食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

賞味期限切れの食品を食べることと食品の安全性

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天気が良くて暖かな今日、緑の新芽発見!(ピンボケ)

ずいぶん前に、一般家庭から捨てられた食品がきれいに並べられて撮影されたその写真を、何かの記事で見かけて驚愕したのを覚えています。

 

食べ物は無駄にしてはいけないもの、とは誰もが教えられて育ってきたと思うのですが、何が無駄で何がゴミなのか、個人個人で「捨てる」判断基準は曖昧だったりしますが、購入する食品に必ず印字される「賞味期限」ははっきりあります。

 

だから、見た目も匂いも味も大丈夫だけど賞味期限を1日すぎてるから捨てる、、、、

 

と言うのはまあ、確かに論理的な行動かもしれません。

 

でもそれが乾物だったり缶詰だったり、どうみても大丈夫だと思える場合は、個人的に、私は、捨てません。

 

ただ物によっては、見た目が平気でも、例えばカビなどの場合は、表面の白いフワフワを切り取っても、中まで育ってしまっている目に見えない菌糸は取り除けないので危険である、、などと言う話もあります。

だからここら辺は本当に自分で判断するしかないでしょう。

 

 

前置きが長いですが、今日は賞味期限切れの食品のお話です。

 

まずは英国の大手スーパーチェーン、TESCOが、賞味期限切れの食品を数店舗で販売し、行政処分を受けたことに抗議だか控訴だかしていたのが却下されたお話。

www.cieh.org

当然といえば当然ですよね。

食品を販売するお店が顧客に安全な物だけを売るためにはあらゆる安全基準をクリアしていなければいけないのに、消費期限切れたものを売るなんて、、、その上、処分に抗議するなんて、ちょっと驚き。

 

個人が自宅で「おおっと、ちょっと古くなっちゃったけど、、、大丈夫かな、、大丈夫よね」と判断するのとは違います。

 

これを受けて、英国の新聞The Guardianがこんな記事を。

www.theguardian.com

 

日本語では「賞味期限」と言う言葉を使っていますが、今実際にお店で食品を手に取って確認できないのですが、ひょっとして他の言葉を使っているものもあるのでしょうか。

 

英語でも、実際に英国で使われる用語とカナダのものとが全く同じなのか、よく考えてみるとあんまり気にしていないので不明です。

輸入品なんかもありますし。

基本的にこういった日付がついているのは加工食品や肉、卵などの生の動物食品ですので、野菜の比重が多い我が家の買い物では、日付を確認して買うのは豆腐、豆乳、夫はビールの日付も確認しているようです、、、それくらい。

 

 

この記事によると英国では

Use by date

Sell by date (これは小売店が販売する期限のようです)

Best before end date

などがあるようで、BBEはこの日付を過ぎても問題はないけど味は落ちます、と言う日付だそうです。

Expiry dateもよく見かけますね。

 

さて記事の中では次の17品目についての考察がなされています。

  1. パン
  2. スパイス
  3. ナッツ類
  4. 山葵、ハリッサなどのペースト状のスパイス類
  5. イースト、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ
  6. 新鮮な肉、魚
  7. 燻製など加工肉、加工魚
  8. ペストやジャムなどの瓶に発生したカビ
  9. 乾燥された果物
  10. 乾燥豆類
  11. 小麦粉
  12. チーズ、ミルク、ヨーグルト
  13. オートミルク、アーモンドミルク
  14. チップス類
  15. 缶詰

 

生卵は一ヶ月くらい平気だ、と言う話をオンタリオの大学University of Guelphで勉強なさっていた学生さんのブログでずいぶん前に読んだことがあります。

一ヶ月も保存したことはありませんが、生のままならあんまり焦ることはないと言うことかなと。

記事には、不安な場合は水に卵を入れて見て、浮くか沈むか観察するべし、とあり。

浮いてくる卵はダメなんだそうで、沈んでいても横になっているか縦になっているかで、縦に立ってる場合は古くなっている状態、横になっている場合は大丈夫なんだそうです。

 

パン

古くなるとまずかびますけれども、そのカビの広がり度合いを見て自己判断。

これはあえてこの記事で教わるまでもありません。笑

 

スパイス類

古いスパイスは香りが飛んでいると言うか、新鮮なものよりも劣る物ですが、Yotam Ottolenghiさん(英国の著名なレストラン経営&レシピ本の著者)と同居してるわけでもなければ1年であらゆるスパイスを使い切るなんてことはまず無理、一年以上経ってても大丈夫、と。笑

ただダメになるわけでなくても香りは劣るので、一年で使い切れないなら粉末状ではなくまるのままのを買ってきて自分でちょうど良い量だけ粉末にして使うと良いでしょう、と。

粉末は便利ですけどね、確かにまるのままのを使うたびに炒って粉にすると香りの楽しみがぐんと増しますよね。

 

ナッツ類

ナッツは脂を含んでいるので、古くなるとやっぱり味がぐんと落ちますね。

味の問題よりも安全性で言えば、ナッツや穀物類にできるカビに形成される化合物の中には発がん性があると言われるaflatoxinsなど深刻な毒性を持つものがあるとか。

 

 

山葵・ハリッサなどペーストのスパイス類

危険なほど古くなる前に山葵は気が抜けてしまうでしょうし、ハリッサなども色が変わったりして使う意味を失うと思われます。油脂が入っているペースト類は、脂が古くなって酸化すれば匂いも変わるから気がつくでしょう、と言うこと。

