手を怪我したのが先週ですが、その前の週末はハイキングに行ってまいりました。
予定では、国境を越えて、アディロンダック山地(NY州)あたりでキャプして、翌日ハイクすると。
天気予報で、アディロンダック方面の雲行きがかなり怪しいということだったので、急遽地元の山地に行き先を変更しました。
しかも当日に。
でもまあ、パスポート不要だし、国境を越えないので家から食べ物を持っていけるので気が楽、問題ないか、、、と思いましたが、とんでもなかった。
そこらへんに飛んでる黒いものが、うわーっとたかってきた!
うちから北へ1時間半ほど高速を飛ばし、州立公園(でもケベックではナショナル・パークと呼ばれている)のキャンプ地に到着後、ウェルカム・センターに行こうと車をでたら、私たちの周りに黒くて小さな虫たちがむわーっと雲のようにたかってくるじゃないですか!
そう、ブラックフライが発生していたのです!
小さなちいさな黒いハエ、ブラックフライは、春先、ちょうどこの時期に森の中などで発生するのですが、比較的緯度の低い国境の南のNYとかバーモントとかでは見かけません。(単に自分が訪問した時に見かけなかっただけかもしれませんが。)
当初の予定がブラックフライ未体験地区だったため、同行者全員すっかり忘れていたのです。
もうね、本当にひどいんですよブラックフライにたかられると。
蚊も大量発生するとブンブンうるさいですが、ブラックフライは本当にたかられてる人の周りが黒雲のように、、、。
見てるだけでもおぞましいです。
公園の職員のおじさん曰く、先週から始まったとか。
「今夜キャンプするとしたら、どんな感じ?」と聞くと間髪入れず「地獄だね」と。
駐車場(木々や茂みなどないから比較的虫も少なめなはず)であんなだったから、キャンプサイト(は森林の中)はさぞ恐ろしいことになるだろうと予想され。
同行者一同、「やめよう、キャンプなんかできない、虫を気にして焚き火も調理もあったもんじゃない」と意見が一致し、すごすごと近所のモーテルに移動しましたよ。
ラッキーなことに、古びたモテルでしたが、キッチネットがついた半ばスイートのような作りの大きめの一室が確保できましたので、皆でそこに泊まりました。
キャンプ地で作る予定だった夕飯もそこで調理。笑
虫に囲まれることなく、心地よく食事を終えて翌日に向けて就寝しました。
翌朝、やっぱりハイキングをする森林にはブラックフライが多く飛んでいるだろうとは思いつつも、州立公園のおじさんのアドバイス「ブラックフライは朝11時くらいに起きるから、それまでの間は大したことはない」に従って、朝早めに出発する予定でしたが、なんだかんだ喋りながら支度してるうちに予定は狂い(ありがち)トレイル入口に到着したのが10時10分前。
ブラックフライが起きるまで1時間ちょっとしかないよねえ〜、まあしょうがない、行ってみよう、と根拠もなく楽観的に出発いたしました。
上を見ると久々の上天気で、木漏れ日が嬉しい。
なんてことない風景ですが、私は森の中で木々を見上げた時のこんな景色が結構好きです。
今年の春は本当に雨が続いたよねえ。(ということはブラックフライや蚊が例年よりもぬくぬくと育つ温床だったということでもある。)
カナダの自然は素晴らしいことは素晴らしいんですけれど、本当に毎年五月末から六月くらいは、ケベック州のうちのあたり周辺のハイキングルートはブラックフライ&蚊で大変です。
もっと北へ行くと、虫の発生する時期がさらにちょっとずれ込みますし、水の多い国ですので、湖がたくさんあって、森林も豊富なネイチャー体験をしに出かける方は、くれぐれもその土地で虫が大量に発生する時期を調べていかれることをお勧めします。
