食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

中華でヴィーガン・Tofu Skin

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ヴィーガン甘辛焼き「チキン」

 

上海のヴィーガンチキンとは

いつも買い物に行くアジアングローサリーの豆腐コーナーには、多種多様な大豆製品がずらずらと並んでいます。

パッと見て何かわかるものから、じっくり眺めても何やら素性不明のものやら、見た目で想像して買って適当に調理して「ふ〜ん」なものから。

 

基本的には豆腐の変形兄弟という感覚で、豆腐を水切りして炒めたりするノリで調理して大外れになることはないし、気が向いたら適当に試してみよう、という気持ちでおります。

 

で、先日ふと気まぐれにカゴに入れたのが、こちら。

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上海、、、素、、難?雛? 英語表示はBean Curd、何の頼りにもなりません

見た目は豆腐っぽいですから、豆腐の水切りをしたものを調理するノリで乗り切れるのは確実ですが、この商品名が気になるので、グーグル・レンズにお願いしてみました。

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グーグルレンズで翻訳お願いしたらこう出ました。

ヴェジタリアン・チキンとな。

ほほう。

この商品を使って上海のヴェジタリアンの皆さんは何を作るのだろう。

中国語のチキンの漢字をどう出すのか(発音知らないからピンインを入力できない)わからないので、英訳を入れてググってみて見つけたのがこちらのレシピ。

thewoksoflife.com

中国語をコピペしてググって出てきたレシピたちは全て中国語だったし、しかも表示したと思ったらすぐにページが消えて、ブラウザの警告というか「このページを表示することはセキュリティ上不可能です」とかいうメッセージが出てきてしまいます。

 

中国のサイトは欧米では表示できないってことなのかな?

サイバーセキュリティー冷戦っぽいですもんね。

 

まあ中国語で説明されても解読できないので、英語で説明してくれている中国出身の皆さんのサイトの方が便利といえば便利なので文句はありません。

 

上のリンクのレシピは輪切りにしてちょっと焼き目をつけてから味付けを絡める、という段取りのよう。

アイデアだけいただいて、適当に酒、みりん、醤油、砂糖で味付けしてみましたが、写真を比べてみるとレシピの写真みたいに茶色く染まってないので、多分調味料の分量も絡め煮をしていた時間も圧倒的に足らなかったのでしょう、、、が、あんまり味を濃くしたいとも思わないので、これはこれということで。

 

 

Tofu Skinと湯葉

実家に住んでいた頃は、湯葉というものは精進料理で、仏事の時の仕出弁当に入っていたり京都のお店で食べたりするもの、という感じで家に買って帰って料理に使う習慣はなかったのですが、他所のご家庭ではどうなんでしょう。

 

ヴィーガンになってからは、アジアン・グローサリーで中国系の乾燥湯葉を買ってきて水で戻して炒め物に入れてみたり、鍋の具に入れてみたり、生の湯葉を刺身に見立ててつまみにしたりと結構しょっちゅう食べていますが、京都の湯葉とはちょっと違う感じです。

 

湯葉は豆乳を温めた時に上に浮いてくるタンパク質の膜ですから、高タンパク。

豆乳全体を固めた豆腐よりもタンパク質の比率は高く、100グラムの湯葉に含まれるタンパク質は50グラムとか。

製品次第で若干の差は出ると思うのですが、豆腐100グラムに含まれるタンパク質が8グラム程度なのに比べるとかなりの高タンパク食品です。

 

素晴らしい食品ですが、昔は湯葉は苦手でした。

幼稚園の頃、毎日給食で出された温かい牛乳が苦手で、毎朝憂鬱で大変だったことがあります。

アルミのお椀に入ったそれを口元に持ってくるとまず金属臭(吐き気を感じる。)

温めた牛乳の表面に浮いているタンパク質の膜の食感(吐き気と鳥肌。)

涙目になって「飲めない〜〜〜」と泣いて拒絶していたトラウマがあります。

 

何しろ舌に触るだけで鳥肌が立つほど嫌いだったあのタンパク質の膜、タンパク源は豆乳とはいえ湯葉はあの膜そのものですもんね。

 

現在は全然全く問題ないので普通に食べています、いや、日本にいた時より食べてます。

 