 

 

イースト、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー

記事中でコメントしているジャック・モンロー氏は以前ご紹介したTin Can Cookその他、低コストで手軽に入手できる庶民の材料で作るレシピを紹介し続けている方ですが、彼女曰く、期限が切れて10年たったイーストを使ったことがあるそうです。 保存状態が良ければ、新鮮なイーストほど膨らまないとは言え全くだめとは限らないようですね。

モンロー氏のアドバイスは、古い場合はレシピの量の1,5倍入れてみては、と言うもの。

市販のイーストは使いすぎるとイースト臭くておいしくないですから、モンロー氏のアドバイスに従って多めに入れてみて、焼き上がりにイースト臭を感じる場合はそれは元気なイーストだと思っても良いと思います。

北米のレシピではイーストをプルーフ(粉類と混ぜてしまう前にぬるま湯に砂糖少々と一緒に溶かして10分ほど様子を見てみる)するので、そこでも「このイーストはもうダメかも」と判断できますね。

 

記事にはベーキングパウダーやソーダは1〜2年だとありますが、私はお菓子系を焼く頻度はそれほどでもないので、お得用のベーキングパウダーは3〜4年置いてありますが、大丈夫です。暗くて涼しくて乾燥したところにしまっておくことの方がむしろ重要と記事にもあります。

 

  

乾燥果物

乾燥されているものは基本的に永遠に大丈夫だけど、古くなると風味が落ちるものは早めに、、と思っていましたが、乾燥の度合い次第ではカビが生える可能性はないわけではないと。

そりゃそうか、甘くみてました。

イチジクやデイツは比較的水分含有量が多めだから気をつけた方が良いそうです。

 

 

油は酸化しますから、匂いが変なものは捨てるしかありません。

記事ではウォルナットやセサミオイルなどは他のものより足が速いようだけど、それは実は他のものより使い切るまで時間がかかってしまうからかもしれないとも。

ごま油はアジア出身者で和食はじめあらゆる東アジア系レシピを作る人ならば結構早く使い切るとは思いますが、確かにちょっとエキゾチックで高価なオイルだと使い切るまでに時間がかかっていて、気がついたら酸化してたと言うこともありえますね。

 

私は以前、そう言うオイルがもったいなくて石鹸にしたことがありますが、石鹸にしても酸化したオイルは変な匂いで、結局変な匂いの石鹸を作ってしまっただけでした。

無駄な抵抗はしないで捨てましょう。笑

 

乾燥豆類

乾燥豆類は古くなっても虫がついたりしなければ危険ではありませんが、記事にもありますが、古くて乾燥が進んでしまうと水で戻して煮ても芯が残ってしまったり、同じパッケージの中にも乾燥度合いの差が出て一部は十分柔らかくなっているのに一部は硬いままだったり、などと言う悲しい結果になるようです。

乾燥豆類はあんまり商品が動かない小さな店ではなくて、もしくは仮に小さな店でもお客さんが常にそう言った食品を買って言って商品が回転しているお店で買うようにしています。

一度職場で仕入れた豆がいつまで茹でても柔らかくならなくて捨てたことがありますが、本当に古い豆はダメになったらダメみたいです。

 

 

小麦粉

記事には虫くらいしか古くなって困ることはないとありますが、全粒粉はオールパーパスや真っ白い小麦粉に比べると油脂の含有量が多いですから、その油脂が酸化してしまうと風味が損なわれます。

 

オートミルクやアーモンドミルク

オートミルクは脂肪分が低く糖分が高いので、他のミルクよりも比較的長く風味が保たれるようです。

記事は市販されている物に関して書かれていますが、手作りのアーモンドミルクは加熱しないので足が速いと言われています。

 

缶詰

缶詰は保存するために缶詰にしてるんだから、永遠に大丈夫でしょ、と思いますが、古い缶は食品がと言うよりも、食品に含まれる酸が缶の内側を腐食して、それによって食品が傷んでしまう、と言うことが問題なようです。

従って永遠に安心できないのはやっぱり酸の強いトマト系の缶詰。

あとはよく言われることですが、落としたりぶつけたりしたせいで凹んでいたりする缶詰は、凹みの部分のコーティングが破損してメタルの部分が腐食していた場合は食品を傷め、危険なので要注意です。

 

 

豆腐

記事にはなかったエントリー、輝ける豆腐です。

モントリオールの中国系スーパーなどでよく出回ってる丸い容器に入ってる豆腐、私はよく食べていますが、いつもロシアン・ルーレットをするような気持ちで買っています。

なぜなら、「防腐剤不使用」なのに賞味期限がとても長いこと、それなのに買ってすぐに開けてみたら豆腐が浸かっている水がヌルヌルっとしていて、買ったその日にすぐ廃棄したことがあること、一度などは、長い黒髪が一本入っていたこともあったこと。

 

似たような容器に入っていますが製造してる会社は何社かあるようで、これら最悪な製品は偶然なのか、いずれもパンダのブランドのものでした。

今はパンダは絶対避けてますが、それでも開けて間もないのにちょっとヤバそうな気がするなあ、と言うこともたまにあります。

一時は韓国製のオーガニック豆腐に切り替えたこともありますが、諸所の事情でまた丸い奴に戻ってます。

 

毎回しっかり観察して買って、しっかり吟味していますよ。

 

 無駄は減らして、安全に食べたいもの。


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