食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

最新版カナダのフードガイド2019

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カナダのフードガイド、プラントベースの食品に比重が。
 
12年ぶりに更新された、カナダのフードガイド

 

もうごらんになりましたか?

https://food-guide.canada.ca/en/

 

って、カナダに住んでる人でもなきゃそんなことは知ったこっちゃないですね。笑

 

日本にも多分政府の省庁が監修した国民のための食品ガイドっぽいものは存在すると思います。

栄養士や栄養士の学生が職場に来て、人々に栄養指導をしてくれる際ガイドに言及されることは結構ありますし、学校や病院でも利用されます。

 

基本的には「バランスよく、栄養を考えて食事をしましょう。加工食品を買う時には裏側のラベルを読んで、塩分や糖分などに注意しましょう。」というようなアドバイスが載っているのですが、では、栄養バランスとは?という部分で、「成人は一日にこの栄養素をこういった食品から1〜2サービング摂取しましょう」などとあったのですが、「1〜2サービング」ってどれくらい?などなど、わかりにくいという批判が常にありました。

 

そして、栄養素のグループの分類表示は「牛乳とその代替品」「肉とその代替品」という具合に、動物性食品が基準というか、あくまでも基礎であるという姿勢でした。

まあ昔はそういうもんでしたから、そんなものと思ってましたが、このおかげでやっぱり「肉も食べないと体を壊すよ」と主張する人も後を絶たない訳で。笑

 

が、今回でたフードガイドでは、動物性中心のメッセージが消えました。

 

プラントベースのタンパク源への比重が増え、「肉や魚も食べなきゃいけないし牛乳飲まなきゃカルシウム取れないよ」という呪文が解かれました。

 

もっとすごいのは、それまでの4大グループのうちの一つだった、乳製品(牛乳、チーズ、その他の乳製品)というカテゴリーが消えて、タンパク質の部分にちょっとだけヨーグルトらしきものが置いてある程度なこと。

 

また、フルーツ・ジュース(日本語で言うジュースではなくて、この場合は果汁100%のジュースのこと)は果糖の取りすぎになるので手放しで健康に良いとは言えません。

これが今までは、ジュースをカップ一杯飲むことで本物の果物を二分の一カップ食べるのと同等の栄養を摂取できるという扱いだったのです。

食物繊維なしで果糖の塊をグビグビ飲むのが健康的だという誤解の元。

これも消えました。ブラボー

 

今回のフードガイド作成に携わったのは栄養の専門家ばかり。

産業の関係者は一切この制作のプロセスに関らないように配慮されたそうです。

ブラボー。

 
世間の反応は?

プラントベースの食事を広めたいと思っている人たちには大歓迎な、しかし、酪農や畜産に携わっている人たちやその団体にとっては、ちょっと受け入れにくい内容だと思います。

 

アメリカの食品生産者の政治への影響力は強烈なもので、国民が選挙で選んだ政治家や議会よりも力を持っている異様な有様ですけれども、(それが国民の肥満や成人病に反映していると言えます)ここまで極端ではないにしても、日本でもカナダでも、やっぱり資本主義経済の国では似たような構図はある訳ですから、特定の産業の製品を無視したようなガイドが出てきたことは、ちょっと驚きでもありました。

 

 世の報道をみても、みなさん驚きを隠せないのは同じこと。

www.theglobeandmail.com

 

カナダのテキサス、畜産が重要な収入源であるアルバータ州のカルガリーの地元新聞にはやっぱり地元の農家や関係者の戸惑いなども反映された記事が。

calgaryherald.com

 

上記の記事の後半に引用されているDalhousie UniversityのSylvain Charlebois教授は、新しいフードガイドのメッセージが定着し広く受け入れられるようになるにつれ、消費者の行動にも影響を及ぼす事になるので、供給管理されているカナダの酪農および家禽産業は数年以内に過剰生産になる可能性があると指摘しています。

さらにCharlebois教授は「これら商品の国内生産量は将来再調整をする必要があり、多くの農場が消滅する可能性がある。」とも指摘しています。

 

例えば家畜の餌になる大豆やトウモロコシを生産している農家も、酪農・家禽産業が縮小することになれば売り上げが減る訳ですから、現在のままというわけには行かなくなります。

 

農家は生産する品目を切り替えて生き残りを図ることが必要。

この際うまい具合にオーガニックで国内に住む人間向けの食料生産に切り替える農家が増えてくれたら素晴らしいんですが、どうなるでしょうね。

機械化・効率化された巨大農場から、オーガニックな小規模農場へ移行することで商売が成り立たないならば、そんな展開は期待できませんけれど、現在酪農産業に支払われている政府の助成金を、地球環境にも消費者にも長期的に有益な農業を促進する為に、生産者を保護することに回してあげればなんとかならないでしょうかね。

 

 

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健康的な食品を選択するためのガイドライン
食品のマーケティングに気をつけましょう

と言うメッセージがあるのも画期的。

食品の広告や宣伝、パッケージって、マーケティングと言う名のマヤカシと言うか印象操作というか、消費者を騙そうというものが多すぎます。

現在スーパーマーケット等に出回っている大量生産された食料品に、「昔ながらの農家が丹精込めて作った」原材料を「おばあちゃんが良く作ってくれていたような手作り」で加工したような代物はありえませんけが、そういう絵柄や広告やロゴがついたものはたくさんあります。 

この商品を毎日食べると体の中から悪玉菌が消えて体調が良くなる、肌がすべすべになる、等効能でそそのかそうとするようなものもあります。

直接そういった効能を主張することはカナダでは違法ですが、厳密には主張していないけれど匂わせている、というレベルで巧妙です。

 

昨今のマーケティングには、人気のユーチューバー に新製品を使ったビデオを作らせて売り込むものもありますし、フェイスブックやアマゾン等、オンラインの広告でもその人の興味関心に絡めて売り込もうとしたり、全く油断も隙もありません。

 

個人的には他人が買ったものを延々見せびらかして語ってるユーチューブを見て何が面白いんだと思いますけれどね、買い物ユーチューブが人気なんだそうです。

買い物ブログもあるくらいだから、そういうものなのかもしれませんね。笑

 

プラント・ベースを推進するヴィーガンが「変な宗教?」と思われなくなる日が来るのか 


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