英語ではTofu skin, beancurd skin, beancurd sheet, beancurd robes、dried beancurdとか呼ばれる模様。

Beancurd だけだと豆腐のことですが。

中国語では豆腐皮、韓国語では두부껍질。

日本語の湯葉というのはなんとなく詩的な響きがあって結構良いですね。

 

シート状に乾燥して折り畳んだのが入っている商品もあれば、浮いているタンパク質の膜をぐちゃっと棒状にまとめて折り曲げた状態で乾燥したらしき「半分に折り曲げた棒」が何本も入っている商品もあり、または小さくまとめられたのがくるっと結び目になったのが入っているものもあり。

生もあり。

いずれも日本の湯葉のようなトロッとした感じはないです。

 

 

湯葉を作っている風景がなんとも美しく映し出されるユーチューブ↓

 

よく買って食べてるのは棒状のもの(炒め煮)、結び目のもの(スープ)、生のもの(刺身)、なのですが、シート状になったものをくるくる巻いて調理したものとか、味付けしたシートをたくさん重ねてサンドイッチの具にしたものとか(ヴェトナミーズ・サンドイッチ屋さんで出てくる)真似してみたいものも結構あります。

 

 

それにしてもベジタリアン「チキン」を名乗るその心は?


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今年もEarth Day・環境のために食べ方を変えてみる

 

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レシピの写真とはかなり表情が違いますが、チョコチップクッキー

久しぶりにクッキー焼いてみました。

今回はちょっと気が向いたので別のレシピで。

でもね、解説にある通り、生地がドライでなかなかクッキードーっぽくならなくて、でもレシピには「大丈夫ちゃんとクッキーになります」とありますが、焼き上がりもちょっともそもそした感じだったので、次回は別のレシピを使いましょう。

chocolatecoveredkatie.com

 

#EarthDayAtHome

アースデー、Earth Dayまであと1週間ほど。

今年も職場でのイベントを予定していますが、参加者との打ち合わせのためにearthday.orgでツールキットのページを徘徊して色々みていたら、政府ではなく個人に何ができるのか、具体的に考えるのにちょうど良い「提案」のページを見つけました。

 

家庭で、個人でできる環境のためのアクションを「食」「エネルギー源」「ごみ」「移動手段」「自然」という項目ごとに提案してあり、具体的なので会話に持ち込みやすいわ、とページをコピペして保存しておいたのですが、ブログに書こうと思ってリンク先を探しにearthday.orgにもう一度行ってみたら、どうやらこのページは消えてしまったというか、今年用の綺麗なデザインに取って代わられちゃったようです。

 

 

ということで、情報の大元のリンク先が載せられませんが、「食」の提案をこちらに貼りましょう。

 

  1. Make our choice in food: (食生活で自分にできる「環境に良い」ことを選択する)

    1. Eat organic: Preserve the richness of the soil, improve air quality, and protect biodiversity and your own health. (オーガニック食品を食べる:土壌本来の健全さを保つ、空気を汚染しない、環境中の生物の多様性や自分の健康を守る。)
    2. Eat local: Eat fresher products, reduce greenhouse gas emissions from transport, and engage in an especially important act of solidarity. (地元の産物を食べる:より鮮度の良い食品を食べ、輸送のためのグリーンハウスガス排出を抑え、地元の食物生産や流通などの連帯の強化に参加する。)
    3. Eat in season: Eat better-tasting, more nutritious food that has undergone less processing and travelled shorter distances, coming straight from our local farmers. (旬のものを食べる:味も栄養価もよりよく、加工度も低く、輸送距離の短い(近隣で収穫される)地元の農家から届く食品を食べる。)
    4. Reduce food waste: In Canada, 58% of food is discarded somewhere along the food chain. Make herbal teas, tasty soups and leftovers, freeze, and store properly: so many tips to fight food waste at home. (食品廃棄物を減らす:カナダでは生産される食品の58%が生産から販売までの一連の段階のどこかで廃棄されています。使い残した食材をハーブティーにする、スープにする、冷凍する、など家庭での食品廃棄を減らす工夫はたくさんあります。)
    5. Eat more plant-based proteins: in addition to being a recommendation in Canada’s food guide, diversifying your diet helps reduce our environmental impact related to food and agriculture. The trick: try out new recipes to cook with new protein sources! Great discoveries to be made! (植物性タンパク質へ移行する:食生活の多様化は、食と農に関わる環境負荷の低減につながります。新しいタンパク源を使った料理のレシピを試してみませんか、 素晴らしい発見がありますよ。) 

