食いしん坊、北米でヴィーガンになる

北米で植物性食品を食べて強く生きる記録

レインパンツを補修してみる・気候変動と個人の力

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モントリオールの春は、雨がよく降ります。
雨のたびに自転車を諦めてたら通勤が大変ですから、雨ならレインジャケット(腰の辺りまで)とレインパンツ(防水ズボン)と雨靴で自転車に乗って出かけます。

 

雨の日は自転車人口が減りますので、通勤途中のバイクパスはスーイスイ、とても乗りやすいんですよ。

雨具で全身固めてますから、水たまりを車がビューンと通り過ぎて泥水を跳ね上げたのがかかっても平気だし、濡れてる路面を走って泥水が跳ね上がってきても平気です。

 

なので、ちょっと空模様が怪しいな、雨が降るかもしれないなとか、さっきまで降っていて、もう降らないかもしれないけど路面は濡れているとか、そういう時にも雨具で全身固めて自転車に乗ります。

 

本当に雨具様様です。

自転車で快適に通勤できますから。

 

と思ってたら先日、自転車のフレームに取り付けてあるU字型のロックを装着する金具にレインパンツが引っかかって、ビリリと破れてしまいました。

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足の内側、ふくらはぎの脇あたり。

しまったー! 

 

雨水を弾いてくれるレインパンツに穴が空いたら、そこから水がじゃんじゃん入りますし、裂けたまんまでは被害が広がるのは目に見えてますから、修繕せねば。

 

でも、縫い合わせるのでは縫い目(穴)から水が入ってきます。

ガムテープを貼り付けてしまう!という楽な方法も考えましたが、テープ類は時間が経つと剥がれてくるし、あまり当てにならない。

どうしようかな〜。

自転車のパンク修理キットでも貼り付けたいですが、裂け目は長さ15センチ以上あります。

それをカバーするようなパッチはないな〜。

 

夫に言ったら「シューグーで繋げたら?」

シューグー、というのは靴の修理用の糊のこと。

 

パッチキットと似たような感じですね、穴を塞いで空気も水も通さない面を作るのです。

 

ということで早速やってみました。

シューグーはゴムぐつの修繕に適しているような強力な糊で、折り曲がったり収縮したりするのにもある程度適応してくれる感じです。

修繕するものの素材によっては使えない(溶かしてしまう)ということなので、パッケージの説明をよくチェックしてみたら、発泡スチロール、ポリエチレン、ポリ何やら、ポリ他の何やら、には使えませんと。

私のレインパンツはポリエステルですが、ポリエステルはリストに載ってないので使える模様。

 

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レインパンツは2層になっていて、表が水を弾く素材のパンツ、裏地には肌にペトっとくっつかないようにメッシュ生地がついています。

裂けた表地を糊でくっつけるので、表地のすぐ裏に当て布を(メッシュ生地がくっついてしまうと動きにくくなると推測して)中に入れて、それからシューグーを。

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作業中に漂う匂いを吸い込んでしまいたくない体に悪ーい糊です。

 

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手につくと大変なので、厚紙で伸ばしてみましたが、伸ばす過程で既に乾き始めている糊、ぐちゃぐちゃになるだけなので、もう一度塗り直し、今度は触らずそのまんま乾燥させることにしました。

 

24時間乾燥させてから使用できるということなので、向こう24時間雨が降らないことを祈りつつ、現在は地下室に放置しております。

 

これでレインパンツ一本が埋め立てゴミになるのを防止できたでしょうか。

それにしてもこのシューグー、これ自体がかなり環境にも健康にも悪そうな代物です。

でもね、靴を修繕する際には使えるし、現在我々が日常的に使用する色々な物の多くがこういった体にも環境にも悪影響のありそうな化学物質を合成したような代物なんですよね。

 

 

気候変動と個人にできること

今年ももうすぐアースデーEarth Dayです。

職場ではこの機会に地球環境について、環境問題についてより多くの人に知ってもらおうと、アースウィークとして1週間環境に関する話題を取り上げた活動をして盛り上げます。

10年くらいやってるので徐々に理解者が増えてる感覚。

以前は「ストローくらい大した量もないし良いじゃない」と言っていた上司も「使い捨てはなるべく裂けたいよね」と言うようになってます。

近年やってくるインターンのほとんどは車じゃなくて公共の交通機関だし。

 

 

個人にできること

個人がちまちまと努力したって、政府が動き出さないとなかなか目に見える変化が起きないので、やってられないわ、という気持ちになります。

こっちは自転車乗って自分の足で移動してるのに、親に車を買ってもらったからとバス通勤をやめて車で仕事に行く知人など見てると内心ガックリします。

 

そういうときに「グリーンランドの氷河が*年前に比べて*%減ってしまった」とか「20年前は山の北側は全て凍っていたけど最近はかなり緑に覆われてる」とか、「平均気温が*度上昇しているから**年までには、、」など悲観的な運命を予告されてるような報道に触れると「ああもう知らない、どうでも良い」と匙を投げたくなるのも人情。

 

米共和党支持者に多く見られる環境問題自体を否定する見解が環境保護の動きを鈍らせる効果は推して知るべしですが、環境問題に熱心に取り組む人々が周囲の人たちに危機感を伝えようとシビアなデータやそれに基づく悲観的推測などを大きく伝えることも、逆効果なので意味がないのだ、とKatharine Heyhoe氏は言います。

 

www.theguardian.com

 

地球環境の変化は、このままいくと地球が茹で上がって地獄のようになってしまうという最悪の予測へ行き着くのは避けられそうだけど、今努力して気温上昇をこれくらいに抑えたら**年前の状況まで戻せる、という理想的な展開も既に無理で、今後はこの両極端の中間で、できるだけ自然災害の増加を防げるレベルに抑えていくしかなさそう。

 

地球環境のために自分が嫌なことをしたり欲しいものを我慢したりなんて誰もしたくないですし、環境のためにコストの高いものを選んだり利益が減る方法を選んだりする企業なんて自然に発生するわけはないですが、人間の心理をうまいこと利用して利益を上げる行動経済学なんてものがあるんですから、目先の私企業の利益のためじゃなくて長期的な地球全体の利益のためにそういう理論を応用して人々の行動を環境保全につながる方向に誘導すればよいんじゃないの、と思うんですけどね。

 

 

レインパンツ修繕したら買い換えなくて済むから100ドル浮く、というのもゴミ減らしの動機の一つとして上等だと私は言いたい。


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