写真はネット検索して拝借しました。こちらのブログがオリジナルです。私たちがたかられたブラックフライの密度はこの半分くらいだったかな、、という程度ですが、この写真はもう想像を超えたおぞましさですね。
今回もdeet*を塗ったくっても効果があるのは最初の15分くらいか?という恐ろしさでした。
deet というのは、プラスティックに付着するとその表面を溶かしてしまうような強烈な虫除け化学薬品の名称です。
環境や体のことを考えて、なるべく化学薬品を肌につけたくないと思うのは山々ですが、自然な素材だけを使った虫除けでは効き目がない強烈な地域へ足を踏み込む時には、背に腹は変えられない、というわけで、キャンプやハイクへ出かける人々の荷物には大概一本入っています。
deetが配合された虫除けスプレーまたはローション(これ以外にもいろんなブランドがあり)と使用例です。実際にこの時期に森の中に入る人で、ここまで肌を露出してる人は見かけないような気がしますが。笑
いくらdeetを塗りまくっても、歩くほどにじわっと汗が出るとそれで薬品も流れて行ってしまうのか、しばらくすると効き目が薄れます。
なので、定期的にスプレーし直さねばいけません。
露出してる肌だけじゃなくて、頭やバックパック。ズボンやシャツも。
シャツ越しに虫に食われることも結構ありますから。
虫除けスプレーを塗ってると、やっぱり肌の表面がなんだかねちょっとして嫌な感じだし、日中必要だからと塗りたくったdeetは夜にはシャワーで綺麗に洗い落としたいと切実に感じます。
日焼け止めもそうですよね、必要だから塗るけれど、肌の表面がヌチョって感じますよね。
連日キャンプをすると、こういうのを夜寝る前に綺麗に洗いおとすことができないこともあったりするのが辛いところかな。
日焼け止めは日がくれたら落としちゃってもいいですけども、虫除けは焚き火にあたって夜更けまでみんなと喋ってる間も使っていたいですからね。
寝る前にシャワー浴びにいくと、シャワー施設にも蚊をはじめとする虫がうようよ飛んでたりするので、本当にいつどこで洗うのがいいのか、悩みます。
夫と初めてキャンプに来た時、シャワーを浴びて来た私に驚愕した夫は「キャンプでシャワー浴びる人なんて初めて見た!キャンプの時は湖で泳いでお終い、でいいんだよ!」と言ってましたけど。
湖の水では落としきれない気がしますしね。
今回はハイキングの後にキャンプという予定はなくて家に帰って来て綺麗に洗い流せましたけれども、やっぱりちょっと気になるところです。
同行した友人の一人は、虫除けネットを頭からかぶっていましたけれど、頭以外はかなり刺されてしまった模様です。
私は普段夫や夫の家族、およびこちらの友人たちと野外で過ごすと、蚊のターゲットを一人で引き受けることが多いんですけれど、彼女は私よりもターゲット役を強力に引き受けてくれていました。
元々の体質というか匂いというか、そういうのもあると思うんですけれど、今回は私が気をつけて薄い色の洋服を身につけていたことと、彼女の服装が全体的に色の濃いものだったせいもあると思います。(私は黒髪が虫のターゲットになるので、白っぽいタオルを頭に被って、昔のどかちんみたいな風情で歩きましたよ!笑)
虫って、黒っぽい色に引き寄せられるようなんですよね。
私のカメラにもウジャウジャと虫がたかって来たので、途中で写真は断念してバックパックにしまい込みました。
私のバックパックは派手な黄色、Tシャツも白、ズボンは若干濃いめの灰色で、夫のズボンはアイボリー。濃い灰色のズボンと焦げ茶色のシャツの友人がダントツでずっと虫に人気だったので、たかが色と言って侮れません。
スポーツギアって黒っぽいものが多いですけれど、山歩きをする場合はなるべく薄い色のものを選ぶ方が安全だなあと実感。
虫のいない、乾燥したハイク・トレイルに行けばいいだけなんですけどね。