     

 

提案されている内容は北米での食物生産システムを背景にしていますが、日本でも規模や詳細は違うとはいえ、状況は似ていると思われます。

 

自分がこの特に目新しいわけでもない5つの提案の全てを実行できているかといえば、全くそうではありません。

では言い訳大会を。

 

1、食べてるものが全てオーガニックではない理由

オーガニック&健康食品の店にでも行かなければ、うちの近所のスーパーや市場では「オーガニックコーナー」はそうでないものの四分の1くらいの面積で、値段も比較的高く、そのため回転率が低めで鮮度が低めなものが目立つ、という現状です。

しかもよく行くアジアングローサリーの野菜売り場、オーガニックのものが入荷している時もあるけれど、基本はそんなものはない世界です。

オーガニックという言葉が販促に有効なキーワードになっている現在、加工食品のオーガニック表示や、カリフォルニアから届いているオーガニックの野菜など、これを選ぶことが本当に環境のためなのか?と大いに疑問を感じるものもあります。

環境のためのオーガニック運動という意味では、ケベック州に住んでいる私は夏場に近郊のオーガニック農家が収穫してモントリオールに持ってきた作物を買ってサポートするのが関の山かと考えます。

 

2、地元産のものをもっと食べない理由

スーパーなど小売店で食品の産地を表示する義務はケベック州にはないようで、例えばケベックで大いに生産されている作物などに「ケベック産」とデカデカと表示をしてあるものもありますが、全ての野菜や果物の産地が表示されているわけではありません。

基本的にケベックで流通している生鮮食料品の多くはアメリカ、メキシコ、南米産で、それを一切手に取らないとなると、特に冬場の食生活はじゃがいもじゃがいも玉ねぎ玉ねぎじゃがいもキャベツリーク半分痛んだカボチャ、、、のようなことに。

10月初旬に収穫が終わったリークとか、今の時期はシナシナでどう誤魔化しても売り物に見えないですから(でも陳列されてる)いくらリーク大好きな私でも買う気にはなれません。

 

温室栽培されたものとか、秋口に収穫して保存されていたものとか、ケベックで収穫されたであろう野菜類をわかる範囲で、「なるべく」地元のものを選ぶ程度です。

 

 

3、旬じゃないものも食べている理由

カナダのほとんどの地域で、「旬」にこだわれない理由は、農産物を生産できる時期が短く、そのため温室栽培と輸入に頼らざるを得ないため。

なるべく旬のものを食べたい、夏場に庭で採れた野菜のおいしさは格別だから、できる限りそうしたい、とは思いますが、どこまでそれができるかはかなり個人差や地域差が出ます。

春先にリークスープとか、冬にトマトとか、私は選びませんけれど、全く無頓着に季節外れの野菜や果物を食べている人が多いのは、輸入品の割合が多くて「旬」に意味を見出せないせいかもしれません。

地元でも生産されるものやメキシコからきてるようなものでも旬に入ると値段がグッと下がりますので、そういうところから旬のものを取り入れるということは大いにあります。

でも値段だけだとたまにやっぱり南米産の野菜が大安売りされてたりもするんですけどね。

 

 

4、食品廃棄物を減らしきれていない理由

これは自慢ですが、年々マシになってて、最近はほとんど傷ませることがなくなりました。

食べ物を捨てるのが気にならない人の方が少ないと思いますけども、本当に罪悪感感じますよね。

買い物をするときには青菜系は一種類まで、安売りで大量に買う場合は買った当日に洗って1回分ずつ冷凍する、残り物は中身が見える容器に入れて冷蔵庫の同じ場所に入れ、夫にも伝える、などなど、細かい工夫が習慣になっています。

 

 

