食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

日本のフードガイドを見てみました

先日、カナダの新しいフードガイドについて書いた時「日本にも多分ありますね」と書き、調べもしないでいましたら、マモさんが早速イギリスのと一緒に日本のリンクも載せてくださいました。

pan-panpan.net

 

早速日本のフードガイドを拝見。

内容の前にまず、農林水産省が出してるってことに衝撃を受けました!

これ、生産者側の視点優先ですよ、って公言してるみたいだと感じるのは捻くれて汚れた人の発想でしょうか。笑

 

www.maff.go.jp

 

伝統的な日本の食事のスタイルに沿ったガイドは、欧米のように栄養素別のグループ分けではなくて、日本的な「主食、主菜、副菜」という区分。

そこまではいいんですが、日本的でもなんでもない乳製品の区分がどどーんと。

 

ああ、やっぱり、汚れた心がむっくりと頭をもたげてきますよ。

酪農生産者の圧力って日本でも大きいのかしら、、と。笑

だって、日本の伝統的な食生活でカルシウムといえば、小魚でしょ!小魚!

 

乳製品といえば、戦後アメリカ主導の戦勝国による占領期に、アメリカの酪農産業が市場拡大のために日本がちょうどいいじゃん、と日本でも学校給食などで出されるようになり、、、、、。

 

まあそれは置いといて、この日本的な食品グループの区分け、日本で食事を作っている人たちにとっては使いやすいんでしょうか。

 

 

ガイドに沿って食事内容を考えてみた 

バランスガイドは、カナダのお皿やイギリスのパイチャートとはまるっきり違う、ピラミッドが上下逆さまになったような形です。

 

これは「独楽」がくるくる回ってるところを表したのだそうです。

 

なぜなら、常にくるくると体を動かしてこそ成り立つ独楽同様、バランスを取る上で運動はとても重要だから。

わー、凄い、それで独楽に結びつけた発想なんですね。

 

 

食事の適量は、性別、年齢、運動量などで個人差が出てきますが、この農林水産省のページのリンクにさらに詳しく載ってました。。。

 

www.maff.go.jp

私は18歳から69歳枠の女性ですので、一日のエネルギー摂取量は2200カロリープラスマイナス200カロリー(2000カロリーから2400カロリー)くらい食べればよかろう、と言うことらしい。

 

実際は運動量を考慮すべきなので、運動量が多い人は上限、少ない人は下限を基準にせよ、と。

 

運動量が少ないと言うのは、一日中椅子に座ってる人等。 

 

 

 

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上のバランスガイドに従って、摂取する総カロリーの中で色々食べれば良い、と言うことですよね。

 

内容の区分は、

  1. 主食(炭水化物)5〜7サービング
  2. 副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)5〜6サービング
  3. 主菜(肉、魚、卵、大豆料理)3〜5サービング
  4. 牛乳、乳製品 2サービング
  5. 果物  2サービング

 

上のバランスガイドの区分の横には料理例として、それぞれの区分に該当する料理が載っています。

参考にしつつ、一日の献立を考えてみましょう。

 

主食は、例えば1サービングはご飯を軽く一膳、おにぎり一個、食パン一枚、ロールパン二つ。

うどん一杯、もりそば一枚、スパゲティー一皿は2サービングに相当するとか。

 

ということは、お昼にうどん一杯食、朝ご飯と夕ご飯でそれぞれ軽く二杯ずつご飯を食べて、それでも一日合計6サービング、範囲内です。

炭水化物は食事の25%以内にしましょうというカナダのガイドに慣れてるので、これはちょっと嬉しいような、多すぎるような。笑

糖尿や血糖値の高めの人はこれ、要注意ですよね。

 

副菜は、野菜、きのこ、いも、海藻料理を5〜6サービング。

これは野菜の煮物、野菜炒め、芋の煮っころがしが2サービングに相当するそうで、具沢山の味噌汁、野菜サラダ、きゅうりとわかめの酢の物、法蓮草のお浸し、ひじきの煮物、煮豆、きのこソテーは1サービング相当。

 

私は朝は納豆か豆腐(これらは主菜に該当する)とご飯ですので、副菜は特になし。夕飯には野菜炒め、具沢山の味噌汁、きゅうりとわかめの酢の物でもいただいておきましょうか。

これで4サービング、、足らない、、、じゃあ、、芋の煮っころがしでもつけとくか、、これで6です。

 

主菜はタンパク質料理って感じですが、肉、魚を食べない私は大豆料理で3〜5サービングを取る必要があります。

朝納豆を、夕飯に冷奴、、、お、このガイドにはヴェジタリアンやヴィーガンへの配慮はないようで、プラントベースのタンパク質料理は冷奴と納豆以外ないです。笑

豆製品やセイタンなどの偽肉で唐揚げを作って、ここは3サービング追加して、合計5サービングとします。

 

次の牛乳・乳製品は、豆乳コップ一杯にチアシードでも入れて、チアシードプディングをデザートにいただくと言うことで、2サービングと言うことにしましょう。

 

最後の果物、みかん二つ食べて、これできゃすぴえの食事のバランスは無事に丸く収まりましたかね。

 

 

 

ちょっとした疑問と不満

日本で献立を建てる際に参考にするのなら、このガイドは使いやすいんでしょうか。

 

主菜、副菜に関しては、料理名もしくは食品名は載っていますけれど、それをどれくらい摂取するのが1サービングなのかがどこにも載っていません。

それがはっきりしないのに「一日にこれは2サービング食べるべき」と言われてもね。

 

  

さらに疑問なのはやっぱり「副菜」「主菜」の区別の根拠と、牛乳・乳製品。

 

主菜は要するに、メインになる肉!魚!!と言うことだと思うのですが、肉や魚がちょっと入っているけど実際は野菜や豆腐などの比重の方が大きい一品もありますし、芋の煮っころがしなんて、じゃがいもだとすれば栄養素的には炭水化物がメインですから、ご飯二膳とじゃがいもの煮っころがしではちょっと炭水化物過多になります。(里芋とかさつまいもとか、別の種類はまた別の話ですが)

 

 

同様にじゃがいものマッシュにパン粉をつけて油であげるコロッケだって、炭水化物の塊。

実際、コロッケは主菜なのか副菜なのか、どっちなんでしょう。

 

野菜炒めに豆腐とかセイタンを加えたものにはタンパク質もしっかり入りますし我が家ならメイン扱いです。

冷奴や納豆は私にとっては主菜ではなくてつまみ(冷奴)か朝ごはんの友(納豆)です。

タンパク質たっぷりの一皿ですから、同じ区分で捉えるのはわかるんですが、ならやっぱり区分を「タンパク源」にするべきな気が。

 

 

あとはやはり、プラントベースの食事をしたい人たちへの配慮がありませんね。

 

一切動物性を食べないヴィーガン人口は少ないでしょうけれど、医療の世界でも健康に良いのはプラント・ベースの食生活だと言われて久しいので、健康のためにプラント・ベースの食事を心がけている人たちはかなり多く存在するのではないかと。

 

そう言う人たちに、肉や魚以外に何があるのか、どんな代替品を使えば比較的簡単に食生活を大幅に変えなくてもプラント・ベースの食事を続けられるのか、ガイドしてあげるべきなのではないかと思います。

 

それともそれは健康のことを考えた省庁が担当する話であって、農林水産省の担当することではないってことか。

 

 

判りやすく使いやすいガイドを作ること自体大変なことですけどね。


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