイス各種です。

 

長方形のバーガーは、長方形のバンにあわせて、、ということです。

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急遽BBQでバーガーやろうか、と思いついて買い物に行ったため、いつも気に入っているバンズが売り切れていて、しょうがないのでこういう形ので手を打ったため。

 

ちなみに、トマトはつまみに作ったグアカモレに使ってしまったし、ピクルスも残り一本しかなかったので、バーガーの具としてはちょっと寂しかったんですけどね。

夫は炒めたチンゲンサイを挟んでました。そういうのもありです。

 

 

家にある中華鍋をそのまま使っても良かったんじゃないかと思わないでもないですが、底の穴からBBQならではなスモーキーな風味が食材に移るんですって。

強い薬品とケベックの医療

先日の右手負傷事件で、近所のウォークイン・クリニックへ行きました。

 

ケベックのシステムでは、自分の「ファミリードクター」がいる人はそのドクターのオフィスに電話して予約を取り、今回のような怪我ならばレントゲンを受けるための処方箋みたいなものを書いてもらい、病院のレントゲン科へ出かけて(何時間も待たされて)レントゲンを撮ってもらい、その後レントゲン専門医からレポートが医者に届くので、また医者に会いに行って医者の判断を聞く、、というような流れです。

 

私は一応ファミリードクターがいますけど、ものすごくやる気のない人なので、今回はウォークイン・クリニックという、どこの誰が行ってもいい何でも屋みたいなクリニックに行きました。

 

州が直接運営しているクリニック(CLSC)に行くのも手ですが、私が住んでいる地域のCLSCはウォークイン(予約なし)は受け付けてくれないので予約しなければならず、そうすると四週間後まで予約が取れないということもよくあり、今回の私のような状況では使い物になりません。

お腹痛い!とか、頭痛い、と思ってお医者に診せに行きたい時に予約が四週間後ってどういう人にとって役に立つのか謎です。

CLSCはテリトリーごとに運営されているので、ダウンタウンにある数カ所のCLSCはウォークインも受け付けていますし、地域によって対応に若干の違いがあります。なんでそんな基礎的な部分で個々のCLSC の態度が違うのか謎ですけど、ケベック州にはおかしなことはいっぱいありますので、これもその一部かなと。

 

そう言ったわけで、全般的に医者へのアクセスが良くない土地に住んでいるので、風邪くらいでは医者なんて考えもしませんし、滅多に医者に会わない暮らしが何年も。。。

 

医療サービスを受けるのが困難だ!というのが最大の不満なんですけれど、サービスを受けたら受けたで、そのサービスそのものへの不満もしっかり感じます。

文句の多い人ですか?いえいえ、やっぱり自分の体のことですからね、成り行き任せにはできません。

 

「痛み」そのものが敵なのか

日本で「我慢しなさい」で育ったせいもあるのでしょうけれど、こちらの医者にかかると、痛み止めの出血大サービスぶりに毎回引いてしまいます。

日本でも若いころに一度、入院するような手術を受けたことがありますが、手術後痛みを訴える私に看護婦は「手術したんですから痛いのは当たり前です、我慢しなさい」と。笑

鬼かと思いましたけど。笑

その正反対にいるのがこちらの医療チームの皆さんで、これまた手術して入院していた私、痛いとは一言も言ってないのに「痛みはある?痛み止め欲しい?」と顔を見るたびに聞くのです。

強烈な痛み止めがバンバン処方される傾向にある北米の医療ですが、欲しいと言ってもいないのに勧めてくるとは、バーガー屋でバーガーを注文したら必ずフレンチフライやコンボメニューをそそのかされるのと同じような展開だと感じますけれど、どうでしょう。

 

素人なりに、例えば捻挫だったら、その痛みを消してしまって、本来は走るべきではない足首でジョギングを続けてしまったらいけないと思うのです。

 

しかも、私には耐えられる程度の痛みなのに、「痛みがないわけじゃないでしょ、我慢しなくていいのよ、薬あげるわよ」と。

 

医薬品会社のマーケティングのおかげか。

 

 

今回の右手負傷でも、強烈な薬を処方されまして。

「腫れと痛みに作用する薬」ということで、非常に強烈なので胃壁を守るために食事を半分済ましてから服用し、その後残りの半分を食べるようにと言われました。

 

手はもちろん痛かったし腫れ上がってましたけど、これくらいの痛みなら我慢できると思いましたので、「それ服用しなきゃいけないですか?私、痛みに強いので、なくても過ごせると思いますが」と言いましたら、ヤサオモテの医師は急に怖い顔をして「絶対服用してください、7日間だけですから」と。