5、植物性タンパク質しか食べない理由

ヴィーガンになったのは畜産業の環境への負荷がきっかけでした。

食の嗜好や習慣は人それぞれですが、植物性タンパク質だけの食生活はシンプルで安くて自分にあっていると思っています。

「チーズ大好きだからヴィーガンにはなれない」とか「肉を食べなきゃ元気が出ない」とかいう人がいますけど、それならヴィーガンにならなくても良いし、元気が出ないときには肉を食べれば良いですから、食べる頻度を落とすとか量を控えめにするとかして植物性のタンパク源の比率を増やして見るだけでも良いと思います。

何度も書いてますけど、一人が完璧なヴィーガンになるより100人が食生活から動物性蛋白を1割でも減らすほうが環境へのインパクトは大きいし、より現実的です。

 

ヴィーガンならなんでも全て動物性食品より環境負荷が少ないかといえばそういうわけではないということも認識が必要です。

大量の水分を要する農作物や栽培できる気候が自分の住む地域から遠く離れているとか、農薬を大量に使わないと育たない植物などは、たとえヴィーガンとかプラントベースとか呼ばれてても環境にとっては迷惑な代物。

アボカドとかアーモンドとかがその代表的な例です。

ヴィーガンのレシピサイトやおしゃれなヴィーガンのユーチューブを見ているとガンガン使う人がいますけど、全く知らないのか、それともどうでも良いのか、と気になります。

 

 

米も水分大量に必要ですけども。


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白いご飯は無限のキャンバス

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残り物のご飯で焼き飯(型に入れて盛り付けたら崩れました)と韓国ワカメスープ。

The Korean Veganのレシピでワカメスープ。

焼き飯の具は豆腐シート(正式名称知らず)青ネギ玉ねぎしめじオクラレッドベルペッパー。

レッドベルペッパーは一玉入れたら甘すぎた。

 

 

ご飯が好き

アジア系の人がご飯が好き、というのはそれほど珍しいことじゃないですよね。

 

一方アジア以外の文化圏に行くと「ライス?ノーサンキュー」と眉間に皺を寄せて拒絶する人もいるし「ライスじゃなくてもうちょっと美味しいものがほしい」と言う人は珍しくないです。

 

お湯をかけるだけのインスタントライスを食べて育ったような場合はそうなるのも納得。

 

夫は私が作るご飯を食べるようになって「だんだん味付けのない白いご飯だけの味がわかるようになってきた」と言うようになりました。

慣れって大きいですね。

 

ここ数年私は白いご飯だけで炊くことはほぼなくなり、普段は米2に対し大麦を1混ぜて炊いていますが、たまに「白いご飯だけ食べたい」とか日本の年寄りみたいなことを言います。

 

米の食べ方として欧米には「ライスプディング」と言うシロモノがあって、これは牛乳で米を煮たものにシナモンと砂糖を入れて食べるデザートです。

ライスクリスピー(お米をポップコーンみたいにハゼさせたもの)なんてものもあるくらいですから、煮たコメを甘く食べることくらいなんてことないわけです。

 

そういえば日本でもお米をハゼたお菓子(名称失念)がありますから、そう考えると日本にライスプディングがない方が不思議なのかな?

日本の米のお菓子といえばおはぎとか米粉に甘みを入れて作る大福やら求肥やらありますから、ライスプディングを毛嫌いする私こそ心の狭いフードナショナリストと言えるのかな?

 

 

米に執着心があると言うほどではないにしても、やっぱりつい好みにこだわってしまいがちな私とは対照的に、好奇心一本勝負で面白そうなレシピに挑戦しているユーチューバーを見つけました。

10カ国の出身者それぞれが、白いご飯に乗っけるお気に入りのトッピングを紹介し、それを実際に作って味見しているビデオです。

 

全体的に見て、おかずっぽい傾向のものは比較的素直に「それもありかも」と思えるけど、牛乳や砂糖がかかるとやっぱり「うぎゃー」と思ってしまいます。

 

ひょっとしたら米にこだわると言うより牛乳と砂糖が嫌なだけかも。

 

そういえば先日、いつも食べてるオートミールがゆ(オートミールですが日本のおじや風に出汁で炊いたもの)にちょっと残っていた豆乳をかけてみたところ、豆乳のクリーミーさが鼻についてどうにも美味しく感じられなかったのでした。

 

 

米の普及

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米の生産世界地図。やはりユーラシア、アジア方面ですね。https://worldmapper.org/maps/rice-production-2016/より

