パンの発酵と室温の関係
先週、先々週あたりから、一日の平均気温が段々と暖かくなり、外出する時に羽織るジャケットもどんどん薄くなってきました。
それ自体は大変嬉しいこと。
手袋もいらない、マフラーもいらない、毛糸の帽子をかぶって耳をカバーしなくても全く冷えないでゆったりと構えてられるって、なんて素晴らしいんでしょうか。
我が家でも、ここ最近は台所の気温が上がってきた模様。
で、今までは一日中冷蔵庫の上でじっくりじっくり発酵させていたサワドーの生地が先日過発酵になってだめになってしまいました。
最初に生地を混ぜて発酵させる段階と、成形してそれから生地が発酵カゴの中で膨らんでくるまでの段階と、室温での発酵と冷蔵庫での発酵をうまいことやりくりして、焼くタイミングを調整できるようになってきてたんですけれど、冷蔵庫から出して生地をちょっと室温に戻してから成形しよう、と思っていたある日、仕事でのズームのミーティングが思ったより長引いて、生地に向き合うのがほんの30分くらい遅くなったなあ、、、と思ったら、なんと、グルテンが発達してブルンブルンと弾力のある生地を丸め始めたと思ったら、もろもろと崩れるかのように、弾力のないべちょっとしたモノと化したのです。
いやーびっくりした。
そのまま捨てようかと思ったんですが、思い直して(食べ物ですし)この腰のない扱いにくい水っぽい生地で何か作れないか、と考えまして、苦肉の策のヴィーガン・ピッツァにして捨てずに食べ切りました。
そんなわけで、室温が2〜3度上がった程度でこんなにも発酵の進みが早いということに衝撃を受けながら、今度は注意して生地作りしました。
今回気をつけたことは次の2点;
- 発酵生地を冷蔵庫の上において(冷蔵庫の上が台所で一番暖かいから)いたのを、テーブルの上に移動した(冷蔵庫の放射熱を避け、なおかつ比較的気温の低めな位置に下ろした)
- バルク発酵の段階で15分から30分ごとに様子を見てみた
それでも、「そろそろかな〜」と生地を触ってみたら、触り始めはブルンブルンしていたのに、ふと気がついたら生地が緩み始めてるような感覚(前回お目にかかったので覚えていました)がしたので、大慌てでささっと発酵カゴに移して冷蔵庫へ入れました。
そんな慌てた仕込みで焼いて、どんなんが焼けるんでしょう、と不安でしたが、一応パンの形でオーブンから出てきたのが上の写真。
切り込みの深さが足らなかったようで、生地が破れて膨らんでしまいましたけど。
ちなみにサワドー・マザーの方も、一日に一度だけ水と小麦粉を追加して冷蔵庫の上においておくというやり方でしたけれど、冷蔵庫の上からカウンターの上に引っ越しまして、今は朝と夕方の二度の餌付けになっています。
そうしないと、発酵が進みすぎてアルコールっぽい匂いになってしまうのです。
そういえばパンデミックで家で仕事するようになる前は餌付けは週に一度で、餌付けした後半日後くらいには冷蔵庫に入れて保存してたんだったっけ。
毎日餌付けするようになって、サワドー・マザーの香りもパン生地の香りもとてもフルーティーで気に入ってるんですけれど、夏場は一日二度もしくは冷蔵庫保存でしのぐ必要がありそうです。
餌付けする際に「捨てる」部分は別の瓶に入れて冷蔵保存しておいて、サンドイッチ用のパンの生地に少し入れて香り付けに使ったりクラッカーにしたりしますが、一日二度の餌付けになると、それだけじゃ消費しきれないので、やっぱり冷蔵庫方式かなあ、、、夏だけ。
都市部の小さな川から海へ
こんな記事を見つけました。
プラスティックのゴミが海洋を汚染していて大問題なのは多くの人々の知るところです。
でもなぜ、どうやって海に?自分はプラスティックゴミはゴミ箱に入れてるし、自分の消費は海洋プラスティックとは関係ないと思うけど?
という思いを抱く人々も多いかと思います。
日本では「リサイクル」に回されたプラスティックのほとんどは焼却されるので、それこそ海に流れていくのはほんの少しなんじゃないかという気になりますけれども、道端や公園の茂みのあたり、側溝や街中のちょっと臭い川の中などにゴミが浮いてるのを見かけますから、やはり日本からもプラごみは海洋に流れ出ていると思います。
2017年に発表された研究では、川から海へ流出するプラスティックゴミの90%がナイル、アマゾン、揚子江などという世界有数の10の大河から流出しているとされていたのに対し、2021年4月に発表された研究では、むしろプラごみの80%が1000以上の、都市部を流れる小規模な河川から流出していることが明らかになったということがこの記事に解説してあります。
しかも、プラスティックゴミを流出させている河川の上位50のうち44の河川がアジアにあるのだそうです。
こういうことを聞くと「ほらだから発展途上国で環境保護の法律がきっちり整備されてない国のせいなんだ」という言葉も聞こえてきそうですけれども、フィリピン、マレーシア、インドネシア、中国などは西欧諸国から「リサイクルごみの輸入」という形で、裕福な国の使い捨て文化の歪みを押し付けられてきています。
しかも、そんな「裕福な国のあり方」として、プラスティックボトル入りの飲料を飲んだり使い捨てカップに入ったテイクアウトのコーヒーやら食品やらを買ったりだとか、そういうライフスタイルが経済発展と並行して普及しています。
うちの近所のアジア系の食料品店で見かけるお菓子やら加工食品の過剰包装や個別包装、本当にすごいです。
海洋プラスティックの実情を映し出すビデオなどは印象的ですけれども、プラごみが落ちているのは家の近所の道端から公園、田園地帯、山の中、ありとあらゆるところに広がっていて、人間が口にする水や食べ物の中にも確実に入ってきています。
出産直後の女性6人の胎盤を調べたら、そのうちの4人の胎盤、5人の胎児、3人の絨毛羊膜からマイクロプラスティックが検出されたという報告もありました。
本当になくても済むようなプラスティックは使わないようにしなければ。