 

副作用は、、

しょうがない、折れてるかもしれないし、これは医師の言葉に従うべきかな、とその薬を服用し始めました。(薬品会社にキックバックもらってる?なんて疑惑も感じつつ、、、)

副作用として

  • 胸焼け
  • 吐き気、嘔吐
  • 頭痛
  • 目眩や眠気(車の運転を避けるように)
  • 日焼けによる肌のダメージ(日光を避けるように)

がリストされていましたが、ググってみたところ、心拍数が上がるだの便秘だの鬱症状だの、、色々と。

人によってどういう副作用が出るかわからないようです。

 

私は目眩とものすごい疲労感、そして便秘(とはいえ毎日便通はありましたが、なんというかお腹が張っててまだ残ってる感じがしました。)を感じ、服用し始めて3日目で、階段を上がって二階に行ったらば、心拍数がびっくりするほど早まりまして、これは一体なんなんだ!と恐ろしくなるほど。

 

仕事で常に、強い薬を服用している人たちと接しているのですが、彼らが口々に言う不満の言葉がまざまざと思い出されました。

薬のせいで、本来の自分ではないように感じる。

薬のせいで、常に疲れていてやる気が出てこない。

薬のせいで、体が重くて朝起きられない。

薬のせいで、、、

 

私はたった7日間だけの辛抱ですが、それでも薬の副作用の怖さのサワリを実感できたと思います。

 

最後に医師に会った時に「こんな強烈な薬は飲んでられないんで、変えるか減らすかできませんか」と聞いたらば、あっさり「じゃあ半分に」といわれ、その後腫れもかなり引いたので、飲むのをやめました。

腫れを引かせることが大事なのだから、氷で冷やしたり抗炎症剤入りの湿布を貼ってみたりして様子を見ることにしたのです。

 

素人判断で薬をやめちゃっていいもんなのか、と友人に咎められましたが、抗生物質ではないし、様子を見てから考えようと、くらくらする頭で考えましたよ。笑

 

 

オルターナティブ医療との違い 

その後、10年来お世話になっているカイロプラクティスの医師に会って話を聞いてもらいました。

さすがにカイロはこう言う怪我の治療はできないだろうと思ったのですが、肘にも痛みが来ていたので、肘から指先までのつながりをチェックしていただき、若干腫れている部分と繋がっているあちこちを抑えては「ここを抑えると痛いか」「どこに痛みがくるか」などをじっくり診ていただきました。

骨こそ折れていませんでしたが、腫れ上がるほどの衝撃を受けた部分は、やっぱり治るまで三週間くらいはかかると言われましたが、後遺症が残るようなことはないだろうとのことで、一安心しました。

 

カイロプラクティスとか、他にも色々あるいわゆるオルターナティブ医療に対しては、伝統的な西洋医学の医者は若干バカにしたような態度をとることが多いような印象がありますが、そういったオルターナティブ医療に助けを求める人が後を絶たないのが現実だと思います。

 

カイロの医師とは10年の付き合いですから、信頼感があると言うのも大きいのですけれど、信頼に結びついたのはやっぱり毎回きっちりこちらの話を真摯に聞いて、それに対応した治療をしてくれるからです。

 

 

お目にかかること自体稀な西洋医学の医師たちは、どの医師も忙しくて忙しくて、診察室に入って来てから「はい、えーと、あなたは、、、」とファイルを開いて「ああそうそう、**だったわね」なんて言う準備不足ぶりだったり、早口でまくし立てて5分も診てくれない医者もいたり「腰が痛い?じゃあ痛み止め出しときましょう」だったり。

 

そんなわけで、私は西洋医学の医師の言うことにあんまり信頼を感じていないんです。

とはいえ、過去に手術をして助けてくださったのも西洋医学の医療チームですので、全く信頼していないと言うわけではないのですけれど、なんと言うか、クリニックや病院に勤務してて白衣着てるからってその権威に服従する気になれません。何様のつもりだ、って感じですけど。

 

まあね、アメリカみたいに国民全体をカバーする医療保険システムがない国に比べたら、入院して手術して回復して家に帰るまでの費用がタクシー代だけで済むような、そう言うシステムがあるのはありがたいことですけれども、医者不足で医者にお目にかかるだけのためにどれだけ待たされるんだ、て言うのも深刻な問題ですし、医者が足らないから治療の質だって本来あるべきレベルよりもかなり落ちてるんじゃないかと思うのです。

 

皆さんもそうでしょうけど、本当にできるだけ医者に関わらずに生きて行きたい。