上のビデオでご飯のトッピングを紹介している人たちは必ずしもアジアやアフリカの人たちだけではありませんが、昔から米の栽培が広く行われてきたのはアジア、アフリカ大陸が主流で、ヨーロッパ、特に北の方は麦が主流だったので、このビデオにポーランドの人やらヨーロッパ系のアメリカ人が登場しているのは、食の国際化というか、米食がそこまで広く普及しているという意味で、これも面白いと思いました。

 

麦だってアジアにかなり入ってきてますからね、日本の「納豆トースト」とか、かなり衝撃的でしょうから、ご飯に砂糖とミルクくらい大したことじゃない、とも言えます。

 

 

米が常食な文化圏のご飯料理

ちょっと思い浮かべただけでもこれだけありますね。

南ヨーロッパ

スペインのパエヤ、イタリアのアランチーニとリゾット

メキシコ・中南米 

メキシコのSpanish Rice、キューバのBlack Beans and Rice

中近東 

Tahdig, Mansaf, Mujadara, Lebanese rice with toasted pasta 

インド亜大陸・西・南&中央アジア

ビリヤニ、プラオ、レモンライス、カブールプラオ

アフリカ

西アフリカ諸国のJollof Rice、セネガルのThieboudienne

東アジア

炒飯、炊き込みご飯、寿司、ビビンバ、キンパ

東南アジア

インドネシアとマレーシアのナシ・ゴレン

 

名前は色々あっても基本的には野菜、豆類、スパイス、油脂、肉や魚介類、乳製品、などと組み合わせて炒めたり炒めた後炊いたり、もしくは炊いたものと他の材料を炒め合わせたり、もしくはお粥のように柔らかく炊き上げたりしたものが多く、その素材の組み合わせごとに地域色が色濃く出てきます。

炒飯など中国の影響が意外な地域まで及んでいたりするし、ピラフとか炊き込みご飯とかも、どこから影響を受けて広まってきたのか、あちこちに似たようなものがあります。

 

米の風味を味わうものというと、炊き込んでしまったり炒めてしまったものよりも、蒸したり茹でたりした白いご飯とおかずを合わせて食べる系のアジアのご飯がやはり美味しいですね。

 

 

主に米作一本でやってきた文明圏の食べ方だと、やっぱりご飯が主役でおかずはトッピング的な感じな気がします。(個人的感想ですが)

 

インドのタリーなんてまさに、ご飯がどどんと真ん中にあって、周りについてくるグレーヴィーはお玉いっぱい分くらい。

何種類もあるとはいえ、これはやはり米を味わうためのお供的な立場です。

で、ご飯と一緒に味わうと甘みが加わってより一層美味しいんですよね〜。

 

 

とか言いつつも、中近東、インドとその周辺系の炊き込みご飯も美味しいのでやめられません。

今度はこれ作ってみよう、メモメモ。

thebellyrulesthemind.net

 

炊き込みご飯だとおかずに悩みますが。


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身近な人が感染・ラピッドテストしました

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川の氷が溶け始め、氷面に亀裂が。春ですよ。



先週の日曜の午後、友人から電話が入りました。

喉がガラガラで鼻詰まり、ひどい風邪でもひいているような声で「コロナ陽性になっちゃったよ。検査をしたのは昨日だけど、その前日に濃厚接触している人たちに電話をしているんだ。念のために薬局で検査キットをもらって検査して。」

 

夫は検査の前日にその友人とバーでビールを一杯飲んできていたのでした。

 

症状が出る前の段階ではいつごろ感染したのかとか、感染して症状を確認するまでの間に他の人にうつした可能性はどれくらいなのかとか、憶測だけで実際のところは誰もわかりません。

 

オミクロン株の感染者数が激増した当時から、ケベック州では症状のある人たちは薬局で簡易検査キットをもらってきて自分で検査できるようにと、州内の薬局に検査キットを在庫させて対応するという対策に切り替えていました。

 

が、いざ薬局に行ってみたら在庫切れだったとか、補充在庫が入ったと聞いてから薬局に行ったら既に大勢押しかけてもらって行った後でやっぱり手に入らなかった、とか、そういう混乱のニュースばかり聞いていました。

 

うちの最寄りの薬局の入口には「検査キットの在庫はありません」という張り紙がもう三ヶ月くらい張り出されたまんま。

なので夫が「でも検査キットがどこにも置いてないんじゃあ検査できないよ」と言ったらば「ああ、あそこの薬局はそうらしいけど、隣のブロックにある別の薬局にはちゃんと在庫があるよ。自分もそこでもらってきたよ。」

 

ということで友人に聞いた薬局へ出向いたら、ちゃんとありましたよ検査キット。

薬剤師さんの後ろの棚を見たら私たちにくれた後もちゃんと10箱くらいありました。

 

近所の薬局の「在庫ありません」というのはどういうことなんだろう?

張り紙を取り下げるのを忘れているだけなのか?

 

 

 

ケベック住民は健康保険カード(medical insurance card/carte soleil)を持参して薬局内の処方箋カウンターに出向けば無料で一箱もらえます。

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carte soleilって呼び方はアングロ住人の間ではあまり使われませんが、sun cardだなんて言及してる人は見たことがない。ヘルスケアカードとかメディケアカードとか言われてます。

 

www.quebec.ca

薬局以外では学校やデイケア、仕事先などでも検査キットをもらえるようになっているようなことが書いてあります。

州民でない人たちの多くは留学生や就労ビザ保有者でしょうから、職場や学校で検査キットをもらえるなら大丈夫ですね。

 

 

夫も私も早速検査キットをもらってきました。

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一箱に検査5回分入っています。

 

 

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中身はこんな感じ。

右手後方にあるのは細長ーい綿棒みたいなやつで、これを鼻の穴にぐいぐいっと突っ込みます。

左手の小さなジップロックバッグみたいな袋にはそれぞれ検査用の液体が5回分入っているもの(手前)と、その液体を入れて、鼻の穴をぐりぐりした綿棒を突っ込むための試験管5本が入っている袋と。

 

医療用品ですから仕方ありませんが、個別包装のプラスティックにちょっと抵抗感じました。仕方ないのは承知してますけどやっぱり。

 

 

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細かい字で細かく手順を説明してある説明書の上には、試験管を安定させるための台(穴が八つ開いてますけど、そんなにたくさん一気に調べる人っているのか?8人家族?)

左側にあるカードは、この説明書の内容が要約してある「手順カード」ですが「このカードの内容を読むことで説明書を読まなくても良いということではないのでちゃんと説明書を読みましょう」とな。

真ん中奥にあるのは鼻の穴をぐりぐりした綿棒を突っ込んだ試験管の液体を数滴垂らしてから十五分待って、陽性か陰性かの判定をするもの。

 

 

正確さと性格と

2020年に州の医療機関にPCR検査を受けに行った時はかなり奥まで突っ込まれ、くしゃみしそうになりながらちょっと涙目になりながら、そんなものかなと思ったのでしたが、去年日本への帰省のために陰性証明書をもらうべくプライベートのクリニックで受けたPCR検査は、看護師が鼻の入口をちょいちょいっと触った程度で「え?それだけ?」と思ったのでした。

 

この検査もそれほど神経質にならなくても良いのだろうなと思いつつも、でも検査漏れしてはいけないしと頑張ってぐりぐりしましたよ。

 

検査液に綿棒を浸したら二分タイマーで測って、綿棒を取り出すときも試験管(柔らかいプラスティック製)をぐいっと綿棒に押し付けてぐいぐいと、綿棒についてる菌を全て液の中に入れるべく、気合を入れてしごきます。

その後試験管から検査パッド(名前不明、妊娠検査のアレと同じようなもの)の指定されている部分に検査液を3滴垂らし、タイマーで十五分で陽性か陰性か見極めます。

 

説明をしっかり読んで間違えないように、しっかりタイマーで時間を測って、、とちょっと緊張しましたが、この説明をきっちり読む集中力のない人や読めない人たちはどうなるんでしょうね。

 

結果は夫も私も陰性。

症状も一切なかったので、症状がない間は仮に感染していても検査で判定がつけられないという話を聞きましたので、結果が陰性でも油断せず、後日風邪っぽい症状が出てきたら速攻再検査すべし、ということでしたが、1週間たっても症状らしいものはありませんでした。

 

実は日曜に陽性だったと電話してくれた友人以外にも、別の友人から「ちょっと風邪っぽいと思って念のために検査したら陽性だったよ」という連絡がありました。

 

彼が感染に気がついてから1週間後くらいに裏庭で友人が集まる予定があったのですが、陽性になった友人には「症状が消えてから5日後の再検査で仮に陰性だったとしても今回は参加を見送ってもらいたい」と伝えてありました。

 

この集まりの主賓の友人がその集まりの後ヨーロッパに帰省する予定があったので。

飛行機に乗る前に感染したら面倒目白押しですし、久しぶりに帰省しようとしたらできなくなってしまった、なんて気の毒すぎますからね。

 

 

症状が消えてから5日後に検査した友人、なんと再検査でも陽性という結果が出たそうで、納得がいかない様子。

症状が治らないよりはマシですけれど。

 

モントリオールでは4月11日から4回目のワクチン接種対象者が60歳以上になります。

ワクチンを接種しても感染はするけれど、重症化する率がかなり低くなることは広く認識されています。

知り合いや友人で感染したよ、したことあるよ、という経験者がじわじわ増えているのはそういうことなんでしょうね。

 

 

皆様もお大事に


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パンデミックに奪われた時間と、残りの時間をどう使うか

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クリームオブ・アスパラガス・スープ

先日の晩御飯はクリームオブ・アスパラガス・スープ。

アスパラガス一把(多分400グラムほど)丸ごと使い、炒めた玉ねぎにアスパラガス出汁(前回のアスパラの処理をしたときに出た茎根本部分からとったもの)に豆乳を加えたもの。

春の風味たっぷり。

 

 

先日、ニューヨークタイムズで面白い記事を読みました。

Tim Urbanという方による、How Covid Stole Our Time and How We Can Get It Back(コロナ禍がいかに我々の時間を奪ったか、我々はそれをいかにして取り戻すことができるか)というもの。

 

NYTは近年購読していなくても月に*記事だけ読ませてあげる、というのをすっかりやめたようなので、簡単に要約してみます。

 

 

自分の残りの人生とは

仮に我々は90歳まで生きると仮定してみます。

現在40歳なら残り50年。

まだまだ先は長い。

あと何週間生きるのか、と思うと数えきれないように感じるし、この時間をどう過ごすのかというのも、先に人生の選択も、自分の力を超えた漠然としたものに感じます。

 

まずUrbanさんは1週間を一マスとして、左から右に52マス並べて一年とします。

これを90列並べたのが90歳の人生。

 

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現在の自分の年齢(上から一列ごとに一年経過していきます)の列の今週のマスが現在、それより左側と上に並んでいるマスは、過去です。

右側以降のマスが将来の自分が有する時間。

 

今現在の自分の年齢と今年に入って何週目かで現在地のマスが分かりますから、そこから数えて、90まであと何週間残っているのかがパッと一目で感覚的にわかります。

「数えきれない」と感じていたものが実は容易に数えられることがわかります。

 

 

人生で与えられた時間の使い道

Urbanさんはニューヨークの自然博物館へ行くのが大好きですが、2009年にニューヨークに引っ越してきてから何回訪問したかなと数えたら実際には3回だったので、現在までの年数で3度という頻度から計算すれば、残りの人生で自然博物館へ足を運ぶのは後12回程度になりそうだということです。

映画館で映画を見るのも大変好きだっけれど、ストリーミングして家で鑑賞するのが簡単になって以来映画館へ行く頻度も激減しており、この調子では寿命が来るまでに映画館へ行く回数は合計で53回くらいになりそうだ、と。

 

趣味なんですとか大好きな場所なんですとかいう割にはそれほどでもないな、と。

そして、パンデミックで多くの人が個人差はあれど辛さや悲しさを感じた「大切な人たちに会いに行けない」という経験も、今後の人生の中でどれほど取り返せるものなのか。

 

 

19歳で実家を出るまでは両親とほぼ毎日過ごしていたUrbanさん。

実家を出てからは、帰省して両親と過ごす日数はそれまでより激減して、一年に平均で十日から15日ほどになったとか。

一年を一マスに換算したとして、20のマスを並べたら最初の19マスは一年に一マスなのに対して、残りの一マス分を埋めるのに24年から36年半かかる(365÷15=24年、365÷10=36年半)ことになります。

両親は自分の残りの人生ずっと生きていませんから、両親と過ごす時間の合計を20年という想定も、一年に顔を合わせる日数が少ない場合は20年に至らないうちに先立たれてしまいます。

私の場合は両親と過ごす時間、20年に至らないですね。

 

子供時代からの友人と会う日数も例に出てきます。

高校時代には毎日のように顔を合わせていた友人たちと、帰省するたびに会ったり、一緒に旅行に行ったり、お互いの家を訪問したり、とたまに集まるというのはあり得ますが、高校で毎日顔を合わせていた頃のような頻度で時間を過ごすことはなくなり、残りの人生で友人たちと集まって過ごせる時間を、現在の頻度から計算してみたら何日分になるでしょうか。

結婚したり子供が生まれたりすれば高校時代の友人との集まりに出られないとか、子供の行事中心になって疎遠になるとか、仕事で転勤になって疎遠になるとか、色々ありますよね。

 

高校であれ大学であれ昔働いていた会社で仲良くなった友人であれ、たまにあって楽しい時間を過ごす仲間と、自分の残りの年数の中で、今の調子で会い続けると仮定した場合あと何回会うことができるのか、と考えると、結構限られた回数なことに気がつきます。

 

 

人生の分かれ道でどちらを選ぶか

自分が楽しみにしていることや自分のためになると思っていること、大事な人たちと過ごす時間など、有意義な時間をもっと増やしたいと思うならば、残りのマス目と、人生の分かれ道でどちらへ進むべきかと迷った時、判断する際に考慮するべき事柄と自分の中で大切なことを見比べてみたら自分の道がわかるのではないか、と。

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Urbanさんのイラストの左側は過去、右側は未来です。

過去の黒い線は自分が選ばなかった道。

タイミングを逃した選択肢、選ぶべきだったかもしれないけど選ばなかった、いわば失われたチャンスでもあります。

緑色の線は自分が選んだ道で、現在の自分につながります。

 

We think a lot about those black lines: the roads not taken, the opportunities missed, the ones that got away. But most of us greatly underestimate the size of the lush green tree of possibilities that lie ahead of us. (我々はこの黒い線-通らなかった道、逃した機会、逃げたものなど-について思い悩みます。しかし、我々の多くは、目の前にある青々とした可能性の木の大きさを大いに見くびっているのです。)
We underestimate future possibilities for the same reason we overestimate the time we have left with those we love: our intuition is not very imaginative. It’s a human instinct to believe the life we’re used to is how things will always be, both the good parts and the bad. (人間の直感は想像力に乏しく、我々はこの先大事な人たちと過ごせるであろう残された時間を大きく見積もってしまうのと同じ理由から自分達の未来の可能性を見くびってしまいがちです。人間の本能として、良いことも悪いことも含めて、慣れ親しんだ生活がずっと続くと信じてしまうのです。)

 

両親と過ごす時間を合計20年と想定した上の計算は確定したものではなくて、「今までのパターンを続けた場合」の見積もりなので、もっとたっぷりと時間を過ごしたいと考えた場合、自分の選択肢は自ずと定まります。

相手が友人でも両親でも好きな場所や趣味でも、自分にとって大切なことに時間を費やすためにはどうすれば良いのか、どういう機会があったらそれが可能なのか、それも今後の人生の選択の際の考慮事項に忘れずに加えておいたら、この先の自分がやりたいことをやる時間や会いたい人と会う時間も増やせるはずだということですね。 

 

全てを優先することはできないですけどもね。

 

www.nytimes.com

 

Tim Urbanさんのブログ

waitbutwhy.com

 

Procrastination (先延ばしにすること)は多くの人々の悩みの種ですが、テストの準備だとか提出期限のあるレポートを書くことだとか、締め切りがあるものに関しては先延ばし癖があって大慌てして「ああ自分は、、」と思っている人とそうでない人といるようだけど、締め切りのない事柄に関しては、先延ばしにし続けていることを認識しないまま一生先延ばしにしたままでいることも大いにあるわけで、そう考えたら人間はみんな先延ばしにする人たち(procrastinators)じゃないか、というUrbanさんのTEDトークです。

 
 
 
そんなにうまくいかないとも言えますが、うまく行くかどうかじゃなくてどうしたいと思うのか、という話。

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